「ウマ娘 プリティーダービー 5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -NEW GATE-」四年目の始まりとなるライブで、特に良かったウマ娘の話をしたい。

3月22日・23日の2日間にわたって『ウマ娘プリティーダービー』の5thイベント大阪公演『NEW GATE』が開催された。
昨年夏から続いてきたナンバリングイベントの最後を飾る公演であり、四年目の始まりとなるライブであり、ウマ娘のナンバリングでは初となる大阪でのライブ公演であることもあって、「まさかこの人がウマ娘のライブに来るとは!」と思っちゃうほど豪華なライブだった。
「関西でライブやるのにお前がいないのは納得できないぞ!」と言い続けてきたゴールドシップも「ゲスト出走」という枠に収まらない暴れっぷりを見せてくれたし、直前にアプリで実装されたメインストーリー第二部組は初々しさと四年目を背負える存在だと思わせてくれるパフォーマンスを見せてくれた。
満足度の高いライブだったし、ここにジェンティルドンナやオルフェーヴル、コントレイル(まだ参戦してないです)やアーモンドアイ(まだです)が来ることもあるのだろうか……と思ってしまったのだが、今回のライブで特に良く見えたのはジャングルポケット、アグネスタキオン、デアリングハートと二日目のゲストだった。

ジャングルポケット

今回の5thイベントで一番「成長した」と感じられたのは、やはり「ジャングルポケット」だろう。
スペシャルウィークからトウカイテイオーへ。トウカイテイオーからキタサンブラックへと受け継がれてきた「座長」のバトン。ジャングルポケットがそのバトンをキタサンブラックから受け継いだのは『新時代の扉』が発表された後の有明公演だったが、受け継いだばかりの頃は少し小さく見えた姿が今回の公演では大きく見えた。
歌声やパフォーマンスのレベルも上がっているのだが、全身から自信のようなものが見て取れたし、作品を背負う覚悟のようなものがジャングルポケット……藤本侑里から感じられた。
それが出来たのはアグネスタキオンやマンハッタンカフェ、ダンツフレームといった「同期」がいるからこそだろう。
こういう化け方をするから人や役者を見るのは面白い。
「『新時代の扉』が終わった後のイベント」が楽しみになるような、そして違う仕事でも見てみたくなる良さがあった。

デアリングハート

「仕上がり具合」という点ではやはりデアリングハートは忘れられない。
「ゲスト出走とは何だったのか」と思うぐらい出番が多かったゴールドシップのあの仕上がり具合を見ても分かるように、今回のライブは出走者全員かなり高いレベルで仕上げてきている。
まさしく5th イベントの最後を飾るに相応しいレベルの高さだったが、おそらく今回のライブで一番仕上がっていたのはデアリングハートだ。初出走ということを忘れてしまうほど「デアリングハート」として仕上がっていている。
特にその仕上がりの良さを感じられたのはソロ曲の「QueenBee」だ。
歌声もダンスのキレも素晴らしい。難易度の高い楽曲でもあるにも関わらず苦も無くこなしており、「デアリングハート、ここにあり」と言わんばかりの圧巻のパフォーマンスだった。

アグネスタキオン

『新時代の扉』組からはやはりアグネスタキオンを上げたくなる。
演じる上坂すみれはどのイベントでも素晴らしいパフォーマンスを見せてくれるが、アグネスタキオンでは心の底から楽しんでいる様子が見て取れた。
何を楽しんでいるか、というと「アグネスタキオン」というキャラクターをだ。
心の底から「アグネスタキオン」という役を楽しんでいる。普段はあまりやらないタイプのキャラクターだからというのはあるのだろうが、ライブでもとことんまで「アグネスタキオン」というキャラクターを楽しんでいて、見ていて非常に楽しかった。
怪我でパフォーマンスに制限がかかったマンハッタンカフェ役小倉唯の事を気遣いつつのパフォーマンスも多かったが、そういうところもアグネスタキオンらしさを感じてしまう。
今回のライブで見られた「マンハッタンカフェを支えながら階段を降りてくるアグネスタキオン」でしばらく楽しめる気がするぐらい良かった。

山本昌

今回一番驚いたのはやはり山本昌の登場だろう。
『ROAD TO THE TOP』や『3rd Season』で解説役として参加していたことから「いつかくるだろう」という予想はしていたものの、本当に山本昌が登場すると驚きというかなんというか。「これは何のライブだ」という気持ちが先行してしまう。
協賛企業を読み上げるいつもの奴だけでなく、進行役としてMC部分を担当したり、「ユメヲカケル!」を声優&ファンと一緒に歌ったり、コール&レスポンスに参加したりとおおよそ見たことがない山本昌がぎっしり詰まっている。
「MVP」には上げないにしても「この人をなくして今回のライブは語れない」といえるぐらいの最高のゲストだし、まさかこんなところで見れるとは思わなかっただけに嬉しさもひとしお。ありがとう山本昌。
Cygamesも中日ドラゴンズへの贔屓にならないように渡部優衣(ウイニングチケット役。遺伝による阪神ファン)とヴィルシーナ・シュヴァルグラン・ヴィブロス(馬主は大魔神・佐々木主浩)を用意してたんだね……と一瞬思ったりしたけど、多分関係ない。

結びに

「アリーナツアー」というよりは「半年かけて四回ライブをやります」という趣きが強いナンバリングイベントだったけれど、終わってみると「その時にやりたいこと」は毎回しっかりと出来ていたように思う。
それはライブごとのテーマ的な部分じゃなくて、プロジェクト全体で見た時に「この時期にこのライブがあることの意味」が分かるというか。
特に大阪公演は「四年目が始まってから1ヶ月後」だからこそ「三年目の終わり」「四年目の始まり」というテーマが活きていたし、ウマ娘というプロジェクト全体としても良い意味で区切りとして機能していて、そこは作品としての強みになっている気がした。
アニメや漫画、ゲームアプリとも絡んでいるだけに担当者は大変だっただろうけど、そういうことが出来るのも面白さではあるので、その苦労が応援の声で報われていると良いな!と思った。
なお翌日の高松宮記念はメイケイエールのラストランでしたけど、何事もなく走り終えてくれてよかったです。本当は勝ってほしかったけど、無事是名馬なので。






プリズムの煌めきを広めるためによろしくお願いします。