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てぃくる 915 奇妙な主張

「どうも作品における主張が中途半端な気がする」
「ぼけ。尖りまくって目立ってるんだから、十分だろ」

「いや、俺的にはまだ甘い」
「いいけどよ。どんな風に主張するんだ?」

「まず。この時期には見られない稲穂をモチーフに取り入れてみた」
「だーかーらー。模倣のどこが芸術なんだよ!」

「全ての芸術は模倣から始まる」
「おまえが言うと、モーホから始まるに聞こえる」

「当たってる。オトコだからな。臭いもそれに合わせてある」
「スペルマ臭かよ」

「セクシーだろ?」
「でも、寄って来るのは変わり者だけだよな」

「なんで俺の芸術は理解されないんだーっ!」
「理解はされないけど、あとで食ってもらえるから。いんじゃね?」



 クリが属するナラ、カシの仲間の多くは風媒花なんですが、クリは虫媒花。独特の花の匂い(スペルミン)も虫を呼ぶための工夫です。花弁のない地味な花なのに多種多様な虫がやってくるので、虫好きの人はクリの花が咲く頃になるとそわそわするそうな。
 マテバシイやスダジイなど椎(シイ)の木の仲間も、クリと同じような匂いを持つ花を咲かせますね。

 大量に花をつけるシラカシやアラカシが匂いを出したら生活に支障が出ると思いますが、風媒花なので匂いません。ほっ。


色事は秘められずただ栗の花

(2022-06-08)

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