デザイナーがサービス戦略を考える上で見るべきアングルの話(前半)

デザイナーのみなさん、こんにちは。

そして、デザイナーと仕事を一緒にされているみなさん、こんにちは。

今日は、僕があるB to Cサービスの戦略を描くお仕事に携わったときの話をケースとして、デザイナーと事業を推進する立場の企画者が一緒にビジネスの話をする上でどんなところが良かったか、逆にどんなことに気をつけるべきかということを噛み砕きながら、説明できればと思います。

今回は前半ということで、良かったところ篇をお話したいと思います。

実際のお仕事の中で感じたこと

今回は3ヵ年ということで、中期的にどうサービスを進化させるかということをロードマップ化するというお題に取り組みました。

主に関係部署のリード・マネージャー・オペレーションに携わるメンバーとの現状課題の共有(ヒアリング)→ 3年後にどんな事業でありたいか(フェアウェイの定義)→ アイディエーション(戦術のバリエーション出し)というプロセスで進めていきました。

それぞれのプロセスの中で一番大事だったのは、"ヒアリング"のプロセスにありました。組織が異なると各々の課題をどう乗り越えていくのかという思考パターンは全く異なるため、課題の"ヒアリング"をしたあとの議論を丁寧に進めていくことでだんだん視野が重なっていく瞬間がくるので、そのタイミングで"フェアウェイの定義"をしていくとうまくまとまるように見えました。

なかなかここの勘は組織によって変わるとは思いますし、逆にスタートアップだとみんながすでに同じ視野をもって動いていたりといったこともあるのではないでしょうか。

戦略にデザイン思考を持ち込む意味

組織にデザイナーがいるということがだんだんと当たり前になってきているとは思いますが、その職務範囲というか"どこまでの範囲をデザインの領域とするか"ということに関しては、各社まだ隔たりがあるように感じます。

それは多分その会社にいるデザイナーの志向や指向によるところもあると思いますが、今後下記のような観点で事業を展開したいという方は、事業展開を考える際にデザイナーを加えてみるということは"アリ"と思ってもらえると嬉しいです。

・今の事業形態は好調なので、新しい市場の開拓をしていきたい

・今の市場は安定しているので、新しい事業の開発も視野に入れてよりマーケットの心をつかみたい

・今の事業形態を変え、新しい市場の開拓や新しい事業の開発も視野に入れていきたい

これらの課題に対してなぜデザイナーを巻き込むといいのかを今回僕が取り組んだプロセスの中でデザイナーがどういう役割を担ったのかを紹介したいと思います。

現状課題の共有(ヒアリング)

先にこのプロセスが一番大事というように言いましたが、なぜなら様々な部署が様々なレポーティングで課題の共有がなされるわけです。これらはそれぞれの部署・プロジェクト内での視界やKPI構造が異なる場合はカオスとなることが想像されるでしょう。そういった場合にもデザイナーはひとつのものさしを持って課題を整理することができるのです。

それは今まで培ってきたデザインリサーチによるカスタマーインサイトというものさしです。事業課題として並べられた粒を見て、デザイナーは瞬時にそれがカスタマーも共有している課題感か、それとも事業が利益貢献するにあたる課題か競合との競争における課題感かどうかを見分けています。

これらを共有できるものさしとして語ることで、課題を整理することができるのです。

3年後にどんな事業でありたいか(フェアウェイの定義)

これは、戦略をオペレーションにのせたあとのゴールを共有することで戦略の方向性を全員で統一させて、今後、各部署で戦術を作る上でも取捨選択するゾーンを決める作業です。

ここは、デザイナーさんがよく使用するフレーム"サービスブループリント"が活用されるところです。課題のヒアリングをした上で事業の現状がわかったところから、ブループリントを描くことで理想と現実の差分を可視化させます。戦略は3年と決まっているので、この間で埋められそうな差分を考えます。人材や予算が潤沢にある場合は、3年で解決できることもあるのですが、3年間でなにに注力するのか取捨選択を迫られることになる場合はビジネス的にはかなり重要な判断をここでしないといけなくなります。

デザイナーが描く青写真は決して今のKPIで語れるものだけではないものも出てくるはずです。そうなったときにはKPIを変える選択肢も3年間あると見えてくるわけです。

アイディエーション(戦術のバリエーション出し)

デザイナーは客観と主観をグルグルと繰り返すことに長けてます(これは個人の主観です)。自分が作ったものはどうカスタマーに受け取られるのか、どう使われるのかということに考えを及ばせることができる人がいることで、出てきた戦術やプランについて、これはカスタマーがついてこれないかもしれないな、など、プランと現状の事業におけるカスタマーの心理的距離を測ることができます。

もちろん距離を取ることで、延長線上にない未来を見据えることもできますし、逆に、サービスが一貫して成長しているようにも見せることができるわけです。それを可視化するのもデザイナーの腕の見せどころになってきます。

また、デザイナーは主に新しいモノをつくるとき、どんなリスクがありそうか、どんな風につくればいいかということに対して考えを及ばすことができます。これによって出てくるプランをどう現状の事業のアセットで実装するかを想定して現状の事業との時間的距離を測ることができるのです。

これらを一緒に計算することで、3年後のゴールに向かってどんな戦術プランを実装すればよいかが見えてくるわけです。

途中途中かなり端折ってますが、これがボトムアップでやる戦略立案プロセスにデザイナーを含めた場合の価値になります。

今回はデザイナーという職種を大きく取っていますが、もしかしたら組織によってはその業務はマーケターがやっているだったり、リサーチャーがいるだったりすることもあるかもしれません。それにそもそも戦略はトップダウンで経営者など組織の中でも上位レイヤーの方々が考えているものだったりもするかもしれません。

ただ、そういう場合でもサービス戦略を考えていくうえでデザイナーと一緒に考える意味ということを少しでも感じていただければと思い、前半ということでデザイナーがいる意味について書かせていただきました。

今度は、後半としてビジネスサイドとしてはデザイナーさんとの会話をどう汲むか、デザイナーサイドとしては、ビジネス上の議論の中で気をつけるべき点はどういうことかということを話して行きたいと思います。

もし興味があれば、後半もよろしくお願いいたします。



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mizkmi

進化するUxD

どこかの会社で働く3年目(もうすぐ4年目)のUXデザイナーが自分が担当したケースをベースにビジネスデザイン、サービスデザインの領域に足場を広げながら感じたことを書いていくものです。
3つのマガジンに含まれています
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