ミュージカル ファントム DVD BLACK/RED 2019年公演 感想

こんにちは!皆さま、お元気でお過ごしでしょうか。しばらく現場がないので、過去作を色々見たいなと思っている今日この頃です。本日はファントムの感想を書きたいと思います。(BLACK/REDで収録キャストが違っていますので、両方について書いていきます)


ストーリーについて

ファントムって…こういう話しだったんですね!今回は梅田芸術劇場版なので他については分からないのですが、『オペラ座の怪人』としてとても有名な作品なのに、そう言えばあらすじもよく分かってなかったので感想とかより先に「なるほど〜!」になりました。この感想文ではネタバレも普通にするのであれなんですが、一人の恋人の裏切りに始まった物語が波紋を起こし、子供たちの代にまで絶望と希望を与えてそして閉じる…そういうストーリーだと解釈しました。まとめるのが難しいので、役者さんと各場面の印象に残ったところで書いていきます〜!

役者さんについて

クリスティーヌ/ベラドーヴァ
・愛希れいかさん
ベラドーヴァの姿に、言葉を失いました。
ベラドーヴァ(ファントムの母)としては台詞がなくバレエと歌声のみなのですが、こんな凄いバレエ、初めて見ました。恋人に裏切られていたと知るシーン、衝撃や悲しみがその姿を見ているだけなのに直に伝わってきて感情がぐちゃぐちゃになる。踊りは、それに長けた人にとっては言語そのものであると教えて頂いた気持ちです。

クリスティーヌとしては、おおらかで天真爛漫でふわふわ!穏やかな春みたいな人物でした。
最後のエリックを抱きしめながら歌うシーンも安心感というか、愛情を感じて、シャンドンへの恋の憧れとは全然違っていたので(これは木下晴香さんもだった)、ストーリーとしても矛盾なく受け入れられました。

・木下晴香さん
もう序盤のシャンドン伯爵から名刺を貰った直後から笑いが止まらな〜い!って感じでチラシぶん投げてて最高に可愛かったです。歌手という夢に手が届きそうなチャンスにドキドキが止まらない、突然現れた王子様なシャンドンにもときめきが止まらない。楽しい、私の人生どうなるんだろう〜!!!みたいな初々しさがいっぱいで、見ていても思わず笑顔になってしまうクリスティーヌ。ただ儚さとかふと見せる表情の大人っぽさもあって、バランスが素敵でした。

シャンドン伯爵
・木村達成さん
頭の回転が早い、切れ者な経営者という印象。クリスティーヌに夢中なのはなんかプライドが許さないから認めたくないけど、本人に会うとドドド!!!と好きが溢れてただのめちゃめちゃ浮かれた若い青年になるの、シャンドンの素が垣間見えて好きでした。命懸けで守ったクリスティーヌがなぜか自分を殺そうとした瀕死のファントムを抱きしめるの、どう思ったんでしょうね?でもこのシャンドンなら有耶無耶にせず、きちんと理由や経緯をクリスティーヌから聞きそうだなと思いました。健全な幸せを掴めるタイプで、ファントムとは真逆…。彼が真っ当であればあるほど対比が辛かったです。


・廣瀬友祐さん
鷹揚なお坊ちゃんでほがらか。のんびりしたところもあってふわっとした優しい雰囲気。
クリスティーヌがファントムに攫われ、見つからないどうしよう…の場面、木村さんだと何も手がないことにイライラしながら部屋を歩き回ってるけど、廣瀬さんは生気を失ったような青白い顔でうつむいてて、このままじゃこの人死んじゃうよ…って深刻な雰囲気になってた。彼女を愛してるんですね。

各シャンドン、モテそうだしベラドーヴァの人生も相まって「本当にクリスティーヌに本気か…?」となりそうなところ、この二人は地位とか色んな問題で結婚出来るかはともかく、本人の心情的には本気なんだろうなと思いました。あのラストでその後どうなるのか分かんないけど、親の代のようにはならないで欲しい…。

カルロッタ
・エリアンナさん
悪役、こうあるべし!の貫禄があって、も〜大好きになりました。ソロの「私のもの」、聞いてると元気出てくる。出社する気力がない朝に大音量でかけたい。本当に全てを手に入れそうなバワーのあるキャラクターも、美しい歌声もずっと聞いていたかったです。

ファントム/エリック

・城田優さん
おどおどした喋り方と歌ってる時の高貴な雰囲気が全然違ってて、こんな境遇じゃなきゃモッテモテのオペラ歌手だったんじゃ…と思うとシャンドンとの対比が辛い。なんかこう、城田シャンドンは「こうでなかった場合の人生」がちらつく感じで、より残酷に思えました。

・加藤和樹さん
優しさや繊細さが強めに感じて、このファントムが酷い目に遭うの辛くて見てられないよ…になった。なんかこう、もっと大切にしてあげなきゃ!守ってあげなきゃ!みたいな雰囲気がある。やっぱりキャリエール許すまじかも…。ただ加藤シャンドンはもし華やかな人生を送っててもあまり人に囲まれるのは好きじゃなく、静けさを好んでそう。

好きな場面

  
・シャンドン伯爵にクリスティーヌがスカウトされる場面、「レッスンが必要です」の一言に「詐欺…???」になったのは私だけじゃないはず。いや、ハンサム詐欺師と楽譜売りのラブストーリーも見てみたいですが!

・ファントムに自分の歌を聞かれてた場面、愛希クリスティーヌが「見ないで!」って言われてホールドアップするのオモロ可愛かった。

・一幕最後にファントムが上空(?)からワイヤーに吊られてストンって降りてくるの、驚いて叫んだ。見映えする…!

・船でクリスティーヌを連れ去る場面、これこれ〜!オペラ座の怪人ってCMとかでよくこの場面やってる!ってテンション上がった。アトラクションみたいで見てて楽しい。

・「あなただけよ」、愛希クリスティーヌは両サイドに腕を振って歌っていて、オペラの一場面って感じで素敵〜!になり、木下クリスティーヌは片方の男性をしっかり見つめてやるから「クリスティーヌ、それ君の『あなただけよ』を求めて熾烈な争いが巻き起こるやつ!毎日順番に誰かにやってあげて!」になった。

・クリスティーヌに自分の歌が本当に上手いか聞かれた木村シャンドンの「嘘じゃないっ!」がキラッキラの笑顔に即答で思わず吹き出した。ハイパー可愛かったな〜!

・ビストロでクリスティーヌが「あなただけよ」のフレーズを歌った時、廣瀬シャンドンは受け止めてこれだ!みたいな笑顔、木村シャンドンは胸キュンが過ぎたのかひっくり返りそうになって他の男性に受け止められてるのめちゃめちゃオモロだった。クリスティーヌが良すぎるよね!

・「もうレッスンは必要ないか!」、廣瀬シャンドンは本当にびっくり、思わず言っちゃった!な感じで興奮冷めやらぬ言い方、木村シャンドンは「だよねっ!」って感じでクリスティーヌの鼻をツンとするの、違いが可愛くて楽し〜!!!になった。

・廣瀬シャンドンは動きが優雅、木村シャンドンは機敏。

・木村シャンドンのグラス投げ、あれ絶対3階の窓から室内に投げ入れてるくらい高さある。突然の展開に面白さと衝撃を受けて取り敢えず5回くらい連続再生した。

DVDについて


・特典映像が豪華でもうはちゃめちゃ嬉しかった。特に稽古場映像!扮装姿じゃない、稽古着でお芝居してる姿ドキッとするし絶対見れない部分だから本当に最高で何回も見た。こういう映像、これからも各所であったら良いな〜!(直近だと『千と千尋の神隠し』はドキュメンタリーでかなり長い時間裏側が見れたから、より本編も楽しめた)

長い上に取り留めもない文章ですが、サクッと気になる部分だけでも読んで頂けたら飛び跳ねて喜びます。それでは!


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