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「Pretty Live! ~All for One !!!~」で物足りないとは言わせない本気でマジのライブを見た。

『ワッチャプリマジ!』が面白い。ずっと面白い。特にデュオ編は最高だ。こんなに面白くていいのだろうか。
そんなことを思ってしまうぐらい『ワッチャプリマジ!』は私の中で熱い作品になっているのですが、そんな『ワッチャプリマジ!』も参加するプリティーシリーズのライブ公演「Pretty Live! ~All for One !!!~」が7月3日に開催されました。
突然の開催発表で予定に都合がつきそうもなく、今回は配信での参加となりましたが、滅茶苦茶面白かったです。
ソロライブ中心ということで、ユニット曲は殆どなかったのですが、その分一人一人を改めてじっくりと見る機会も多く、いつもとは違うけれどいつもと同じぐらい楽しませていただきました。

いつもとは違うコンセプト重視の面白さ

今回のライブは一つのテーマにセットリストから演出まで全てを調整した「コンセプトライブ」と言った趣きのライブでした。
これまで開催されたサマーライブやオータムライブもコンセプト重視になることが多く、全員集合!的なお祭り感はウィンターライブの方に回されるので、この点については「いつも通り」と言っていいものだったんじゃないでしょうか。
ただ内容は今まで以上に濃かったように感じます。
というのも、元々プリティーシリーズのライブが持つ「アンコールなしMCは極限まで削って二時間ほどの公演時間の中に曲をできるだけ詰め込む」という特製と、今回のライブのコンセプトである「All for One!!!」、つまり「全体を通して一つの音楽になるようなライブ」が合体したことで、「セットリストから読み取れる文脈の面白さ」が濃縮されちゃったんですよ。濃厚なんです。
オープニングアクトとして鈴木杏奈さんと昨年末ライブ出演組である陽比野まつり・甘瓜みるき・心愛れもんが終わって、「今回のライブはこんな感じですよ」という説明がされた後に来たソルルからルルナまで、『プリパラ』『プリチャン』のアイドル達によるメドレーを見た時は「朝から夜まで一日を過ごさせてる!」と思いました。その後の男プリには「翌日も朝から夜までライブを見た」と感じました。
コンセプト重視のライブの面白さってその「コンセプトをどれだけ感じさせるか。どれだけ楽しませるか」というのが圧倒的に大きいわけですが、今回のサマーライブはほぼノンストップで駆け抜けていくこともあって、3日間開催のライブを見たかのような面白さがありました。
まさか昼夜で一番変わった箇所が男プリとは思いませんでしたが、男プリはまあいつも何をやるのかわからない面白さがあるので、それも含めて「男プリライブの一日」らしかったですね。

マリオとあまね様

そんなコンセプト重視のライブの中で一際目を引いたのは、橘龍丸演じるマリオの「チョコレート・アイスクリーム・トルネード」と庄司宇芽香演じる皇あまねの「The Secret Garden」でした。他の方も良かったんですが、特筆するとこの二人かなと思います。

会場を破壊する演出とともに登場したマリオは、パフォーマンスが力強く、そしてやりたい放題の暴れん坊っぷりなのが凄く良かった。
今回のライブに先駆ける形で、youtubeでCGライブが公開されているんですが、現実のライブパフォーマンスを見た後だと『CGライブの方が大人しいかもしれない』と思ってしまうぐらい暴れまわっていた。飛び回し蹴りもハイキックもしてくれて、凄くかっこよかった。

最後の「Make it!」でもキャラクターをずっと保持してくれていてよかったんですが、マリオの暴れまわるキャラの反面、演じている橘龍丸本人は腰が低くて礼儀正しい人だったのでそこのギャップも面白かったですね。

始まるや否や魂を持っていかれてしまったのは皇あまねは本当に凄かった。
何せ庄司宇芽香が見た目から何まで皇あまねに寄せまくり、一人だけ2.5次元のような風貌でステージに現れたんですから言葉も出ない。寄せるとかそういうレベルではなく「皇あまねを降ろす」という表現が適切なほど、皇あまねそのものでした。
宝塚歌劇団に憧れ、宝塚歌劇団を目指す人間が通うスクールに通っていた時期がある声優で、皇あまねを演じることを自身の使命だと語っていたことは知っているんですが、まさかここまで「皇あまね」を表現するとは想像すらしていなかった。ここまでやる覚悟をしている人とは……。

そりゃこういう反応にもなるってものです。
昼公演だと最後の挨拶で配信組にメッセージを発信してくれてたんですが、慣れてないからなのか、今メインで使っているカメラとは全然違うカメラを指さしてたりして、そこも見た目の優雅さとは裏腹に内面はぽわぽわしているあまね様らしくてよかったです。

i☆Ris&ノンシュガー不在でも個性的

何気に今回のサマーライブは、いつもは参加しているi☆Risもノンシュガー(田中美海・大森日雅・山下七海)が不在だったんですよ。
i☆Risはワンマンライブツアー中ですし、ノンシュガーも全員忙しいので仕方がないんですが、「いつもはいる人達がいない」ということは少し不安になってしまう。いつもと同じことは出来ないわけですからね。
「実際に見終わってどうだったか」と言うと、「いつもはいる人達がいない」という寂しさを全く感じさせなかった。不安感が一瞬で消え失せるほど楽しかったんですよ。
これはコンセプト重視のライブにしていたたこともあるんですが、何よりシリーズの積み重ねとキャラクターの豊富さが大きい。
プリティーシリーズって似たような印象のキャラが一人もいないんですよね。
「シナリオ上は大体この枠」というのはありますけど、その枠組に収まりきらないほどキャラクターも多いし、キャラクターごとの個性も強い。ライブでもそうしたシリーズの特徴は遺憾なく発揮されていて、「アンコールなし。MCもほぼ無しで、二時間ちょっとの公演時間を最初から最後まで全力駆け抜ける」という強気な構成をずっと続けているのに、キャラの個性が強いから全然飽きない。毎回満足度が高く、「次も行きたいなぁ」という気持ちにさせてくれる。
今回はそうした部分を形成してきたメンバーが不在でしたが、こうした状況を「いつも要所を任せられる人達がいないからこそ、新しいことに挑戦できる」として捉えているかのように「普段はなかなか見れないやりとり」や「久しぶりにフルで聞く楽曲」をガンガン放り込んできて、「いつもとは違うものに、いつもと変わらない面白さが宿っている」というなかなか貴重で面白いライブになっていたんじゃないかなと思います。
昼公演で紫京院ひびき・ファルル・緑風ふわりがレイピアを持って出てきた時は「テーマ性が強い……」とびっくりしましたけどね。今回のライブのテーマである「all for one」ですが、「one for all,all for one」といえば『三銃士』ですから。あれはそういうことなんですね(演劇チックなアプローチですね、これ)

なお、これは余談ですが、そんなi☆Ris不在の中で「Make it!」完コピ勢なので一番「Make it!」を完璧に踊っていた甘瓜みるき役の相良茉優が滅茶苦茶面白かったです。
演じているキャラクター的に「絶対にやる」と言い切れるキャラクターですし、徳井青空に「i☆Ris東京公演に呼ばれていったら、隣に完コピ勢がいると思ったら相良茉優だった」と書かれた人なので、まあいつもの相良茉優らしい仕草なんですが、まさか今回もやるとは。ある意味見所の一つとして期待してたところはありますけども。
ライブのための練習とかじゃない。あれは、素ですね……。翌日「i☆Risのライブでやらなかったから!」と供述してたので、間違いないかと。
でも開幕から「みるきのおかげだお」と自分を持ち上げたり、最後のMCで伊藤かな恵にイジられて「ちょっと!みるきのをパクんじゃねーお!!」と声を荒らげたり、みるれもデート回放送日らしい好感度を上げる展開があったので個人的には満足でした。みるれもしか勝たん。

結びに

演出面ではモニター演出が面白かったですね。
特に青葉りんか役厚木那奈美さんの箇所は振付に合わせて波紋が広がっていったり、ディレイ映像を流していたりと凝った演出になっていた。「あれはRGRでの経験があるから出来ることなんじゃないかなぁ」と思ったりしてるんですが、何にしてもああいう実験的なことを見ると良いものを見た気になりますね。
あとは藤寺美徳が夜公演で流した涙は、公開オーディションで役を勝ち取るまで見ていた人間としてこみ上げてくる物がありました。
『アイカツプラネット!』で伊達花彩を見た時も『キラッとプリ☆チャン』で林鼓子がプリリズ勢だと発信した時も思ったんですが、シリーズが続くと「視聴者の中から向こう側に行く」という子が出てくるのでぐっと来るといいうか。「続いてくれてよかった。この光景を見れてよかった」と思いますね。

なお、秋公演はデュオ・ユニットライブメインらしいのでこちらも楽しみですね。ついに見れるのか、『プリマジ』のデュオライブが。



プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。