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てぃくる 935 おまえ、だれだ?

 秋遅くになると、越冬のためにベランダに退去して押しかける厄介なカメムシがいます。クサギカメムシというかなり大柄なカメムシで、でかいだけではなく、臭いも強烈なんです。正直、あまりお近づきになりたくないんですけどね。
 幸い、夏のくそ暑い時期に飛来することはあまりないんですが。たまたま近くを散歩をしている時に、街路樹にそやつがいるのを見つけました。この野郎、秋に飛んでくるなよとガンを付けて通り過ぎたものの、どうも違和感が。

「こいつ、こんなにおしゃれだったっけ?」

 クサギカメクシというのは、茶褐色の地味ぃなカメムシなんですよ。慌てて駆け戻って確かめると……。

「おまえ、だれだ?」



 実はこいつ、最近のさばりつつある南方系の外来種でキマダラカメムシと言います。外来種と言ってもかなり前から日本にいたようで、一度姿を消したのがいつの間にか再臨し、最近はどんどん分布を広げつつあるようです。黄斑というように、クサギカメムシよりおしゃれさん。クサギカメムシほど臭くはないようですね。
 成虫は樹液によく集まり、サクラやケヤキなどの都市の植栽木が増えたことがキマダラの増殖に関わっているのではないかという説があります。

 まあ……臭くなくてきれいでも、あまりお近づきにはなりたくありません。うちのベランダには来なくていいからね。


 誰かがよくわからないことは

  私にとって安心でも不安でもある

 同じように私も誰かの
  安心や不安の種になっているのだろう

(2022-08-10)

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