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ガラパゴス経営万歳!

新しい会社で勤怠管理をやるというのは聞いていた。
システム上もしくはエクセルでの突合作業だろうとタカを括っていたのだが、まさか手書きの残業申請がぺらっと出てくるスタイルとは。(後で知ったのだが小規模の法人はまだこのスタイルでアナログ管理をしているところも多いようだ。)

幸いタイムカードで打刻ではないのだが、毎月勤怠システムの打刻時間と申請書との突合作業を100人分一枚一枚やっている。

ゆったりとした昼下がり。
巷ではエイミーだかスイミーだか知らんけどAIロボットからメールが届くというテクノロジーのこの時代に弊社オフィスに高らかに響くは電卓の音。
日次の残業実績をえっさえっさ足し算している隣の先輩事務員さんはなんとも得意げである。
それさ多分どっかからcsv.出力すれば一発なんだけどねえ。
ヒューマンエラーも減ると思うの。
でもノリノリで計算してるからそっとしとこ~。
残業代もしっかり出る会社だから時間潰しにちょうどいいですよね。

(余談だがこの事務員さんは、今となってはめっきり見なくなった日本語ワープロソフト「一太郎」の数少ない使い手であることも言い添えておこう。市場価値はわからないけど希少性はすごいと思う!)

お察しの通り我が社は古い。

例えば、
・朝礼で社訓を唱和。
・ベテラン秘書さんが毎朝受付や執務スペースに季節のお花を活けている。
・来客の給茶はこだわりの茶葉と茶器で。もちろん蒸らしの時間も決まっている。
・ふきんは毎夕手洗い。
・給与明細は部長から「今月もご苦労様」と手渡し。
・社内連絡は基本的に紙ベースで回覧。
・パート日報やシフト管理も紙ベースで管理。

本日休日なので仕事の事があまり思い出せない(思い出したくない)のだがざっと思いつくだけでこんな感じ。

「朝礼や花、それ必要!?」
「お茶、ペットボトルでよかない?」
「ふきんも使い捨てのにするか、せめて簡易洗濯機買って」
「イマドキ給与はWeb明細でしょ、配る手間考えて」
「社内連絡、日報はグループウェア使お?今いいのいっぱいで出るから」

悶々とするがそんな自分の手垢のついた効率化に固執した思考回路の味気無さにあるときふと気づく。

そんなわけで古さが一周してむしろ新しいこのガラパゴス経営に私は少なからずしびれている。

編集:アカ ヨシロウ 

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