うちの妻はどうしようもなく猫が好きなようで、以前から『どうやら四ツ木には野良猫がたくさんいるらしいよ。四ツ木行きたい。』と言っていたので、ちょっくらとカメラ片手に行ってみることにした。

私の自宅から約5キロほどだったので、春一番の風が吹く中、徒歩で行くことにした。

途中でお腹がすいたので、ミニストップでおにぎりを買い、川沿いを歩く。

これがなんとも気持ち良いもので「あぁ、俺は幸せなんだなぁ」とそれだけで感じることができる。

初めて京成立石駅という、いかにも下町といった情緒のある街を通った。

私たちは、時代を感じるような古い商店街であったり人情味のある香りがたまらなく好みなので、次はこの町に住むのもありかもね、なんて言いながら下町の魅力を感じていた。

道中妻との会話で、踏切の近くに住んでいる人たちは、毎日カンカンカンカンうるさくても夜寝られるのかとか、この場所に家を建てたことを後悔しないのかとか、我々には一切関係のない会話をつらつらと重ねながら、歩いていくうちに四ツ木に着いた。

キャプテン翼の街だそうです。

今回の散歩の目的でもある猫ですが、見事なほどに1匹も見ることができませんでした。

公園2カ所ぐらい行ってみたり、駅前をフラフラ散歩してみたりしましたが、どこにも猫の気配はありませんでした。

誰か四ツ木の猫はどこにいるのか、私の妻に教えてあげて下さい。

そこから今度は京成線に乗り押上に向かった。

何日か前に妻と一緒に、役所広司主演のPerfect Daysと言う映画を観ました。

それが私にとって、今後の人生の中で何度も見返すことになるだろうと言うほどの傑作映画だった。

その映画の主役の平山と言う男が住んでいた家が亀戸界隈にあるとのことで見に行ってみることにした。

映画の中のあの自販機はなかったけど、なんとも感動的だった。

小さな幸せに感謝して生きようと思った。

おわり