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大量消費ではなく、服を「修理」して大切に着る。リペア産業をはじめるパタゴニアのWorn Wear 【PR研究所045】

 ファッション業界で問題とされている、大量生産に大量消費。ファストファッションが席巻する現代へ「まった」をかけるリペア産業をご存知でしょうか。

 服を「修理」することで大切に着ていこうというパタゴニアのWorn Wear。服は「着るもの」以上の意味をもち、人生をともにする「パートナー」的な存在であるというキャンペーンです。

 キャンペーンWorn Wearでは、みんなの服にまつわるストーリーが展開されています。

 公式HPでは、共に冒険をした服や、特別に思いのこもった服、家族との繋がりを生んだ服などさまざま紹介されています。

#新品よりもずっといい をinstagramで呼びかけて、パタゴニアだけでなく服にまつわるストーリーを投稿するよう啓蒙し、服への本質的な価値を問いかけます。

 服を修理して再び着ることは、それぞれの持つストーリーを紡ぐことかもしれません。ファストファッションの大量生産・大量消費にはない魅力がそこにはありますね。

 メルカリなどの2次流通やリサイクルショップが進んでいる日本ですが、リペア(=修理)することによる価値の創造「リペア産業」も可能性が広がりそうです。

 また、パタゴニア日本支社は全国にリペア産業を浸透させるためにツアーを開催予定です。現在はコロナウイルスの影響で延期となっていますが、徳島大学をはじめ、ツアーを通してさまざまなステークホルダーを巻き込みます。

 日本だけでなく世界で展開されているこのWorn Wearはアパレル産業をリペアという「持続可能性」の立場からゲームチェンジし得る可能性を秘めていると言えるでしょう。

 PRの事例として注目すべき点は主に1つあります。
 それは、事業とPRが密接な点です。実は経営とPRはかなり近い領域に存在しており、経営の指針(=今回のパタゴニアの例だと、ファッション産業にリペア産業を浸透させる)がPRなしでは達成できません。社会の時流に対して、「未来をこうしたい!」というメッセージとそれに伴う行動。これは、経営とPRが両輪で進んでいくイメージがありますね。パタゴニアは特に、PRへの理解が深い経営方針だと思われます。

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