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『九九』が苦手な話

「出来ない」のと「苦手」なのは話が別なのよ。

小さい頃に与えられた1枚のCD。それは勉強用であり、私にとってはなかなか有益な1曲が入っていた。『九九』を覚える為の歌だ。まるで『ポケモン言えるかな』みたいなコミカルなリズムで九九を一の段から九の段まで歌っている。程なくして全部歌えるようになったのは小学1年生の終わり頃だった。…こうやって考えると1年生で九九言えた私凄いな。

しかし試練は直ぐにやってきた。私は九九を「歌」として覚えていたのだ。歌詞を一部だけピックアップすることの難しさ。そしてリズム無しで言えるようにならなければならないというたかが7~8歳の子供には高難易度の問題。

ある夜、学校の宿題で九九を言えるように練習するというものがあった。しかし歌として覚えていた私は「歌える」が「言えない」のである。母親に「歌わないの!」と何度怒られたか。当時の私は「歌わなきゃわかんない!」と号泣しながら練習していた。何度も言うが、当時7~8歳の子供である。アンパンマンマーチを歌わずに歌詞をすらすら言える子供がいるか?無理な話だろう。当時は泣くしかなかったが、いやアンタが買い与えたんだろ、と今なら言える。

お陰様で九九大嫌いである。誰だよこんな歌作った奴…いや、歌を作った人に罪はない。何故なら歌のおかげで覚えられたと言う私が居るのも事実だ。しかし私には結局「向かなかった」のが事実なのかな。もしくは聞き始めるのが遅かったのかもしれない。もう少し小さい頃から、掛け算を平行して勉強していたら…なんて今更思う。

これから小学生に上がるお子さん、ないし小学2年生程度のお子さんをお持ちの親御さんにお願いしたい。今から歌は絶対にやめておけ。子供がひたすらしんどくなる。まさに『経験者は語る』である。「歌える」のに「言えない」と扱われる屈辱をたった8歳の子に与えてはならない。マジで算数嫌いになるぞ。私は算数大嫌いだったから、本当にそこから勉強ついていけなくなったから。小学2年生で明暗が別れると言っても過言ではない。

逆に言えば、そこを越えて楽しさを見いだせれば算数はとても面白いだろう。あんなトラウマさえ無ければきっともっと楽しめたのにと恨み節を言うばかりだ。

どうか、しんどい思いをするお子さんが増えないことを願う。

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