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なぜ押し入れの中は心が安らぐのか

「押し入れの中で寝た事ある?」とちょっとした好奇心で私が質問すると、寝た事があると答えた人は何人かいた。私の感覚的な基準だけど、押し入れの中で寝た事がある人は、私が思っていた人数よりもずっと多かった。

そんな質問をする私は押し入れの中で寝た事があった。それは小学生位の時のことで、そこにはドラえもんの影響があった。そして、私が質問した人達にもドラえもんの影響があったかどうかを聞いてみると、押し入れの中で寝た事があるほとんどの人がドラえもんの影響だと回答した。ドラえもんは国民的アニメだと改めて思い知らされる。

押し入れの中で実際に寝てみた感想としては、寝る環境としては適していないということだった。密閉空間なので湿気がこもりやすく、黴臭いし、なんとなく息苦しい。なので、襖はある程度開けて寝ていた。それで朝起きると、カーテンの向こうから差しこむ日光で、微細な埃がそこら中を舞っているのが目に入り、やっぱり空気は悪いし寝る場所じゃないなと当たり前の感想に思い至っていた。それでも、一週間程は押し入れの中で根気強く寝ていた。それは、押し入れの中という空間が秘密部屋みたいで高揚感があったし、また、当時はいつも同じ場所で寝るということに飽きていて、ちょっと気分転換をしたかったのかもしれない。
当時は、この狭い押し入れの中という空間が、自分で好きなように作れる最小限の世界だった。

そんな幼少の頃の思い出を、今朝ふと思い出した。

明日から新年度で、新しい元号も公表される。日本ではターニングポイントとなる劇的な変化をもたらす日の前日かもしれないけど、私はすごく個人的な思い出に浸っていた。

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