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物件買うなら恋する町に…後編

クサクサした気分を吹っ切るように、半ば自棄で行った海外旅行から帰って来ると、本当に帰って来たその日に、物件探しを頼んでいた不動産屋さんから「ご希望の場所に空き物件が出ました」との一報が。聞けば、20年前だから建築許可が下りたのだけれど、歴史的保護地区に指定されてしまった現在は、再建不可の場所に建っているマンション、とのこと。

もはや顔なじみとなった不動産屋さんと共に内覧に行くと、マンションへと続くプロムナードの木はきちんと剪定され、エントランスにはチリひとつなく、ガラス部分もよく磨かれています。

これまでの経験上、これは非常に大事な部分です。

物件の新しさやグレードに関わらず、例えタワマンであったとしても、パッと見だらしない印象を受けたらおしまいです。もちろん傾向としては、物件の価格に比例して管理の方も質が高いというのはありますが、意外とそうとは限らないケースも多いのです。

当のお部屋は57㎡、3部屋すべて角部屋というちょっと個性的なつくり。同じ間取りの部屋が並ぶ「クッキーカッター」な物件ではないのが嬉しい。ワンオーナーで、持ち主が事務所のような形で使用されていたらしく、キッチンやバスルームに目立った傷みはありません。とはいえ経年劣化は免れず、煙草のニオイやヤニが染みついている所もあります。あと、禁止のはずだけど、ネコちゃんもいたっぽい。そういうプラス、マイナスの要素をふまえて冷静に判断するべきだとは思うのですが、いかんせん心が持っていかれてしまって……‼  当初はここまで古い建物を選ぶつもりはなかったのですが、即決しました。

なかなか難航したお部屋を探しでしたが、納得のいく結果が得られ、まずはひと安心……する間もなく、次はリフォーム会社を、所謂「ソッコー」で見つけなければなりません。待つ時間は長いのに、転がりだしたら時間に追われるのが人生だと、つくづく実感しました。


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