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ゲームメモ003: ギャラガ(アーケード他)

名作シューティングゲーム「ギャラガ」。

温泉旅館のテーブル筐体で遊び、ファミコンで遊び、PSのナムコミュージアムで遊び、ゲームボーイのギャラクシアンとギャラガがニコイチになっているソフトでも遊び、PSPやSwitchのミュージアムでも遊んだ。
最終的にArcade 1UPを購入して未だに遊んでいる。
今回はこのビンテージ作品についてだ。

こないだPS5のゲームやったのに、急に太古の昔のゲームである。

思いついたようにシリーズ化したこの「ゲームメモ」。
ゲームのレビューをしたいとか、おすすめをしたいというわけではなく、私自身が「これは面白い!」と感じたゲームの要素を分解していくことで、何が面白かったのか? 私がビデオゲーム内における何の要素が好きなのか? …を知ることができるんじゃないかな。と思って始めたのだ。

この「ギャラガ」は、ゲームが本来持っているプリミティブな面白さが味わえる名作だ。

ギャラガが登場したのは1981年。まだファミコンがこの世に存在しなかった頃だ。

1981年の新宿

即ちコンソールゲーム機も広く一般の家庭には普及しておらず、”5000円くらいでゲームソフトを買ってきて家のテレビに繋がってるゲームマシンに入れて遊ぶ” という今では当たり前の行為を、多くのキッズや若者が知りもしなかった頃という事になる。

いや…「知りもしなかった」は大げさかな。
家庭用ゲーム機ではエポック社の「カセットビジョン」があった頃だ。残念ながら筆者は触れる機会に恵まれなかったので詳しくないが…

カセットビジョン本体

当時ゲーセンにはドンキーコングやジャンプバグがあり、パソコンゲームのウィザードリィもあった。(ただし海外のパソコンであるAppleII版であり国産のパソコンで動作する移植版が登場するのは数年後となる)

そんな時代に登場した「ギャラガ」。
誤解を恐れずに雑に言うが、インベーダーゲームのフォロワータイトルのひとつであった。
1978年にアーケードビデオゲームにおける和ゲーの始祖といってもいい「スペースインベーダー」が稼働開始する。
その後アーケードゲームシーンには、雨後のタケノコのごとく、競合商品がもりもり登場する。
中には競合というより、ほぼコピーやハック品、海賊版に近いようなものも少なくなかったらしい。
らしい。と書いたのは、当時の私は幼すぎて自分で遊べなかったから。

1978 スペースインベーダー
1979 ギャラクシアン / スペースインベーダーパート2
1980 ムーンクレスタ
1981 ギャラガ

ギャラガは1979年に稼働した「ギャラクシアン」の続編として登場した。
・宇宙戦闘機で攻めてくる異星人を撃ち落としていく。
・自分は常に上を向いており、左右にしか移動できない。
・弾はあまり連打できないのでよく狙わないといけない。
・全部の敵を落とすと面クリア。
…という点はスペースインベーダーと同じだ。

しかし、入れ替わりの激しいゲームセンターのゲームにおいて、次々と稼働しては消えていく他のインベーダーフォロワーゲームたちと異なり、ギャラガは5年近くも稼働を続け、長きにわたりファンに愛された。

1983年(82年だっけ?)に縦スクロールシューティングの「ゼビウス」が登場してから先は、横方向にしか移動できないインベーダータイプのゲームは数を減らしていくこととなる…のだが、ギャラガはそんな中にあっても人気を保っていたということになる。

ギャラガが他のゲームと違ったところって何だったんだろう?

ショットが2連射できる

インベーダーやギャラクシアンはショットが「単発」だった。1発撃ったら、その弾が消えるまでは次の弾が撃てない。
敵に命中すればいいけど、外した場合、弾丸が画面の最上部を抜けて画面外に出ていくまでの間、次の攻撃ができなかった。このわずかなスキに、敵にやられてしまうことも少なくなかった。
単発は単発で、結構ヒリヒリとした「狙う緊張」があるんだけど、ストレスもあった。
一方ギャラガでは、画面内に2発までショットを表示できた。すなわち弾を2連射することができるようになったのだ。
ゲーム史上初だったかどうかはわからないが、筆者の体験した範囲では史上初だった。
今の価値観で言うと2発でも少ないけど、単発のゲームと比べたら爽快なのは間違いない。
ギャラガには「硬い敵」がいないため、際限なく連射できてしまうと簡単になりすぎてしまう問題もあっただろう。「2発」というのはなかなかいいさじ加減だったのでは。

合体してパワーアップできた

ギャラガといえば合体。
とらわれた仲間を救出することで、自機が2機合体し、デュアルファイターとなる。
これはギャラガ最大の特徴と言っていいと思う。パワーアップの方法がユニークでリスクもけっこうあって、同じことをしてるゲームはあんまり聞いたことが無い。
合体までの手順は以下の通り。

  1. ボスギャラガが”トラクタービーム”を撃ってくるのを待つ。

  2. 撃ってきたらトラクタービームに当たる。

  3. するとプレイヤーがボスギャラガに捕まる。残機が1へる。

  4. 次の1機で、飛んできたボスギャラガを撃ち落とす(捕らわれた僚機を撃たないように注意)

  5. 僚機を救出!合体してパワーアップ!

トラクタービームはゆっくり目の攻撃なので、当たりたくない場合は避けることが割と容易だった。そのため、2はわざと当たる人がほとんどだったように思う。
3に移行するにあたって残機が減るので、ラスト1機の状態ではこれを実施できない。ラスト1機でトラクタービームにつかまるとゲームオーバーになってしまう。
4ではボスギャラガが僚機を捕らえたまま、こちらに攻撃を仕掛けてくる。僚機に弾を当てないように注意しながら、ボスギャラガだけを撃ち落とすことで救出成功となる。
僚機を撃ってしまうと(1000点入るけど)爆発してしまい、合体出来ないばかりか残機が1機無駄になってしまう。間違っても撃ってしまわないよう慎重に狙う必要がある。
前項にて、ショットが2連射できるようになり連打が爽快だ。と記載した。
連打で敵をバリバリ倒すのは気持ちがいいのだが、ボスギャラガから僚機を助けるときは連打の手を止め、落ち着いた行動が必要であり、この「静と動」のメリハリが楽しいのかもしれない。

チャレンジングステージ

一定ステージごとにチャレンジングステージ(=ボーナス面)があるのも特徴だといえる。
チャレンジングステージでは40匹の敵が、隊列を組んでダンスを踊るように画面内を飛び回り、そして画面外に出ていく。その間攻撃はしてこない。
プレイヤーはダンスのような動きに惑わされずに敵をすべて撃ち落とすことを目指す。
全部の敵を1匹も漏らさず倒すことができればボーナス得点が入る。
振り付けはステージごとに異なり、また、前項で説明したデュアルファイターになれているか、いないか?によっても難易度が変わってくる。
ギャラガは得点で残機がエクステンドするので、動きを覚えて高得点を狙いたい。

命中率表示

ゲームオーバーになった際に、ショットの発射回数と命中回数が表示され、命中率が表示される。という要素があった。
ショットが2連射できるのでついバンバン撃ってしまいがちだけど、高い命中率を維持したいなら無駄撃ちは避けるべきである。
しかしながら命中率は目安としてゲームオーバー時に教えてもらえるだけなので、別に高い数値を維持する必要はない。しっかり狙うかバリバリ撃つか気分次第で選べるところも面白かった。

デュアル・ファイターになると1回のショットで弾丸が2個出るので、それで2匹の敵をいっぺんに倒していくことで、命中率100%を超えることも可能だった。

サウンド

過去に出たインベーダーやギャラクシアンと比べて。という事になるが、小気味よいジングルや効果音が流れ、耳に心地よかった。
残念ながらゲーム中ずっとBGMが鳴っているというわけではない。
(同社の同時期のゲームでは「ラリーX」や「マッピー」は常にBGMが流れている作品だった)
ギャラガにおいてはゲームスタート時やトラクタービームで捕まった時などに短い曲が流れるのみであったが、いずれも頭に残るメロディだった。
また、敵を倒した時の効果音なども気持ちよかった。

全体的に「緩急」のあるデザインだった

ステージ開始時はショットを激しく連打するが、合体狙いの時は僚機を殺さないように慎重に狙う。

序盤の易しいうちにデュアル・ファイターになり、後半の猛攻をしのぐ。

通常ステージではヒリヒリする命の取り合いをし、チャレンジングステージでは、殺されない安心感とともにダンスのような編隊飛行を楽しみつつ、高得点を得る。

全体的な難易度の上昇具合も緩急のつけ方が上手かった。
だんだん難しくなってきた、と思ったら10面だけ少し易しくて一息入れることが出来たり(デュアル・ファイターになるチャンスでもあった)するところもユーザーに優しかった。

ゲームプレイのテンポ、メリハリというか、緩急が気持ちいいゲームだと思う。
短時間で静と動、アッパーとダウナーがいい感じに繰り返され、ああ面白かった!もう一回やろう!…という気持ちになるゲームだったと思う。
今のゲームと比べると要素は非常に少なく、奇跡のようなバランスであったといえる。
同じジャンルで同じ気持ちになるようなゲームを、じゃあサクッと作れんのか?といわれたら、なかなかできないのではないかな。

[B] で ぬけます.