『KING OF PRISM ALL STARS プリズムショー☆ベストテン』が完璧だった

今から四年前の2016年1月9日にすべては始まった。
その日、『KING OF PRISM by PrettyRhythm』が公開されたのだ。
初めて見た時のことは今でも思い出せる。
「ヤバイ」「気が狂った映像だ」「でも理解できる。できてしまう」「泣くでしょこんなの」。
この辺りの言葉が何度も頭の中に浮上して、そして消えずに残り続ける。約一時間の映像を見終わった後は「今何を見たのか」が全く理解できていなかった。いや「理解を超えていた」というのが正確だ。今見たものを受け止め、整理し、自分の言葉に落とし込むのがとにかく大変で、同行者に支えられながら劇場を後にする道中にどうにか絞り出した言葉が「すごいっていうかすごかった」だった。『KING OF PRISM by PrettyRhythm』はそれぐらい衝撃的な体験をさせてくれたのだ。

以降、新作が公開されるたびに映画館へと足を運ぶ生活をしていたわけだが、そんな人間が『KING OF PRISM』で「プリズムショー(俗にいうライブパート)だけの総集編をやるよ」という話をされたらどうなるのだろうか。

答えは決まっている。
「見に行く」しかない。だってキンプリはいつだって私を(頭痛がするぐらいの涙と引き換えに)笑顔にしてくれるから。

そんなわけで『KING OF PRISM ALL STARS プリズムショー☆ベストテン』も映画館で無事に鑑賞してきたのだが、いやはや素晴らしい作品だった。
シリーズ初の劇場作品である『プリティーリズム・オールスターセレクション プリズムショー☆ベストテン』のオマージュ的な設計、進行役を努めたトラチとドラチの「こういうキャラクターだったのか」という驚き、「どこで使うか全くわからない語学レッスン」といったクスリとくる要素、そして帽子を使ったダンスに作中観客も行う手拍子!人文字!サイリウム芸!というまた一段階、進化してしまった一条シンの完全新作プリズムショー……。

どれをとっても「プリズムの煌めきのオーバードーズを起こしそう」となるものばかりだったが、素晴らしかったのはなんといってもランキングの結果だろう。

今回の『KING OF PRISM ALL STARS プリズムショー☆ベストテン』で使用されるプリズムショーは、サウンドトラックの購入者を対象としたファン投票によって決定される。したがって本作のランキングは「TVシリーズ終了時点でのファンの総意」と言ってもいいランキングなのだが、いざ最終結果を見てみると「計算されているかのような完璧な結果」としか言えない結果で驚かされた。「イカサマじゃねぇのか」と言われてもおかしくないほどパーフェクトだった。
10位に来たプリズムショーは最終結果を見ると「開幕に持ってくるにはピッタリすぎる内容」だったし、それ以外のプリズムショーも上が上なだけに「確かにこの辺になるなぁ」となるものばかり。
TVシリーズでは人気がありそうな天然ガスこと「Orange Flamingo」なども絶妙なところに収まっている。
本当によく出来たランキングでそこだけでも感心するのだが、作中でも特に格が高いものとして描かれている、サンダーストームセッションでの「FREEDOM!」や「Pride」といったプリズムショーが「ファン投票に依るランキング」でも格が高い位置に収まっている点も評価したい。
ファン達が選んだ結果が、作品を知っている人間ならば誰が見ても「そうだよなぁ。この結果になるよなぁ」となるのは、ファン投票が本当に「ファンの総意」になっていること。それは凄い事ではないだろうか。

今年プリティーシリーズは10周年を迎える。
そんな今年の最初にこういう作品と、そして『キラッとプリ☆チャン』での「ハート♡イロ♡トリドリ~ム」の完全リメイクライブを見られた事を嬉しく思う。
これから7月に向けて、何が待っているのか。
とても楽しみだ。




プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。