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『アイカツフレンズ!』が終わった

9月26日18時55分。
その日その時間に『アイカツフレンズ!』がその物語に幕を下ろした。

放送期間約一年と6ヶ月。総話数全76話。
現在放送されている作品の大半が1クールアニメであることと、一年以上続く作品が少ないことを考えると『アイカツフレンズ!』は長命な作品だと言える。しかしアイカツ!シリーズとしてはこれまでで最も短かった『アイカツ!』あかりジェネレーション編よりも一話も短く、新シリーズとして立ち上がった作品としてはかなり寂しい印象を受ける。
特に『かがやきのジュエル』と題された第二部は放送期間が半年しか時間が与えられなかったためか、キーアイテムである「ジュエリングドレス」は一年目に登場していた大半のキャラクターに与えられていない。
また物語としても「ソルベット王国に関わるアイテム」「宇宙からやってきた」を始め「ジュエリングドレスって結局なんなんだろう」と疑問を抱かせる要素が散りばめられていたものの、それらの要素は掘り下げることなく終了を迎えてしまっている。
正直明かされても明かされなくてもどちらでもいい話であるが、その辺りが掘り下げられていれば物語の最後を飾ったジュエリングフェスティバルの印象も、オールジュエリングドレスへの変化もかなり違って見えたのではないか。

正直なところ「勿体ない」という言葉がまず最初に出てくるわけだが、では物語として完結していないかというとそういうわけではない。
むしろ半年の放送期間の中で親キャラクターと新要素を無理なく展開出来ている点は称賛に値するものだと言っていいだろう。
『アイカツフレンズ!』という物語の幕引きとして、最終話で「これまで自分達を支えてくれていた人達にこそ幸せになってほしい」と奮闘するアイドル達を描いた辺りも素晴らしい。
これまでフレンズ結成のたびに鳴り響き、「実質結婚」とファンに言われ続けたあの鐘が、本来の意味合いとして機能しているのも今まで積み重ねてきた物語の重みを感じる。
6クールもかかって描いてきたものの面白さが、『アイカツフレンズ!』最終話にはあったのだ。

とはいえ。もうちょっと「なんとかならんかったのかなぁ」という気持ちが残るのはどうしようもない。作品にはこれといって罪がなさそうな点もその気持ちを強く際立たせる。
放送期間があと半年、いやもう1クールほどあればリフレクトムーンとハニーキャットのジュエリングドレスも出せたはずなのだ。それが「出来なかった」というのは非常に勿体ないことだと強く言っておきたい。

ただ好意的に見れば、「『勿体ない!』と思われることも承知で大鉈を振るってこうした」とも言える。
この判断がシリーズの繁栄のために繋がるのであれば、最終的には利益になるのであれば、それでいいのかなぁ、とも思う。
とりあえずは『アイカツオンパレード!』を楽しむことにしたい。
『アイカツオンパレード!』の中で、ハニーキャットとリフレクトムーンのジュエリングドレスを見ることが出来るかもしれないのだから。

来週が楽しみだなあ。


プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。