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妄想力暴走

見知らぬ薄紫色のリボンが発見された。
リボンのサイドにボタン穴が付いていて、洋服に付けるタイプのものだ。

第一発見者は同棲している婚約者。
第一発見者証言「洗濯していたら出てきた。みずきの?」

見覚えがない。私は捜査を開始した。

容疑者A、妹
先月しばらくの間泊まりに来ていた。薄紫のリボンつけてそう。洗濯機使用していた。しかし、けっこう前のため今更出てくる?→LINEで確認「ちがうよー」

容疑者B、わたし
自分のものだということを忘れている?
最近購入した洋服の付属品だということに気が付かなかった線が怪しい。購入したコートを確認するも、それらしい付ける場所は見つからなかった。

容疑者C、ZOZOタウン
コートを購入した際にZOZOから誤ってリボンが混入した可能性がある。私は「コートのブランド名 付けリボン」「コートのブランド名 リボン 紫」などと検索をしてみた。それらしいものは見つからず、空振りに終わった。

こうなると色々と不安になってくる。あまり考えたくないが、容疑者Dの線も上がってくる。

その前に、私はふた月以上前に遊びにきた友人ら3名にもLINEで確認をしてみることにした。いやでもさすがに前すぎるし違うよなぁ。服の系統もこんな感じでは無い。

このように捜査を進めている中で、第一発見者はずっとスマホを触っていた。私があたふたとしていても、リボンくらいで、とでも言いたげな雰囲気である。私は脳裏に浮かんでしまった容疑者Dを疑いたくないから、事件解決に向けて尽力しているというのに。第一発見者は疑えというのはセオリーである。疑われるということは、どういうことかちゃんと理解してきちんと捜査に協力すべきだ。どうでもいいじゃん、という空気の装いはむしろ怪しい!いちど開始してしまった思考はどんどん深いところへ進んでいく。

容疑者D、第一発見者
容疑者Dは11月から新たな職につき、新しい人間関係と多忙で帰宅の遅い日々を送っている。全く女の気配はないし、誠実な男であるため、疑うことは何もない。しかし、勝手に誰かに好かれて挑発としてリボンをスーツのポケットに入れる人が現れたという可能性もあるではないか。
いや、そもそも全てを疑ってかかるべきである。もしかしたら入籍を目前に最後に他の女の子と遊んでおこうという気持ちが芽生えた可能性もある。
隠しているが趣味が女装の可能性もある。それはそれで全然良いからこのリボンは俺のだと言ってくれ。
そんなわけないとは思うけれど、「誠実だった旦那さんが実は」「婚約者が実は」系の漫画や体験談を思い出す。

そもそも疑心暗鬼の私を置いてどうでも良さそうにしていることが気に食わなくなってきた。脳内に「鬼/吉澤嘉代子」が再生される。

あーん、もう!

よからぬ妄想が止まらないの
おばかさんだって思うでしょう!

ふう、一旦落ち着いて、1番怪しい妹にもう一度LINEをしてみよう。それで違ったら容疑者Dの線で本格的に特別捜査本部を組んで捜査開始じゃ!!!!!!

伏字は妹のお名前

妹のかーい


事件解決。円満解決。よかったよかった。

も〜いらないことばかり考えてしまった。

やだやだ

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