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てぃくる 850 咲けるときに咲く

「季節外れじゃないの?」
「ううん、季節って、考えたことない」

「ええー?」
「いつからが自分の盛りだって考えちゃうと、そこでしか輝けないように思えて、気が滅入るの」

「ふうん」
「自分が咲けるときがあれば、それが自分の時。そう考えた方が楽に生きられるから」

「なるほどねー。そういうのもありかも」
「わたしの考え方を押し付けるつもりはないよ。わたしはこうやって生きてる。それだけ。誰かにそうしろとは言えない」

(アベリア)


 なにが自分のスタイルなのかなあと、そう考えてしまう自分自身に苦笑してしまうことがあります。

 今ここにいるあんた自身が、あんたなんじゃないの? あんたのスタイルなんじゃないの?

 そうなんですよね。向上心や目標設定は好ましいことだと思うんですが、行き過ぎると自分らしさを失うことがあります。

 咲けるときに咲くに任せて咲く。
 四季咲きではないといいつつも、春から晩秋まで長く花をつけているアベリアを見て。

 あんたはいいねと、知らず羨んでいる自分がいます。


雨一滴額を打ちて冬始む

(2021-11-07)


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