高校生時代の
生物の『ごしょのお先生』

背は高かったように思うけど、身体に合ってないぶかぶかのスーツ姿。

職員室が嫌いで 落ち着かないから、と
いつも 土いじりをしていた先生。

先生に用事がある時は 職員室より 土がある花壇を探した方が早い。

わたしが 家庭内で いろいろなことが起きて、学校にも行けなくなった時
｢いいもんあげるから学校おいで｣
と友達に伝言してくれた。

 学校行った時は 担任でもないのに、わたしを気にかけてくれて
友達数人と 話してるところへ 嬉しそうに 来て
｢みぞさん、ちゃんとネクタイしなさい！｣
と、
担任の先生(女性)のものまねをして 笑わせてくれた。

全校クラブは 楽なのがいいという理由で、生物クラブ入ったこともあった。
虫取り網を持って 郊外出て 公園行ったこともある。

ん？行ったかな、わたし。
サボった気がするな。

でも楽しかった。
ごしょのお先生のおかげで 少しは本気で笑えたりした。

初めて 教師を人として、信頼した。
好きな先生だ。

人間嫌いなわたしも こうして
たまに極たまに、
好きだなっていう人に出会う。

いつも ギコギコ、ガタガタ賑やかに音を立てる大きな自転車に乗っている。
リズムつけて 漕いでいる。

腕にはいつも 土いじり用のアームカバーを付けている。

そう言えば 本当に 職員室で見たことがなかった。

大人になってから ごしょのお先生に会いたいなぁ、と思うようになってる。
 会えたとしても
もう わたしのことは 覚えていないだろうな、と思うけど。

｢ありがとうございました｣
を伝えたい。できるものなら。

いつか訪ねてみよう。
近いうちに。