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ため息俳句 墓参

 新年早々であるが、九日は我が子の、十日は妻の母、義母の命日にあたる。
 二日続きで、墓参りに行く。
 生後数日で亡くなった子は、今年で生きているなら四十一歳になる。
 義母は、九十二歳で逝った。

 まこと、人の世は諸行無常。
 昨日も今日もよく晴れてはいるが、空気は冷たい。
 能登半島では、雪から雨に変わったそうだ。
 冷たい雨は、悲しみをつのらせる。

 我が子の墓がある寺の駐車場に立つと、明るい鳥の鳴き声が聞こえてきた。
 杉か檜か、樹木に暗い自分は分からないが、枝を揺すらせて鴉がいる、鵯が来たかと思うとすぐに去ってゆく。
 そこへ小さな鳥が群れてやって来た。
 目を凝らしてみると、目白だ。
 枝の間をせせっこましく移動しながら、餌を啄んでいる。どうやらたっぷりの餌になる種子があるようだ。
 実は昨年もここで目白を見た。だから、ちょっとまた会えまいかと期待していたので、うれしかった。少しばかり、辺りが暖かになった気がした。

香あげてしばしぽぽぽと日向ぼこ