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ため息俳句 焼き芋

 さつま芋は、秋の季語だが、焼き芋となると、冬であるそうだ。
 そうとはいえ、スイーツの仲間に格上げされているのか、焼き芋は一年中売られている。これも季語が古めかしいものになっている一つか。

 さて、今年は、畑で作らなかった。どうも三年つづけて試したのだが、うまく出来なかった。さつま芋ごときは、どんな痩せた土地でもなんとかなるような気がしていたが、出来損なった。それで今年は止めたのであった。

 じゃがいもは新じゃがが喜ばれるが、収穫したてのさつま芋については、甘みが薄くて数週間置いてからの方が良いと聞いたことがある。それでも、冬まで待てないでいた人がいたのだった。云わずとしれた古女房である。

石焼き芋二つに割りて渡さるる


農産物直販所で買ってきたらしい、少し時間が経過して、熱々ではない。
ぬるい芋をさしだして、あたたかい内に食べなさいという。

芋喰ふて「深くて暗い河がある」

(注・「男と女の間には 深くて暗い河がある」野坂昭如の『黒の舟歌』の歌詞にある。大昔、この人のコンサートで、缶ビールが客席にまで振るまわれて、・・、もうそんなことが出来る時勢ではない、つまらない。)