見出し画像

鰹出汁と波照間島

昨日築地で買った鰹節
腹節、背節は知っていたけれど両方付いているものは知らなかった
その形から亀節
小ぶりの鰹で作られるため腹も背も付いている

久しぶりに鰹節削り器で削ると細々してシュルシュル繋がらない
角度を変えても今ひとつ
刃を引っ込めようと鰹節削り器の端をトントンキッチンバサミの柄で叩いたがこれまた今ひとつ
夜刃を研いだので明日また削ってみよう

さてお昼
細々ながら削った鰹節をうどんに乗せてぐるりとお醤油をかけた
ひとつしかない卵は母に譲った
鰹節はそのまま食べても美味しいけれどお醤油と一緒になるとなぜああも旨味が増すのか

夜は鰹節ご飯にしようと思っていたが
おやつの時間に家を空け夕方帰宅すると
次女が友達と冷蔵庫の冷やご飯をレンジで温め
タッパーに入れておいた鰹節とお醤油をかけて食べていた

お醤油ご飯が大好きな次女
鰹節ご飯も好きだそうだ

夜は一番出汁でお吸物
出汁をとっていたら次女が、いい匂いー鰹節?今日なあにー?と寄ってきた

銀色のお鍋に濾し入れた出汁は黄金に輝き
綺麗でしばし眺めた

面倒で毎日はやろうと思わないけれど
鰹節を削るのは楽しいし美味しい

ただ、実家も祖母が作ってくれたお味噌汁も出汁は煮干しで、お料理には鰹節はよく使っていたけれど、鰹出汁は何だかお上品でよそ行きな味がする

そんな印象の鰹出汁だが今までで一番美味しかったのは
波照間島のおじーが朝作ってくれた
たっぷりの花鰹でとった出汁のヘチマのお味噌汁
確かお味噌は白っぽかった
てことは甘いお味噌だったのだろうか
いや甘みはそんなに感じなかったはずだ
という具合の曖昧な記憶だけれど
ああ、なんて美味しいのだろうと衝撃をもってしみじみと思った事は鮮明に覚えている

ひとり旅の非日常がそうさせたのか
いやしかし他にも釣りたての魚や烏賊や島の泡盛、色々ご馳走になったのに
何故かあのお味噌汁は群を抜いた美味しさであった

単に泡盛飲みすぎた翌朝だったからか?

今日の出汁もまたあの時のお味噌汁には到底及ばなかった

そしてそれがまた
ちょっと嬉しくもあった

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?