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【映画エッセイ】私の映画遍歴(1) 中学生まで

 自分がなんのために映画について書いているのか、一度きちんと整理してみようと思っているのですが、その前に、これまでの私と映画とのかかわりについて、振り返ってみようと思いました。 


●テレビで映画を観ていたころ

 私が子供のころは、水曜ロードショー、金曜ロードショーなど、週に何日か、夜にテレビで映画を放映していました。逆に言うと、レンタルビデオもまだなかった時代で、劇場以外ではテレビでしか映画を観られませんでした。
 小学校の中学年くらいになると、ときどき親と一緒に見るようになりました。親がアクションものが好きだったため、必然的に私が見る映画もそちら方面に偏ります。ダーティー・ハリーとか、ダーティー・ハリーとか……すみません、何を観たか、あまり覚えておりません。とりあえず恋愛映画はなかった気がします。
 それはさておき、テレビで映画を見ることならではの、おもしろさがありました。それは、映画を見た次の日、学校へ行くと、みんな同じ映画を見ていることです。当たり前と言えば当たり前なのですが、みんなが同じ映画体験を共有しているというのは、今ではなかなかないことでしょう。
 当時、ジャッキー・チェンが大人気で、私も出演作はほとんど見ています。ここまでくれば結末が予想できると思いますが、例えば「蛇拳」という映画が放映された翌朝は、みんなジャッキー・チェンになりきっています。顔を合わすとすぐに、手を顔の前に構えて、「フー」とか「シャー」とか「フッフッ」とか言いながら、手をブンブン振り回して蛇拳大会です。
 「ロッキー」が放映された翌日などは、みんな教室に入ってくるなり、ロッキーになりきってテーマ音楽を口ずさみながら軽快にそのあたりをうろうろ走り、最後にガッツポーズです(どのシーンかわかりますよね!?)。
 これらは男子生徒の話で、女子がどうだったのかはわからないのですが…。 

みんな真似したジャッキー・チェンの「蛇拳」

●最初の劇場映画「ランボー」

 劇場での最初の映画体験は(その前に「東映まんがまつり」も行ったかもしれませんが覚えていないので省略します)、父親と観に行った「ランボー」でした。小学校6年生だったと思います。
 「ランボー」は本当におもしろかったです。息もつかせぬアクションだけでなく、スタローン演じる主人公がベトナム戦争の影を背負っていて、何か深いものも感じさせたのです。たぶん今見ても面白いと思いますが、当時の私は、これで一気に映画の面白さに目覚めました。
 ちなみに、私が当時住んでいた名古屋では、映画は2本立てでした。1本の値段で2本見られます。ただし、メインの映画とおまけの映画という感じで、2本とも自分が好きな映画である確率は高くなかったと思われます。お得と言えばお得ですが、興味のない映画を見せられるケースもあったはずです。1本だけで帰ってしまう人も多かったかもれません。
 ちなみに、「ランボー」と同時上映されていたのは、「処刑教室」という映画でした。先生が、どうしようもない不良生徒たちを闇に葬っていくという話だったと思いますが、なかなかおもしろくて、得した気分になった記憶があります。
 2本立て…、なんだか福袋みたいで、私は好きです。

「ランボー」と同時上映されていた「処刑教室」

●「ロードショー」を買い始めて

 中学に入ると、学校で、文部省選定のような映画の割引券(招待券だったかもしれません)をときどきくれました。それをせっせともらっては、劇場に観に行っていました。文部省選定なので、反社会的なものとか、エログロとか、毒のある作品はなく、優等生的なものばかりですが、それでも結構たくさん見た記憶があります。
 「ネバーエンディングストーリー」「銀河鉄道の夜」などは、この時期に観たはずです。でも、ほかにどんな作品を見たかは思い出せません。私は本当に観たものを覚えていない人間なのです(それが、観た映画について、noteにレビューを書くことにした理由の一つです)。
 少ないお小遣いで「ロードショー」という雑誌を毎月買うようにもなりました。「ロードショー」は毎月ボロボロになるくらい、隅から隅まで読みました。当時は、フィービー・ケイツ、ダイアン・レイン、ブルック・シールズといった外国のアイドル女優がいて、交代で表紙を飾っていたような気がします。
 ちなみに「ロードショー」は、本屋ではなく、近所のタバコ屋で買っていました。タバコ屋なので、雑誌は少ししか置いていないのですが、毎月私が買うので、「ロードショー」は仕入れてくれていたのかもしれません。
 これでようやく、映画少年(青年)の仲間入りを果たしたかもしれません。でも本格的に映画が自分の人生の中で大きな位置を占めるようになったのは、高校生になってからです。 

ダイアン・レインが表紙の「ロードショー」

 長くなりましたが、いったんここで切ります。超個人的な、しかもたわいもない話を読んでくださった皆様、ありがとうございました!!
 もし私に何かあったときには、このエッセイを遺言代わりにします。
 といっても、このnoteを読んでいる知り合いはほとんどいないので、誰も気づいてくれないでしょうが……
 高校生からの後の話は、パート2で書きます。そこからが本格的な映画遍歴の始まりですので、ぜひまた読んでくださいませ。

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