レジェンドの香り ―ミズノ バットクラフトマン・名和民夫

画像1 ファインダーを覗く目の前で、それはあっという間に形を成していく。彼は大小の道具を選んでは迷いなく刃を当て、螺旋状のカンナくずが散っていく。空間に満ちていく乾いた木の香りを、わたしは深く吸った。西川龍馬のバットと木材から削り出したそれ、交互にノギスを当ててサイズを確認していく。そのすべての動きに無駄はない。彼は秋冬の間に1日40本ほどのバットを削り、2月1日のキャンプインに1年分のバットを納めるという。その男の名は、名和民夫。かつてイチローや松井秀喜のバットを手掛けた、バットクラフトマンのレジェンド。

ここまで読んでくれたんですね! ありがとう!