「もう正月はとっくに過ぎてるよなあ」
「いつの話をしている。もうすぐ三月だぞ」

「いや、俺たち減らないなあと思ってさ」
「己を安売りしないだけだ」

「でも今はともかく、これからどんどん見た目がぼんぼろりんになっていくよなあ。男前のうちに嫁に行きたいじゃん」
「男が嫁に行ってどうする！」

「まあた、そんな前時代的な価値観に凝り固まってー。だから食ってもらえないんだよー」
「食ってもらえんのはおまえも同じじゃないかっ！」

「ちぇー。紅顔の美男子なのになあ」
「おまえは厚顔の微男子だっ！」

　賑やかな真っ赤っかがまだ残ってますねえ。縁起物のナンテンも、いつまでもお飾りのままじゃ死活問題だと思うんですが、マンリョウと並んでなかなか鳥に食ってもらえません。

　ぴーよぴーよとやかましい悪食のヒヨドリすらスルーするなんて、どんだけまずいんだっていう感じですが。人気がありすぎてさっとなくなってしまうようでは観賞用にならないので、これでいいのでしょう。

庭陰で宴ありしか寒桜

（2023-02-23）