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『存在のすべてを』

周囲の読み手たちが大絶賛しているのを見ていて、数々の積ん読本を脇に追いやり読み始めて一気に読了。もうね、後半というか最後のあたりは「なんでここで私は涙を出してるんだろう」ってわかんないくらい、涙がこぼれてきました。
もしかしたら、親になったからこそわかったことがあって、それで流れた涙なのかもしれません。

塩田さんといえば『罪の声』。テーマこそ違いますが、二児同時誘拐事件の勃発から、警察の緊張感を描いたあたりは似ているところを強く感じました。ただ、今作品が描いたのは犯人でも、犯行動機でもなく、その誘拐事件の中で埋まっていなかったある空白時間の事でした。
そこら中に(私は、読もうと決めた本についてはあまり情報を入れずに読むようにしているのですが、それでも目に入ってしまうくらいに)「愛」の物語と書いてあるので、そういう事が描かれていくのだろうなと思ってはいたのですが、愛情を表すために使ったある道具に対して涙腺崩壊。

正直なところを言えば、そこまで書いたのであれば、もっと背景やその後も知りたいところもあるし、さすがに偶然が続き過ぎてやしないか…というツッコミを入れたい気持ちもないわけではありません。
が、それを超える胸を揺さぶる何かがありました。

とりあえず、今何をしたいかというとホキ美術館に行きたい!!

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