ファイアリングシークエンス(神経的運動連鎖)

たまたま耳にしたファイアリングシークエンスについて、調べてみても書籍の一つも見付からずネット上でポツポツ記事が見付かるだけでnoteに検索かけても出て来ないマイナーな内容だったので、自分なりに調べてまとめたものを興味ある人の為に共有しておこうかなと思い記事にしてみました。


多分聞いた事がある人すら少ないと思うのでファイアリングシークエンスが何かと言うと、動作における筋肉に力が入って行く適切な順序のことで、何らかの要因により筋肉に過剰な緊張が生じているとそれによって力の入る順序が乱れ障害を引き起こすとの考え方です。


★ここから先の記事では①股関節伸展②股関節外転③肩関節屈曲④肩関節外転おまけに投球動作と紹介しておりますが、実際のその動作に介入している筋肉の一部しか書かれていないことから、電車で言う各駅停車の様に一つ一つの順番を細かく説明しているのでは無く急行の様に「神経の興奮して行くべき道筋をおおまかに表現してくれているもの」との認識で見て頂いた方が良いのでは無いかと感じております。

臨床で他の施術と組み合わせて数日使ってみたところかなり成績が良く、歪みや気の調整と合わせて調整してみると巷の自称ゴッドハンドの先生みたいな施術になったので、特に鍼灸師の資格を持った先生方には覚えておいて損の無い概念では無いかなと思います。



・股関節伸展

①ハムストリングス→②大殿筋→③反対側の脊柱起立筋(腰)→④同則の脊柱起立筋(腰)→⑤反対側の脊柱起立筋(背)→⑥同則の脊柱起立筋(背)


例えば脊柱起立筋が硬くなると②の大殿筋より先に③や④が入ってしまう事があり、乱れが生じると殿筋が上手く使えず腰部に過剰な負担がかかる可能性があります。

またハムストが硬く機能亢進した状態で股関節伸展をすると、ハムスト外側の大腿二頭筋は膝の屈曲と外旋の作用を持つために、膝が曲がり下腿が外旋してしまう。

そのため正しい順序で収縮できずハムスト→脊柱起立筋という順序で収縮し、股関節伸展の主動作筋である大殿筋の弱化や機能低下を起こす。


・股関節の外転

①大腿筋膜張筋→②中殿筋→③腰方形筋


大腿筋膜張筋が機能亢進すると順序が変わり、①大腿筋膜腸筋→③腰方形筋という順序で収縮するために中殿筋は収縮する比率が少なくなり弱化や機能低下を起し、更に腰方形筋の負担増加から過緊張を起こして腰痛の原因になる場合もある。


・肩関節屈曲

①三角筋前部→②大胸筋上部→③僧帽筋下部


・肩関節外転

①棘上筋→②三角筋中部→③僧帽筋上部


インピンジメント症候群では②の三角筋中部が硬くなっている可能性が考えれる。

棘上筋が機能低下を起こしていると初動時の棘上筋による外転動作が弱く、僧帽筋上部が代償し過緊張を起こす事となり、それにより三角筋中部・前鋸筋・僧帽筋下部等が弱化や機能低下を起こしていることが多い。

故に三角筋中部・前鋸筋・僧帽筋下部等を促通しながら、機能亢進した僧帽筋上部の柔軟性を高める施術やトレーニングをする必要がある。


・投球動作(加速期)

投球時に上肢を速く振るには広背筋・前鋸筋・大胸筋が中心に働くが、広背筋・大胸筋が過剰に機能亢進していると肩甲帯が前方に捻れ、上腕骨が前下方に捻れた様な姿勢になり普段の姿勢においても前鋸筋短縮位からの機能低下を引き起こしていることが多い。

故に正しいファイアリングシークエンスをする為には、弱化した前鋸筋を促通しながら広背筋・大胸筋の柔軟性を高めるような施術及びトレーニングを行う必要がある。

前鋸筋を効率よく促通させる為に僧帽筋上部の柔軟性と僧帽筋下部の協調収縮も必要となることから、肩甲骨の上方回旋を意識させながらの前鋸筋トレーニングをすることが大切である。


以上がネット上で見受けれたファイアリングシークエンス記事についてのまとめです。
促通についてはピンポイントで狙い打ちする様な運動をさせる・その部位の気の流れを良くする・その部位の神経の興奮性を高める等でアプローチ出来ますし、柔軟性の改善についてはマッサージやストレッチや等尺性収縮や等張性収縮等の色んな手段でアプローチ出来ますので、自分の好む手法やクライアントに適切なアプローチを見極めてご使用下さいm(_ _)m

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