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読んでわかる程度の英語では話せない。

先日、英語に関する私の考えというか愚痴をnoteに投稿したところ、英語のエキスパートを思われるような方々から意外なほどスキをいただきました。

そこで今回は引き続き、私の英語学習にまつわる苦労話というか愚痴を書こうと思います。



1、まずは文法

言語の本質は、文法と語彙の組み合わせだと思います。

単語や熟語を、文法に従いセンテンスにすることで相手に自分の伝えたいことを表現します。

学習する言語のルールを理解して、ボキャブラリーを徹底的に増やす。
これが母国語ではない言語をマスターするうえでの基本となります。

英語について言えば、文法はさほど難しくはないと、私は思っています。

あくまでも素人の私が見立てですが、英語は中学で習う文法が理解できていれば、まず大丈夫でしょう。

それも怪しいという方にお勧めの学習法は、中2・中3の英語教科書の音読です。

1日30分を1か月間、ひたすら音読をすれば、脳内に英語文法の回路が再度配線し直されると思います。


2、読んでわかる単語ばかり知っている日本人

逆に、語彙習得はたいへんです。
単語や熟語を覚えたり、覚えてもすぐ忘れたり。

日本人が英語のできない一番の理由は、語彙力不足だと思います。

大学受験のときに、あんなに苦労して単語を覚えたにもかかわらず・・・
でも、あの勉強だけでは全然足りなかったのです。

例えば、persuade 説得する  という単語。
persuade=説得する と受験勉強で暗記し知っている程度では、全然使いものになりません。

peruade ⇔説得する と脳内で翻訳の行き来をしていては、時間がかかりすぎ。

日本語で「説得する」と聞いて意味が理解できるのと同じスピードで、
persuadeを体で覚えてないと、会話は無理です。

He can play baseball.  
この程度の英語なら、簡単な単語ばかりなので、いちいち脳内で翻訳しなくても、意味は瞬時にわかるし、話すこともできますね。

これと同じレベルで、

I maneged to persuade her to accept our offer.
(私は何とか彼女を説得し、私たちの申し出を受け入れさせた。) 

旺文社 大学入試出る順 英単語ターゲット1900 613  persuade 

この英文を見たり聞いたりしたとき瞬時に理解したり、話せたりできるようにならなければ、persuadeを習得したことにはならないと思います。(manege も、acceptも、offerも・・)


単語習得のレベルとして「読んでわかる」と「聞いてわかる」と「話せる」は全然違います。

受験勉強はレベル1「読んでわかる」程度の単語を、合格のため一時的に増やしていたにすぎません。

数千の英単語をこのレベル3「話せる」にするのはとても大変で、私は絶望感すら覚えます。

更に英熟語もクセモノです。

英単語と比較して簡単な英単語の組み合わせですが、例えば
turn out to be ~ : ~だと分る について・・・
「~になるよう外側に回る」ことが、なんで「分る」になるの?

他にも・・・
put up with  我慢する run out 足りない take over   引き継ぐ・・・  

英熟語ってこんなのばっかりですよね。
なんでこの単語の組み合わせで、この意味になるのか?

そのため、それぞれの単語は簡単なのに、persuadeを習得するのと同じくらいエネルギーが必要です。

残念ながら英熟語が分からないと、実際の会話で相手が何を言っているのか全然わからないので、泣きながら覚えるしかありません。

でも、それは日本語も同じかも。

「引っ掛ける」 「引っぱって、掛けたら、なんで騙したことになるの?」
Why does the word of pulling added hanging mean cheathing?
(添削願います)

「突っ張る」(poke + tense??)  
「置いておく」(put+put??) 
「張り切る」(tense+cut?)

日本語を勉強されている外国の方も泣いているでしょう。


3、聞いてわかる単語は少ない

私はリスニングの練習に、大学受験用の英文集を使用しています。

理由は、受験のとき子供に買ってあげたにもかかわらず、全く勉強せずに新品のまま我が家に残っていたから。
それが今の自分のレベルに合っていました。

大学受験用リスニング教材の音源なので、発音はクリアだし、スピードもそれほど速くはないと思います。

それでも、私にとっては速すぎて理解できないところが多々出てきます。、

それは、単語が分からないから。
全然知らない単語は当然ですが、レベル1「読んでわかる」単語も、聞き取ることは難しいです。

さきほど例に出したpersuadeは、私にとってレベル1「読んでわかる」単語ではあるのですが、レベル2「聞いてわかる」単語にはなっていません。

リスニング音声のなかで、突然persuadeが出てきても、「あれ! いま確かpersuadeって言った?」「persuadeって、説得するだっけ」などと頭の中を巡らせてるうちに、話はどんどん進んで、もう何を言っているのかわからなくなります。

もう少し簡単な単語でも「聞いてわかる単語」レベルに到達していないものが数多くあります。

accept。
頻出単語ですが、リスニング教材のクリアな発音でさえ、私はよくexpectと聞きまちがえます。

「あく せぷと」「いくす ぺくと」
それぞれゆっくり話してくれれば、全然違うのですが、リズムとアクセントの箇所が同じだし、アクセントのないところは弱くゴニョゴニョっと話すので、教材レベルのスピードですら速すぎて、違いを聞き分けることができないのです

he won the award.(彼はその賞を受賞した。)も、
he on the world.に聞こえます。 
「he on the worldってどういう意味?」みたいなことを考えているうちに、音声はどんどん進み、???となってしまいます。

4、話せる単語を増やせば、聞いてわかる単語も増える?

以上のようなことが起こるのは、そもそも読んでわかる単語が少ないうえに、聞いてわかる単語も少ないのが原因です。

読んでわかる単語を増やすには、英文にたくさん触れるしかありません。

聞いてわかる英語を増やすためには「正しい発音で話せるようになること」と英語のエキスパートの方々はよくおっしゃいます。

he won the award が he on the world に聞こえるのは、特にwon とon ・   award とworld を、私が違う発言で話せないていないからなのでしょう。

どちらも発音記号が異なってますので、速く話してもネイティブには違う音として聞こえているはず。

私にはワールドのルがよく聞こえませんが。

私は、「英語耳」という本で発音の練習をしています。

有名なベストセラーですね。
帯に「発音できない音は聞き取れない。」とありますので、正しい発音ができるようになれば、聞き取れるようになるのでしょうか。

私はこの本は6か月くらい練習していますが、子音のLとR、BとⅤ、SとTHの聞き分けができるようになっていません。

母音も難しい。
特に日本語の「あ」から「お」にかけて聞こえる数種類の母音の違いを聞き分けるのが難しいです。

私には、発音に関しては思い出があります。

中学2年生のとき、近所に住むアメリカ人の方が英語教室を開いてました。
週1回1時間で月1,000円と当時としても破格値だったので、親にお願いして通わせてもらいました。

事件はテキストのread という単語を私が読んだときに起こりました。
当時私はLとRでは発音が違うという知識すらなかったので、readを「リード」とカタカナを読むように、読みました。

先生は、「ちがう。ちがう。」「read」と本物の英語発音でお手本を見せてくれました。

私には違いは判りません。
私が「リード」とカタカナでリピートします。

「read」「リード」のやり取りは10回くらい繰り返したと思います。

先生も日本語が全然できない方だったので、私の「リード」がどう違うのか説明ができません。

「まったく同じように発音しているのに・・・」困惑する私。

唯一違いがあるとすれば、先生の「read」は少し「ウぅリード」と聞こえたと思います。
「ウぅリード!」と発音してみましたが、先生は納得してくれません。

結局なにが違ったのか判明しないまま、その日のレッスンは終了しました。

前回私は、だいたい小学校3年生くらいで日本語脳が出来上がってしまうので、その後の外国語習得、特に発音の聞き分けは難しいと書きました。

中学2年生だった私はもう完全に日本語脳状態だったので、すでに手遅れだったのです。

あのとき起こったことの本当の意味が理解できたのは、大人になってからでした。

5、大人なったからこそ、できるようになったこと

以上のとおり、レベル3「話せる」の語彙を獲得するには、とてつもない労力が必要です。

私には、たぶん達成ができないでしょう。

私は、海外で生活している方や外国語を使ってビジネスをされている方をとても尊敬しています。

どうやったら、あんなに達者になれるのだろう・・と。

きっとものすごい努力をされたのでしょう。

それに比べて自分は・・・と時にこれまでのことを後悔したりもします。

それでも大人になってから気づいたことがあります。

それは、語彙が少なくても学生のときより英語が理解できる、ということです。

全ての単語を知らなくても、または聞き取れなくても、分かった単語だけで、だいたい何を言っているのか分る・・

この能力だけは、学生のときよりも向上しています。

年齢を重ねて、知っていることが増えたからでしょう。

何についての話なのか、話題さえ把握できれば、どこの国でも人の考えってワンパターンなので、「あ~ こう言うだろうな!」と予測がつくのです。

少しズルいですが、この能力も使ってこれからも英語学習を楽しみたいと思います。

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