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大学生が作った、栃木限定 UHA味覚糖「三ツ星いちごスカイベリーグミ」パッケージデザイン制作話

初めまして栃木県宇都宮市にある文星芸術大学のデザイン専攻で勤務している水本と申します。

この度4月1日からUHA味覚糖様と文星芸術大学のコラボ商品「三ツ星いちごスカイベリーグミ」が発売されました。

JRグループと地域が協働で取り組む観光促進キャンペーン、栃木デスティネーションキャンペーンに合わせて企画された商品で、産学連携の一環として本校デザイン専攻学生がパッケージデザインの制作をしました。


今回、商品の発売に合わせて「三ツ星いちごスカイベリーグミ」のデザイン制作話をまとめてみようと思います。

簡単なものになりますが、読んでいただいて商品に興味を持っていただけると嬉しいです。


早速ですが、今回出来あがった商品がこちら↓↓↓です。

栃木県が押しているイチゴのスカイベリーを使ったグミになります。
大粒のスカイベリーを連想できるようにパッケージ全面をイチゴにしました。

都会すぎす田舎すぎない栃木らしく、少し抜け感のあるフレンドリーなデザインにしました。


また今回のデザインの着想となった「イチゴは食べる時にヘタを取る」という行為と「パッケージを開封する」という行為を被せたところもデザインのメインコンセプトとなっています。

他にも粒のところに三つ星や栃木のシルエットを入れたりと、細いところにも楽しめる工夫もをしてみました。この点も実際に手に取って見ていただけると嬉しいです。


プロジェクトの流れ

さて今回このようなデザインになりましたが、アイデア出しから完成までのプロジェクトの過程を簡単にお話ししていきたいと思います。

まずプロジェクトが動くにあたり、学生4名にプラスADとして僕が加わり5名のメンバーで作ることとなりました。スケジュールの都合もあり連続5日間という短期間で大筋のデザインを制作することにしました。

○プロジェクトの流れは以下の通りです。

1.何をやるかの説明
2.制作手順の作成
3.みんなの希望の書き出し
4.みんなの不安の書き出し
5.デザインの方向性決める
6.ひたすら制作

順を追って説明します。

1.何をやるかの説明

今回の制作物の説明。クライアントさんから頂いた資料と、話合いのときの情報の共有を行いました。

2.制作手順の作成

どんなものを作る?の前にどのような手順でデザインを固めていくかを決めました。

学生にとって初めてのチーム制作+5日間という短い期間でしたので、手順を理解共有しておかないと何をしているのか分からなくなる可能性があると思い手順の作成をしました。

手順作成の方法は、各自の普段の作品制作のプロセスを書き出して共有をし、今回のプロジェクト用にまとめる方法をとりました。


3.メンバーの希望の書き出し

チームで制作をするので「こんなことができたらいいな」とか「こんな風になったら嬉しい」などの希望の共有はモチベーションUPのために良いかなと思いました。また各自の希望を理解することでチームでの動きを円滑にしていけるとも考えました。

各自、好きなだけポストイットに希望を書いて共有します。

共有してみると、やっぱりみんな楽しみながら良いものを作りたいということがわかりました。チーム制作では「楽しむ」は非常に重要かもしれませんね。


またこんな意見もありました。

この意見をメンバーが見て「話題になったら嬉しいよね」という話になりました。

結果的にこの話し合いは、僕たちの今回のプロジェクトの範囲を決めるものになりました。

もしこのような制作後の希望がなければ、ただデザイン制作をして終わりなのですが「話題になってほしい」という希望をチーム全員が望んでいるのならそのために色々と行動しなければいけません。なので今回のプロジェクトの範囲に「拡める」という行動も僕たちは入れることにしました。
※この記事もその一環となります。


4.メンバーの不安の書き出し

チームで動くのも初めて、ましてやUHA味覚糖様のような大企業とコラボして制作するなんて、、、ということで嬉しい気持ちもありながら不安も個々であると思ったのでこちらもポストイットに書き出して共有をし、対策を話し合いました。

また今回のプロジェクトの失敗が何なのかを明確に決め、それ以外は問題ないということを話し、安心して作業をしてもらいました。(ちなみに決めた失敗は「発売されない」でしたので回避されました。ほっ)

不安の中に「メンバーに迷惑をかける 」という意見が出ましたが、失敗が明確になっているのでさして大きな問題ではないのです。
また、楽しく制作したという希望が一致していたので、何かあったらフォローし合うということでこの不安を解消していくことにしました。



ここまで特にデザインらしいことはしていませんが、こうやって考えや思いを共有してコミュニケーションをとること自体がチームでの制作では良いことだと思います。


5.デザインの方向性決める

ここは一番重要なので色々とやりましたが書ききれないので流れとポイントだったところだけ書きます。

5.1 世の中のグミパッケージを調べる。
5.2 パッケージに必要最低限な情報を書き出す。
5.3 その情報を可視化する方法。
5.4 イチゴってどんなイメージ?
5.5 好きなデザインのいいところを調べる。
5.6 方向性を5パターンに。


一番重要なのはパッケージのコンセプトをどうするか。
キーポイントになるのはやはり「イチゴ」というところ。

なので、どう表現するかの前にイチゴがどんなイメージのものなのかを各自、絞り出してもらいコンセプトのヒントを探しました。

「5.4 イチゴってどんなイメージ?」で使ったのがクレイジーエイトという手法です。僕が前職でデザインスプリントを教えてもらった時に知ったもので、イチゴのイメージの絞り出しに使えると思いやってみました。

簡単にクレイジーエイトを説明すると、40秒に一つアイデアを書いていくもの。時間制限があるのと後半になっていくと切羽詰まって少し変わったイメージが出てきて面白いです。


今回は「イチゴで思いつくこと」をひたすら書いてもらいました。

結果はやはり定番のイメージから面白いものまで色々と出てきました。

この中に冒頭で説明した「ヘタを取って食べる」があったのです。

ほとんどのイメージがイチゴの形状や味などでしたが、行為について書いてあるものはこれだけで目を引くものでした。

見たときにパッケージの開封と被せられると思い、方向性の一つとして進めることにしました。


この後に、好きなデザインのいいところを調べるなどをして5パターンの方向性を決めました。
そしてそれぞれの担当を決めて「6.ひたすら制作」に入りました。


かなり端折りましたが、こんな感じでプロジェクトを進めて大筋のデザインを制作していきました。
そのあともブラッシュアップや周りの人に意見を聞く、投票をしてもらうなどをして今回のデザインとなりました。

メンバー全員楽しんで制作できたようですし、コンセプトも明確なものができたし、何よりも実際に販売されて本当に良かった!!(失敗にならなくて良かった笑)


ぜひみなさん「三ツ星いちごスカイベリーグミ」をお見かけの際はご購入いただけると幸いです。

栃木県内のスーパーで販売しております!
どうぞよろしくお願いいたします。

メンバー(当時)
大橋真琴 (デザイン専攻2年)
大吉杏奈 (デザイン専攻2年)
高内泰任 (デザイン専攻2年)
上田薫 (デザイン専攻 院2年)
水本和宏(デザイン専攻 助手)

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