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2020年の振り返りと新年のご挨拶。

新年明けましておめでとうございます。

2021年がスタートしました。皆様にとっての2020年はどんな年でしたか。

私の1年を振り返ると、今春にWEINの設立やベンチャーファンドの立ち上げや、借金1億円を抱えてしまった音楽アーティストの支援やコロナ禍において医療崩壊の危機にある医療機関にマスクを届ける活動や、国内最大のベンチャーカンファレンスの支援、窮地に陥ってるスポーツ団体の再建、そして国内最大規模の学生カンファレンスの立ち上げや新会社の設立や数社のM&A等々、コロナ等で困っている人達や顕在化している課題に対して、自分ができることをしたい、現役の経営者であり、大きな組織や優先すべき事業を持つ大切な先輩や友人起業家達と比べて、身軽な状態にある自分こそできることをやるべきだといった、勝手な使命感のままに走り続けた1年だったように思います。

そしてこの1年は、困っている人が目の前にいるのになんでこんなにも気にならないのか、なんでこんなに動きが悪いのか、なぜ働かないのか、協力的でないのか、身近な人に対しては特に、振り返ればこんな負の感情がとても多い日々でもありました。

そんな不満を友人に打ち明けた時に、「でも、それってミゾがしたいことなんでしょ?良いことをしようとしてるから曇ってしまいがちなのかもしれないけど、困ってる人の支援も、そのためにたくさん働くのもミゾがやりたいことなんじゃないの?それをまず自覚したほうがいいよ」と言われて。ハッとさせられたのと同時に「たしかに」って思って。その前提で物事を考えると、なんだかいろいろ見方が変わってくるなと。。

ただ、多くの友人達からは「順調そうだね」と会う度に言われましたが、その道中はドロドロでとにかく喜怒哀楽の総量が半端ない1年でした。

喜びで言えば、WEINは21世紀の課題である孤独や退屈や不安を少しでも減らしたいという想いを持って設立しましたが、あらゆるプロジェクトに関わる機会を通じて気づいたのは「不安や退屈や孤独は、挑戦にかかわることで解消される」ということです。まさに一生をかけられるであろうテーマと確信を見つけられたことこそ今年の最大の喜びでした。

怒りで言えば、特に日本の医療機関からサージカルマスクをはじめとした医療物資が枯渇したことで始めた #マスクを医療従事者に のプロジェクト期間中は、大勢から寄せられる支援に胸が打たれるのと同時に、無責任と思える仕事ぶりの関係者や、命に関わる問題が起きているのに足元を見て度を越した見積もりを出してくる国内外のブローカーに対しては、ここ10年で感じた怒りの中でも極めて大きな感情を抱きました。目の前にいたらほぼ間違いなく胸ぐら掴んでいたと思います😅😅

哀しさで言えば、マスクプロジェクトなどは最たる例ですが、今年は世の中的に明るいニュースが少なかったことや、コロナが関係する、重たく、多くの人たちが苦しんでるプロジェクトに関わることが多かったこともあってか、善意の行動にたいしても叩かれることがとても多かった1年でした。またとても信頼をしていた人たちに、そんなことを自分がしてたら切腹してもいいと思うような偽りの情報等々がきっかけで、私に対して事実確認もただの一度もないまま、大きくすれ違ってしまったことですかね。誹謗中傷はまぁまぁされやすい人生なので、それ自体は慣れていても、捏造された嘘で糾弾されたことはあまり身に覚えがなく、こんな理不尽な哀しさを背負ってこの先の数十年どうやって生きていけばいいのかなと思ったほどです。

楽しさで言えば、2020年は多方面に繋がりが増えたことです。起業家や経営者だけではなく、昨年はあらゆる分野で大きく活躍をしている友人が増え、また時間を共にすることが多かったです。今年は、米国のように、スタートアップと他分野の先人達との垣根を減らし、夢や志が社会に向く他分野の方達とスタートアップとの橋渡しができればと思ってます。他にも、なんと言ってもWEINのコミュニティメンバーとの繋がりが日を追うごとに深まっていることも楽しさの一つです。昨年末も年始もやりとりすることが多いですが、本年は彼らとの時間を何よりも大切にしていきたいとも思っています。

この1年で痛感したことは、「身の丈を超えた大きなビジョンや信念と傷つけてしまう大切な人の数には一定の相関性がある」ということです。

自分の能力や経験が乏しかったり、自分の器が足りなかったり、自分の信念が強いほど、これらは往々にして比例してしまいます。

大きなビジョンを掲げる組織におけるCEOの難しさや辛さは、トップである自分自身が誰かのために代償を払うのは当然だとしても、ここぞという局面においては、時として仲間にもそれを強いなければならないことにあります。

なぜなら大きなビジョンを掲げることと、それを本当に実現させることとの間には、尋常じゃなく重たい現実が待ち構えているからです。

だからこそ、ビジョンへの強い共感と理解をもとに経営メンバーも幹部も仲間も集めなければいけないのだと、今さらながら痛感しました。それらがない人は、「ここぞ」という局面にぶつかり、会社としても苦痛や粉骨砕身が必要な時に、お金や評判や時間を優先してチーム内で無責任な美辞麗句を並べてブレーキをかけます。ほとんどの人は変化や苦痛を嫌いますから、そういった時のブレーキはかかりすぎてしまうんですよね。

そんな中、年末に「蒼天航路」を勧められて読みました。どの時代の偉人も卓逸な戦略手腕ばかりに注目がいきがちだそうですが、歴史に名を刻むリーダーの本質は、戦略戦術における差分よりも、それらを事前に説明できなかったとしても、丁寧に議論を重ねたのになんだかよく理解されなかったとしても、「曹操や劉備の考えに意味がないはずはない、いずれ自分も理解ができる日がくる」といった、幹部や仲間達との間に深い信頼関係を作れるか否かが、大事であるということに気づかされました。

そして、それを会得するためには、圧倒的に誰よりも学び続ける努力の量と、そこから得る膨大な知識や知恵、さらにそれをベースにした実績、そして「勘定」はもちろん理屈を超えた「感情」に訴える力が必要なんだと思いました。そこから逆算すると、今の私にはそんな要素は全く足りていないなって涙。

いろいろ課題が多すぎて、なんとも絶望的な感情が湧きましたが、今年一年の葛藤や苦闘から、腹の底からそれらが欠けている自分を理解しました。

一方で、器が足りていない中であっても事業を前に進めていくためには、チームメンバーのビジョンや理念へのエンゲージメントの高さと、シンプルにコミュニケーションの総量が必要だと改め学びました。前者のエンゲージメントというのは、時に自分のレピュテーションや金銭や時間を犠牲にできるかというのが指標であり、後者のコミュニケーションというのは、感情と勘定、情理と合理の双方の総量が必要だということです。

自分の器が大きく、また能力や実績が圧倒的であれば、それらが足りなくともうまく物事は進むかもしれませんが、それを持たないのであれば、より慎重に、より丁寧に進めていくことが必要なんだなと。

いろんなことがあって、自分と向き合う日々で気づいたのは、自分の中では消えたように思っていた過去の火傷の傷痕が、今も心には深く残っていたということですね。ここ数年は「大きくなっていく組織に相応しいCEOにならなければ」、「そろそろいい加減大人にならないといけない」と思って、自分の感情に蓋をしてずっと背伸びをしていたように思いますが、結局自分の育ちのわるさや過去は消えないし、理不尽や不条理に対しての怒りや悔しさもやっぱり消えなくて。

なのでこれからは、偽りのないビジョンへの強い想いの他にも、怒りや悔しさ、悲しさやコンプレックスにも向き合い、それらを消せない自分に落胆するのではなく、自分に素直に、それらを持った自分をも受け入れて、そしてそういった負の感情含め、すべてを背負って、時に原動力にしながら、これからの人生を歩んでいきたいと思っています。

本年は「21世紀の課題である孤独・退屈・不安をなくす」というビジョンや理念をもとに、経営幹部を含めた組織やコミュニティーのあり方を抜本的に見直し再構築します。自分の器やコミュニティのーの拡張を目指しながらも、自分の器を無理に超えたチームづくりや意思決定はしない。ショートカットをせずに近視眼的ではなく長期でビジョンに向かう覚悟を持つこと。

最後に、私は「奇跡はあきらめない人を探している」 という言葉を大切にしていますが、これまで人生はいつも綱渡りでしたが何があっても絶対にあきらめない腹を括っているので、たとえ遠回りをしても最後は目的地に着ける自信があります。一番辛い時に支えてくれた友人や、信じてくれる仲間のためにも、とにかくやります。

本年も、挑戦する人や挑戦に関わる人を数多く増やし、またそんな仕組みを作り、社会から不安や退屈や孤独を少しでも減らしていきます。

長くなりましたが、長文、乱文に最後までお付き合い下さった皆様、本年もどうぞよろしくお願いします。2021年は、ちょっと疎遠になってしまった人も、大切な友人や後輩、先輩達含めて、たくさんの人との縁を大切にしたいと思っていますのでよろしくお願いします😁

(WEINは年賀ハガキを全てメールのご挨拶に代え、郵送料分を寄付に当てさせていただいてます。本来ならばお世話になった皆様には、年賀ハガキをはじめ、直接ご連絡してご挨拶申し上げるべきところですが、本メッセージに代えさせて頂けたらと思います。冒頭の写真は愛犬が一番盛れた時の写真です笑)

溝口勇児 拝

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