「ご注文はうさぎですか？」（以下、ごちうさ）にはたくさんの魅力がありますが、いざ人に説明しようとすると、何から話せばいいか迷いますよね。

キャラクターの成長？ストーリーの伏線？自分の中では素晴らしいものだと分かっているつもりでも、それを言葉にしようとすると、案外難しいものです。

まんがタイムきららMAXの最新話を読むたびに、この作品の奥の深さを実感する自分がいます。何も考えずにごちうさを読むのも楽しみ方の一つですが、せっかくならこの魅力を人に伝えられるようになりたいですよね？

この記事は、そんなファンのために、毎月更新されるごちうさの新たな魅力を紐解くことで、その見どころとなるポイントを整理し、まとめていくものとなっています。

さて、今月もごちうさの最新話が公開されました。

お話に関わる重要なシーンをピックアップしていきますので、よろしければ最後までお付き合い下さい。

■ 水着姿のラビットハウス三姉妹が登場！

多くの人が開放的な気分になる季節、夏。夏と聞くだけで、楽しいイベントが、いくつも頭に浮かびます。

普段はラビットハウスで働く看板娘の三人も、この日ばかりは有頂天の様子。水着を着て、浮き輪をもって、陽気にはしゃぐラビハ組。海だー！というココアちゃんの声が、今にも聞こえてきそうです。今月の扉絵は、海水浴に来たラビハ三姉妹のイラストでした。

このイラストの見どころはまず何といっても、水着でしょう。三人とも暖色のカラーで、統一感を感じます。しかしながら、決して全員が同じ水着というわけではなく、たとえばリゼちゃんは大人っぽいスタイリッシュな水着なのに対し、ココチノはフリルのついたビキニ。

また、ココアちゃんの水着はチノちゃんよりも派手な柄となっており、目立ちたがりなココアちゃんの性格が表れているようにも見えます。三人それぞれの個性がしっかり反映された水着です。

細かいところに目を向ければ、ティッピーの麦わら帽子から耳が生えているのもポイント。これは、きららファンタジア（以下、きらファン）に実装された☆5チノちゃんが初出です。

他にも、三人の視線の向きが完全版1巻の表紙と似ているなど、コアなファンでも楽しめる要素が隠されているのも良いですね。

キャラソンのタイトルが原作に逆輸入されたことはありますが、きらファン要素が原作に逆輸入されるのは、これが初めてではないでしょうか。

個人的には、ハイビスカスの花がぼやけているところも好きです。ここに気付くと、イラストはもはや単なる一枚の絵ではなく、私たち自身がこの目で見ている世界そのものに変化します。いわゆる遠近法というやつで、イラストに奥行きと立体感を与えるための手法ですね。

もちろん、それが錯覚であることは十分理解していますが、それでも一瞬はっとさせらるのも事実。

そして今月のごちうさは、イラストの通り、海に行くお話でした。今回はあくまで木組みの街を出発するまでのお話なので、本格的に海で遊ぶのは、来月以降になりそうです。

最初はラビットハウスの三人だけで動いていた計画も、何だかんだでマヤメグと千夜シャロが加わることとなりました。七人の可愛い水着姿がきっと来月から見られるでしょう。

今回、あえなくお留守番になってしまったブラバ組も、どこかのタイミングで可愛らしい水着姿を披露してくれると良いですね。

■ 宝物を探しに行こう！新章「海シスト編」について

さて本編ですが、今月のごちうさは冒頭から大ニュースです。ブロカントでココアちゃんが買った小物入れの中に、シストの地図が！？

シストとは、木組みの街では有名な宝探しゲームです。地図に書かれた謎を解き、お宝を見つけ出すという、そのシンプルさから誰でも気軽に遊べるのが良いところ。

普通の宝探しとは若干違うルールがあるせいか、若い人たちを中心に人気があるようです。ココアちゃんも、そんなシストを愛するファンのうちの一人。

シスト自体は今までにも何回か出てきています。チマメ隊が仲良くなるきっかけになったのも、シストです。が、これまでの舞台は全て街の中だけに限定されていました。

しかし！今度の舞台は海ですから、一味も二味も違います。きらめく水面に、熱い砂浜。色とりどりの、海の家。想像するだけでも、わくわくしますね。

夏の海に旅行に行くというだけでも心が踊るのに、そこにシストという名の宝探しが加わるわけです。そんなの、もう満場一致で行くしかないでしょう。

ところが、話を聞いたメンバーの反応がはっきり分かれます。今月のごちうさは、ここも面白いポイントの一つでした。

ナツエル姉妹はさすがというか、実家が太いので、プライベートビーチに毎年行っているようです。一方、フユちゃんは海が苦手。なぜなら、普通にベタベタするから。ここは確かに、個人差があるでしょう。

この手の話には大体ノリノリで応じてくれそうな千夜ちゃんも、今年の夏は看板メニューの作成に追われている様子。シャロちゃんはいつものバイトに加えて、受験勉強もありますから、忙しいのはまあ当然ですね。

旅行自体は楽しみにしていた冒険好きのマヤちゃんさえ、バイトのシフトを抜けられないという大きな問題がありました。

けどやっぱり、せっかくの夏には思い出を作りたいものです。特に今年の夏はみんなで一緒に過ごせる、最後のチャンス。甘兎庵を継ぐ千夜ちゃんはともかく、シャロちゃんは進学、ココアちゃんはパン修行と、卒業後は二人が木組みの街を離れてしまいます。

リゼちゃんが言うように、今を逃したら、きっと後悔するでしょう。そうした事情を知ってか知らずか、海への興味が薄いブラバ組がシフトを代わってくれました。

最初はラビハの三人だけで行こうとしていた旅ですが、最後にはちゃんと千夜シャロとマヤメグも合流できて良かったです。

かくして一行は、お宝探しと夏のビーチを目的として、電車に揺られながら、海に向かいます。「海シスト編」とも呼ぶべきこの新しい長編作品は、来月以降もしばらく続くでしょう。

本項では、この「海シスト編」について、理解を深めていきたいと思います。

旅はまだ、始まったばかりです。これからどんな見どころがあるのか、どんな点を見ていけばより楽しむことができるのか、今のうちに確認しておきましょう。

・お宝はブラバのオーナーが隠した？

まず何よりも気になるのは、やはり「お宝が何なのか」ですよね。骨董品なのか、あるいは全く使い道のないガラクタなのか。こればかりは隠した人のセンスに左右されますから、現時点で予想するのは難しいでしょう。

ただし、その「隠した人」に関しては、ヒントがあります。なぜなら、前回のブロカントでフユちゃんが出品したものの中に、ブラバのオーナーの所有物が混じっていたからです。

ココチノがブラバ組の露店にやってくるシーンですね。

コーヒーミルの宝箱は、フユちゃんが持っていたものではなく、オーナーがフユちゃんに渡したものであることが台詞から読み取れます。

ココアちゃんは、この箱を買ったでしょう。厳密に言うとこのコマからでは買ったと断言できませんが、「欲しい！」とはっきり言ってますから、買ったと考えていいと思います。

そして、シストの地図が出てきました。ココアちゃん曰く、「小物入れ」の中から。

シストの地図が出てきた小物入れとコーヒーミルの宝箱が必ずしも一致するとは限りません。他のお店でもココアちゃんが同様の買い物をしていた可能性はあります。

しかし、一致している確率は十分高いでしょう。もしも「シストの地図が出てきた小物入れ」＝「宝箱」だとすると、かつて地図を所有していたのは、オーナーだということになります。必然的に宝を入れた張本人である可能性も高い、というわけです。

・ティッピーという心強い存在

今回の旅はティッピーが一緒に来てくれることになりました。ここは前回の卒業旅行とは大きく異なる部分です。これにより、さまざまな良い影響が出てくると思います。

チノちゃんは前回の旅行よりも積極的な一面が見られそうです。チノちゃんにとってのティッピーとは、腕の立つバリスタというだけでなく、一緒にいると落ち着く存在。

実際、ティッピーが不在だった卒業旅行のチノちゃんは、心細そうにしている様子が何回か見受けられました。その点、今回はティッピーがいますから、心強いのではないかと思います。

加えて今回の旅は、「謎解き」です。宝のありかを示す謎を解いていくことになるでしょう。こういう旅では知性豊かなメンバーがいると頼もしいです。

その点でもティッピーが同行してくれるのは心強いでしょう。謎解きに行き詰ったとしても、ヒントをくれるかもしれません。「青山ブルーマウンテン」という名前を思いつくセンスや、かつてチノちゃんの知恵の輪を自作していたという発想力。ティッピー（＝マスター）の知性は、本物です。

・ブラバ組の水着姿も見られるかも？

これは海シスト編とは直接関係ありませんが、今回の旅はそれなりの長さになると思います。その間、一度もブラバ組が登場しないとは考えづらく、どこかのタイミングで一度は三人のお話が挟まるでしょう。

仮にそうだとしたら、一体どんなお話が挟まるのでしょうか。これはもう考えるまでもなく、プールに行く話ではないかと思います。ブラバ組はまだ木組みの街の温泉プールに行っていません。

ココアちゃんたちは以前、何度か利用したことのあるプール。あのプールに三人で行く可能性は高いと思います。海シストは本編だけでなく、サイドストーリーにも注目です。

■ 後悔しない、ということ

今回のお話はリゼちゃんが非常に良いことを言ってくれました。ごちうさのキャラクターって、可愛いだけじゃなくて、時折ストレートに胸を打たれます。

自身の立場に置き換えてみれば、これは想像がつくでしょう。だって、普通はできないじゃないですか。宝を探しに行くなんて。

現実でもし宝の地図を見つけることができたとしても、多くの人はきっと何もせず終わってしまうと思います。そもそも、地図が本物である保証がどこにもありません。

宝のありかが近場ならともかく、今回の目的地は、海です。日帰りで気軽に行けるような場所でもありません。

仮に地図が本物で、目的地が近かったとしても、貴重な休暇を使ってまでわざわざ宝探しをするかというと、答えはNOである方が大半なのではないでしょうか。

でもココアちゃんたちは、それでも宝探しに飛び込んでいくんですよね。地図が本物かどうかなど考えず、宝のありかが遠いかも関係なく。リゼちゃんが言うように、「ちょっとしたことでも後悔したくない」その一心で、彼女たちはやりたいことを叶えていきます。

ある意味で無鉄砲ともいえるその勇敢さが眩しいです。どんな人であれ、自分ができないことをさらりとやってみせる人って、見ていて気持ちが良いですよね。

■ 仕事が早いチノちゃん

最後になりますが、今月のチノちゃんは仕事が速くて驚きました。慣れた手つきで次から次へと注文をこなすだけでなく、フユちゃんと世間話を交わしながら手を動かすという芸当。本職のバリスタでも中々こうはいかないのではないでしょうか。

努力家のチノちゃんは、こういうところも鍛練を重ねているのかもしれません。良い喫茶店を作るためには、良質なコーヒーだけでなく、店とお客さんの関係が良好であることも必要です。お客さんに気に入ってもらうための第一歩は、待たせないこと。注文を受けてから提供までの時間をどれだけ短くできるかが勝負になります。注文した料理が早く来たら、なんとなく嬉しい気持ちになりますよね。

もちろん、じっくり待った末に食べる料理も美味しいですが、中にはマヤちゃんのように、待つのが苦手な人もいるでしょう。

来てくれたお客さんに対し、どうやってすみやかにコーヒーを提供するかもまた、チノちゃんは工夫している気がしますね。

■ おわりに

さて今回は、海シスト編が大きな見どころとなったお話でした。いかがでしたか？

ここでご紹介したものは、あくまで個人の解釈です。本記事を手がかりに、みなさんも自分なりの考えや解釈を広げてみてください。

またね！