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「廃れた灰の村」の解説

概要

暗いフォークソングを作ったので解説したいと思います。自分で歌っても全然良かったのですが、録音環境や金銭面の都合から初音ミクに歌わせています。

よくよく考えてみたら、自分ハードコア作ったりフォークソング作ったり、多才っすね。

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コード進行

毎度おなじみFマイナーであり、メロディー先行型の曲先です。Bメロはメロディーが半音ズレたりとぐちゃぐちゃになるため、コード進行も合わせるようにぐちゃぐちゃです。また、不安定さを表現するためにdimやaugを混ぜ込んでいます。

- F マイナー -
- イントロ (サビ後半フレーズ) -
Db Eb Edim Fm Eb Db Eb Fm

-A-
Fm Ab Eb Fm Db Eb Fm
Db Ab Eb Gb Fm

Fm Ab Eb7 Fm Db Eb Fm
Bb Ab Eaug Edim Fm Db Fm Edim

-B-
Ddim C#/Db Fm Eb Bdim Cm
Bb Eb E Ab Eb Ddim Bbaug Ab Bb7

-サビ-
Fm Eb Fm Fm Eb Fm
Db Eb Edim Fm Eb Fm

Fm Eb Fm Fm Eb Fm
Db Eb Edim Fm Eb Db Eb Fm

暗い流れとしては、Eaug Edimの辺り。ちょうど歌詞も暗い言葉を詰めているため、かなりのインパクトとなっています。

歌詞や音程

初音ミクに歌わせていますが、一応男性が歌うための音程となっています。Bメロで低音があり、声が籠もらないようにハキハキと歌うと良いでしょう。裏声を使う箇所はないため、地声で力強く歌ってみてください。ちなみにBメロで初音ミクはオク下を歌っています。

地低 D#3 mid1D# Bメロのサビ前付近
地高 G#4 mid2G# ラスト「煤だらけの」
裏高 なし
1.
木枯らしの吹く頃に山が泣く
黒い灰を巻き上げて

雷鳴がとどろき 村は燃え盛る
食べ物は尽き ヒトは飢え死に
廃れて村は朽ちた

雨が降り血は流れ 濁った川ができました
骨までも流れてくるのを見て 絶望を知りました

人のいない廃れた村
私だけが生きるこの場所

墓の前で涙流し
「見ててくれてありがとう」なんて呟く

2.
寒さが増してゆけば冬支度
薪を割って備えます

あの頃の私は愚図で幼くて
ひたすら喚き亡骸揺すり
この世を恨み生きた

鳥たちはあざ笑い 作物ついばみ逃げてくの
死神が向かえに来たような気配がしたけれど

私ひとり暮らす村は この自然に還り狭まる
記憶はまだ色褪せずに ずっと村の面影の中で生きてる

流れる雲 時を忘れ ただ沈む夕日を眺めて
灰混じりの雪が降って 私だけは孤独の世界に生きてる

煤だらけの煤だらけの 廃れた村で

世界観

タイトルにもあるように、廃れた灰の村が舞台です。火山の噴火に巻き込まれて、民家や食糧庫を喪失。普通は村人全滅が筋ですが、奇跡的に自分だけが生き残ってしまうという、強い孤独感と哀愁の漂う世界観となっています。(自分そういうの好きよね)

Aメロ後半やBメロでどきつい暗さがありますが、この辺りが心的外傷やトラウマ、いわゆるPTSDの表現です。とはいえ、この世界観では精神医療なんてないですし、誰も足を踏み入れることのない限界集落みたいな場所ですから、「精神がボロボロな状態でありながらも、日々の生活を過ごしていく」という、現代社会にも通ずる苦痛を感じることができます。

楽器

特に大した楽器は使っておらず、むしろ私がフォークソングに使う楽器を知りたいくらいですが、一応使った楽器を載せておきます。

フルート、ピアノ、ギター、ストリングス、ジャズドラム、初音ミク。

以上。

感想

まあ歌詞を作ってから1週間ほど放置してから完成させたわけで、それまでの間にハードコアの楽曲をひとつ設けていたりと、なんだかんだ創作意欲があるのだと実感しました。まだまだ歌詞の入った歌は数少ないですし、自分の声を使った楽曲は『HeliumAddiction』ですからね。現代詩や小説で磨かれた歌詞センスを信じて、さらに作っていきたいと考えています。

折角だからこの曲に関して言うとすれば、鬱が悪化しましたよ、ええ。

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