てぃくる 801 車輪の下
「車輪の下、はヘルマン・ヘッセだったっけ」
「そう」
「あやかって、『葉輪の下』で一発売り出そうかな」
「そのまんまパクリじゃん」
「葉輪の下にいるといいことがありますよって言えば、きっとモテるかも……」
「味噌塗りたくられて焼かれるのがオチだよ」
「身もふたもないね」
「ついでに蜜もないぞ」
ホオノキ
身近にある割にはあまり注目されない木ですが、芳香のある葉は料理に使われますし、軽く加工しやすい材は版木や下駄などに利用されます。
他のモクレン科の花樹よりやや遅くに大きな花を咲かせますが、強い芳香を漂わせる一方で蜜腺がありません。蜜目当ての虫には魅力が乏しいということになりますね。匂いに騙されて訪花する虫をあてにしているのか、それとも花粉を目当てに来る虫がいるのか、ともかくも。一応他家受粉して結実します。
輪状に展開する大きな葉は、大柄な葉影を作り出します。そのおおらかさは、すっきりしない梅雨時の気分をほんわかさせてくれます。
茫洋と咲いて散りたり朴の花
(2021-06-19)
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