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今だからこそ「皆のマジを一つにする」に挑んだ「Pretty Live!~All for One !!!~」

9月24日に『プリパラ』『キラッとプリチャン』『ワッチャプリマジ!』の合同ライブイベント「Pretty Live!~All for One !!!~」が開催されました。
もはやプリティーシリーズの秋の恒例行事となって久しいライブイベントですが、今年の秋ライブは夏に開催された「Pretty Live!~One for All !!!~」の続編をコンセプトにしたライブイベントで、デュオやユニットをメインに様々な楽曲が披露されました。
特に『プリパラ』の真中らぁら、『アイドルタイム・プリパラ』の夢川ゆい、『キラッとプリチャン』の桃山みらい、『ワッチャプリマジ!』の陽比野まつりによる「Make it!」や、MY DREAMによる完全オリジナルの振付での「Memorial」などは、「様々な音が重なる」という今回のライブのテーマにハマったものでしたが、個人的に今回は「夏公演を踏まえての挑戦」という面を強く感じましたね。

アニメと違うけど、アニメと同じライブ

「Pretty Live!~One for All !!!~」は「見たいものは見れた」と満足感はあったのですが、演出面で特筆するほど面白いものは「モニターの音ハメエフェクト演出」ぐらいでした。
これは『ワッチャプリマジ!』がメインキャラクター全員集合した初めてのライブになるので、「そこまで攻めた演出に出来ない」という事情はあると思うのですが、ライブ演出の観点に立つと「素材の味を活かす事を優先」にしていて、「この曲はもうちょっとほしい」と感じる部分が少なからずありました。
今回はそういう「もうちょっと演出で盛ってほしい」を感じることは無かった。夏で「どこまで出来るのか」を探った上で、もう一段階上のものにしてきた。
このあたりを特に感じたのは『ワッチャプリマジ!』のまつり、ひな、れもんの三人でした。パートナーのマナマナ(魔法使い)であるみゃむ、チムム、きゃろんと一緒にライブをやったんですね。
『プリマジ』ではマナマナ達は基本的にステージに上がりません。
「魔法のようなステージは本当に魔法で出来ている」ということを伏せているからなんですが、今回はマナマナ達を一緒にステージに上げた上で「マナマナ達が相棒のライブを盛り立てる」というアニメでもやってない事に果敢に挑戦してきた。
まつりと一緒に歌うのが楽しそうなみゃむ、あくまでひなのサポートに徹するチムム、一生懸命全力でれもんを応援するきゃろんと三者三様の応援となり、アニメとは違うけれどアニメと同じ「マナマナとチュッピが力を合わせて作るステージ」になっていたと思います。

新曲はないけど実質新曲

また最近ではすっかり無くなっていた「現行作品ではない作品の新曲」についても今回は新しい試みがされていましたね。
以前まではそれこそ「ライブをやるから」というだけで新曲が制作されるようなペースで、ほぼ毎回新曲が披露されていましたが、ここ最近は「ライブのためだけに書き下ろした新曲」というものは披露されることは珍しくなっていました。
そういったものを劇中ユニットの単独イベントに回すのも分かるし、「新曲がある」ということをセールス文句に書きたいのも分かるし、「新曲だ!」とわかったらファンは声を上げちゃうから出来ないのも分かるし、「そもそも練習とかどうするの?」もあるし……となんとも言い難い感じだったのですが、「既存曲の振付を一新することで実質的な新曲にする」と言う結構な大技を決めてきたのが良かったですね。
これまでもノンシュガーが「既存曲を一新して、ノンシュガーの新曲に」という試みはあったんですが、こっちは「振付だけ一新」。それもただ一新するだけでなく、これまで披露した楽曲の振付を一部引っ張ってきたり、アニメの展開を踏まえての振付があるなど手が込んでいて、見ていて新鮮な気分にさせてくれました。

ライブコンセプトの話

プリティーシリーズのライブって元々「All for One」だと思うんですよ。
個性的なキャラクター達がいて、そのキャラクター達がデュオやユニットになって、そのデュオやユニットが一つのステージに集結することで一つの大きな「プリティーシリーズ」というテーマパークになる。
私達はそのテーマパークに遊びに行って、テーマパークの中に満ちた様々な音や色に触れ、ステージに立つ人達に「楽しい!」という気持ちを返している。
『プリマジ』風に言うならワッチャですね。会場にいる皆で楽しんで、皆が互いにワッチャを送り合って、会場全体でより大きな魔法を作る。発声可能だった頃は「いいぜ!いいぜ!いいぜ!」のコールが鳴り止まないとかありましたしね。
そういう「All for One」の面白さがプリティーシリーズのライブにはあって、私はその面白さに惹かれてほぼ毎回見ているんですが、あえてそれをライブコンセプトに選んだ今回のライブで「何が面白かったか」というと、やっぱり「観客がいてこそ面白い」をやってくれたものだと思うんですよ。
前述したMY DREAMの振付もそうだし、「チェック・ワン・ツー」もそうだった。
「このご時世だからこそ、皆とどうにかして一つになろう」と演出面でも挑戦した奴がやっぱり面白かったし印象に強く残る。別に他が悪いと言ってるわけではないし、アプローチの仕方はそれぞれなのでそれはいいんですが、やっぱり「一つになる」ってコンセプトは今の社会の中では特に難しい。
それをわかってもなお、あえてそこに挑んだことを評価したい。そして個人的に「それが出来てたなぁと感じたもの」は好きでいたい。

そういう事を考えちゃうようなライブはやっぱり素敵だと思うんですよね。



プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。