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[月記]24年3月 発熱

年末にインフルエンザに罹った。
クリスマス直前から体調が悪くなって、立てなくなり、クリスマスの予定はやむなくキャンセルになった。
しかし、その予定は「プリキュア クリスマスコンサート 2023」を見に行くことであり、私は28歳独身男性なので、もしかするとこれで良かったのかもしれない。子供も隣の席に私がいたら気にかかろう。

年内はずっと39度台の熱が続く。年明けの1/2に熱が37度まで下がり、かなり症状は収まってきた。少し頭は痛いが、ずっと横になって何もできないというほどではない。
年末休暇が終わる。仕事に出る。家に帰ると疲れている。いくら休み明けとはいえ尋常じゃない疲れだ。日中、乾いた咳が止まらなかったのも気にかかる。体温計で熱を測ると36.8度だった。
発熱について調べていると、37.5度未満は平熱であることを知る。とはいえ咳が止まらないのは気にかかるので病院へ行く。内科へ行くと耳鼻科にかかるように告げられ、耳鼻科へ行くと呼吸器内科にかかるように告げられる。呼吸器内科へ行くと医者から気管支炎の可能性があると告げられる。気管支炎は人にうつるようなものではないが、放っておくと肺炎になってしまう可能性もあるため対処が必要だという。

処方された喘息用の吸入薬を経口摂取しながら、毎日仕事に向かう。薬が効いているのか、職場ではあまり咳が出ない。とはいえ本調子ではないので早く帰りたいと思うのだが、1月は少し忙しく、ほとんど毎日残業をしていた。
2月に入っても変わらず吸入薬に頼りながら、毎日残業を続けていた。発熱してからずっと起きてから体温を確認するようにしているのだが、値はずっと37度前後から推移しない。微熱の期間があまりに長いため、だんだん気になってくる。連日の残業のせいで、回復するものも回復しないのだろうか? そうはいっても私が担当していたプロジェクトは現在ピンチに陥っており、時には日を跨ぐまで残業しなければならない日もあった。微熱でなくとも気を抜いたら倒れてしまうが、私が倒れてしまうとプロジェクトが倒れてしまう。ここはしばらく踏ん張るしかない。
3月に入り、プロジェクトは落ち着いて残業しなくても問題なくなってくる。しかし微熱はいまだに続いている。何なのだろう、この陰険な閉塞感は。ひょっとするとこの微熱は、最低なことにこれから先死ぬまで続くのだろうか? 家に帰ってベッドの中で鬱々としていると、咳が出始めて余計に疲れる……。

咳? 咳が、会社ではあまり出ないのに、家に帰ると出ることが多いことにそこでようやく気が付いた。もしかすると、吸入薬が効いているのではないのかもしれない。私はすぐにベッドのシーツを剥いで掃除機をかけた。空気清浄機を購入し、家にいる間は回しておくようにした。
数日後、熱は36度に戻った。

この世には、たとえ目には見えなくとも、そこに確かに存在しているものがある。
幽霊──ではなくて、ハウスダストとダニである。