見出し画像

NewsPicks編集長 佐々木紀彦 「個人」の未来の生きる道 箕輪編集室 第二回定例会

スマホの中の「ニュースアプリの1つ」としての認識から一変。4月から始まったNewsPicksアカデミア、そしてヒットを飛ばし続けるNewsPicks Book。確固たる[NewsPicks]ブランドに人が集まり、人材もどんどん層が厚くなっている印象。TwitterでもFacebookのタイムラインでも、会員さんの喜びの声を見ない日はありません。

先日のLivePicksでは、活況のオンラインサロン(出演者は、日本三大オンラインサロンと言及)として
<HIU(堀江貴文イノベーション大学校) / 箕輪編集室 / コルクラボ>
と挙げていただいていましたが、私が一番注目しているのはNewsPicksアカデミアのコミュニティとしての側面です。

箕輪編集室とNewsPicksアカデミアとでは明らかに性格と役割が違うので、コミュニティの設計と運営が大好きな私としては、活動の領域を拡大していくために勉強になることが豊富です。NewsPicksアカデミアも「挑戦者」が集う場所。変化の激しいこの時代に「個人」がどう在るべきかを目の当たりにして、実践する。私もそんな場所にいたいし、作っていきたいと常々思っています。

幻冬舎の編集・箕輪厚介さんによる会員制コミュニティ「箕輪編集室」では、第二回定例会のゲストとしてNewsPicks編集長の佐々木紀彦さんをお呼びして箕輪さんとの対談を行いました。

「2年前・・・双葉社時代から編集者として一番影響を受けた人」
「当時、このままじゃマジで食っていけなくなるなと思った」
「佐々木さんのすごさを伝えられたらな、と思っています」

と箕輪さんからの前振りにも会場の熱は上がります。

約2時間、淀みなく話題が尽きないお二人でしたが、今回特に私たちの未来に直結すると思われるポイントに絞ってお伝えしたいと思います。

①日本では、チャレンジすることのコスパが異常にいい!
②メディア業界はライバル不在で取り放題だ!
③これからは動画だ!

「箕輪編集室」では、当日の模様を動画でアーカイブしています。会員はいつでも自由に閲覧可能です。
ここから箕輪編集室に入ることができます(CAMPFIREページ)

あだ名は、プラダ佐々木。「意識高い」とはどういうことか。

まずはNewsPicks編集長・佐々木紀彦さんの人物像を把握しておかなくてはなりませんよね。「前提の把握」という部分です。

佐々木さんの人物像を直感的にわかるようにするために、箕輪さんが使ったのが、大学生の頃のあだ名だと言う「プラダ佐々木」でした。箕輪さんが佐々木さんに大きく影響を受けたのは、『5年後、メディアは稼げるか』。2013年の書籍です。箕輪編集室を開いたきっかけもこの書籍だと言うので、私も佐々木さん様様です。

所属するものが会社だったり、オンラインサロンだったり。人は複数のオンラインサロンに所属するようになるだろうという考えに、私も大賛成です。

「個人で名前を作らないといけない。」これを佐々木さんは、入社したての頃に意識し始めていたと言います。

佐々木さん:意識高いでしょ?(会場、大爆笑)

紙のメディアを10年経験。東洋経済では、東洋経済らしくないことにどんどんチャレンジした「異端児」だったと言います。オンラインを立ち上げたのは、32歳くらい。

嫌いなことは一切できない性格で、嫌いな企画を押しつけてくる上司には最初から反抗していました。東洋経済はとてもいいカルチャーを持った会社で、個人の名前で勝負する人が集まる集団って感じ。会社を行き来している人もたくさんいました。

東洋経済オンラインに手を挙げたのは「いろんな編集長を見てきて、自分がやった方がいいものができるから」。ご自身が言うには、「自分はとにかく、ごう慢」。でも、それが見えてこないのが不思議なところですよね。

NewsPicksアカデミアの水曜日の幻冬舎との定例会議でも
「学校なんだから、4月に始まらなきゃダメじゃん。」
のように人の感情を入れずにズバッと仕切っていきます。

日本では、チャレンジすることのコスパが異常にいい!

佐々木さん:まだ昭和の時代にはいましたよね(個人の名前で勝負する記者)

日本はもうすっかりサラリーマン社会になっちゃってて、「名前を個人で売ること」と「組織で出世していくこと」が真逆になっているケースがありますよね。東洋経済では、ちゃんと自分の名前を書いて記事にするという文化で、その影響も今の佐々木さんにあるそうです。

箕輪さん:(見城さん・幻冬舎社長が)最近の箕輪は、クラウドファンディングとか、オンラインサロンとかガンガンやって、もう何屋さんだかわからん。でもそれくらいやらないと紙にも収益が戻って来ないから、どんどん飛び出せ!(と幻冬舎で言った)

テクノロジーは理解しようとする心構えがあれば、詳しい人がやってくれる。それなのに、誰も来ない。永遠に来ない。日本の変化を恐るところが不思議でしょうがない。月に150万円近く売り上げを出す箕輪編集室でさえ、あれだけ内部の動きを外に見せているのにマネをする人も誰もいないですもんね。

佐々木さんに言われた言葉で箕輪さんが印象に残っているのが

とにかく社外で有名になることですよ

だそうです。そうすれば、誰も何も言わなくなる。これ実は箕輪編集室内でも「ある事件」があって、私自身の経験した「箕輪さんのサロンであって、お前のサロンではない事件」ってやつでして・・・外の世間で評価をされていることって、内側でもとても重要なことだと痛感しております。

日本は特に、あるところに固まって派閥を作ったりする人が多いので、それを飛び越えられる人の価値が高い。チャレンジするだけで評価される。

いつでも、自分が「ゼロに戻れるもの」を持っている人が強い。ゼロになった時に、「自分はどう在るのか」の自分との対話がもっとも必要かもしれないですね。

メディア業界はライバル不在で取り放題だ!

箕輪さん:畳が好きで畳職人をやるみたいなレベルの、「ビジネスマンとしては生きない」って言う覚悟を決めたクリエーターとして生き方ならいいよ。(今から文芸の世界に行こうとしている若者に)

なんの戦略もなく、編集なら小説みたいな若者に愕然としたというエピソードです。メディア業界には、俯瞰(ふかん)で自分のキャリアについて見られる人がいないのだと言います。その大局観のなさに愕然とするのです。

佐々木さん:みなさん、いくらでもチャンスありますよ!(会場、苦笑)

佐々木さんはその原因として、メディアの構造があまりにも変わらなかったことを指摘していました。人は100年続いたものを永遠に続くと思ってしまう。新聞も、雑誌も、流通ルートも何も、昭和のままですもんね。(見てないけど)

そんな中でも染まらずに佐々木さんらしさを通せた佐々木さんにとって、「アメリカに行ったことがデカかったのではないか」という箕輪さんの質問に対して佐々木さんは、

佐々木さん:(アメリカで)圧倒的な劣等感を受けたことがデカかったんでしょうね。

積み重ねているものが違うというか、教養が違う。頭の構造もまるで違ったと言います。勉強量とか、教養量がまるで違う。一番の違いは議論がうまいこと。日本で真面目に議論すると「意識高い」とバカにされちゃいますもんね。

そうすると、何かを生み出す力がぜんぜん違う。

日本のメディアの人は、今の形がずっと続くと思っているから考えもしない。

佐々木さん:料理って「素材の力」と「調理の力」で決まるじゃないですか(それと一緒です)

材料の質が教養ですよね。パッと見、同じ料理だけど隠し味がすごく効いてるのが教養の部分。ビジネス書レベルじゃ、すぐに腐る。佐々木さんはそれに気づいて、図書館で修行僧のように勉強していたと言います。

それで、何がデカかったかと言うと、「もう一生自惚れない」ってことです。

佐々木さん:箕輪さんにアドバイスするとすると・・・箕輪さんが参考にできるような人は、もう同業界にはいないと思う。

日本においては、時代は進んでいるように見えて、ぜんぜん退化している。スケールが落ちている。昔は日本が世界の中心にいた時代があった。今は、それだけビジネスチャンスが細くなっているのでしょうね。

やっぱりお金が入ってくる業界は盛り上がる。才能も人も入ってくる。ビジネスを考えられないとメディアもダメ。でも誰も考えないよね〜と佐々木さんはつぶやいていました。

これからは動画だ!

佐々木さん:箕輪さん、将来テレビやるね。大衆の気持ちがわかるでしょ?

テレビはこれから面白い。スマホがこれからどんどんサクサクになって、できることがいっぱいある。テレビも昔から構造が変わっていないもののひとつです。

箕輪さん:(箕輪編集室は)出版社にいて誰もできないことを勝手にやってくれるからすごいんですよ!(動画やラジオ配信)

LIVE感のあるコンテンツしか今後ウケなくなるので、LIVEはいいです。SHOWROOMのような投げ銭は、お金というよりも、視聴側の影響力の行使なんですよね。「参加したぞ」感が大事ってことです。これは今後、何のビジネスにも言えることです。

コミュニティのNewsPicksアカデミアも、LIVE配信のLivePicksも、順調に伸びています。なぜ佐々木さんがこんなにも未来のことが見えるのかというと、歴史を学んでおくだけで、これからどうすればいいかわかるからです。堀江さんも迷った時には歴史から掘る(多動力にも書いてある)そうです。

フローのニュースだけじゃなくて、原理原則を学ぶ。誰もやらないけど、「歴史を知り、海外を知る」と、未来から来た人みたいになる。

佐々木さんとのお話はまだまだ続きがあり、

◆有名人に食い込んでいく最初のステップ

などなど、「個人」がこれからの未来にどう生きていくべきかのヒントが盛りだくさんでした。すべてを書くととんでもない文字数になってしまうため、簡単にエッセンスだけを私なりに噛み砕いてからまとめたつもりです。

少しでもみなさんのお役に立てば嬉しく思います。

佐々木さん、ゲスト出演ありがとうございました。とても楽しい時間でした。

対談の様子は動画でいつでも見ることができます。
こちらから箕輪編集室に入ることができます(CAMPFIREページ)

明日もがんばれる気がします。あなたが決めてください。