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リリア・ゲームミュージック・セレクションvol.2

2024年2月3日、伊藤賢治さんのライブへ行ってきた感想を綴ります。(記憶違いのところもあると思いますがご了承ください)


私が初めて生の伊藤賢治さんを拝見したのは、2007年のゲームミュージックライブ『EXTRA』です。以来、ご本人に魅了され、イトケンさんのライブは行けるものはなるべく行っており、毎回楽しみにしているライブの一つとなりました。
今回のこのライブも、第1回に続き楽しみにしていました!vol.1から約1年で2回目を開催してくださり感謝です。

gentle echo meetingなど含め、イトケンさんが主役のライブは、イトケンさんのルーツ、好きな音楽、趣味嗜好などを語って下さり、ゲームミュージック以外のイトケンさんも知ることができて良いです!そのトークも楽しみの一つですね。
そして、サガシリーズをプレイしている人ならば、イトケンといえばバトル曲、バトル曲といあばイトケン!というくらいバトル曲に定評がありますが、ご本人はずっと「本当はバラードが好き」「静かな曲のほうが得意」という理由などもよくわかってきました。
ご本人がリチャードクレイダーマンやイージーリスニングをよく聴いていたということ、サガシリーズ以外の曲を演奏される時、静かな曲やバラード曲を多く演奏されて、本当にバラードがルーツなんだな、と納得できました(笑)


この豪華なメンバー…✨

15:00からライブスタート。
拍手で迎えられたイトケンさん、今回はトークからスタートしました。
前回がピアノ演奏からスタートしたので、今回はトークから始めることにしたとのことです。直前までトークにするかピアノ演奏から始めるかすごく悩まれたそうです。
そして話し始めること10分以上!さすがおしゃべりなイトケンさん!しかし10分も経ったと思えないくらい話に惹き込まれるんですよね〜。
そして今回のライブ終了予定時刻は18:00。前回より30分〜1時間近く長い!嬉しい!
その理由もトークで明らかに。
前回のライブの日はWBC真っ最中で、イトケンさんご本人も試合を観たくて早めに切り上げたんだとか🤣

楽しいトークの後は、いよいよ演奏開始!今回のセットリストは以下です。
自分の記憶力があまりないので、ピックアップして感想を書きます。


Forフルーツバスケット(アニメ「フルーツバスケット」OP)

ライブでは何度か演奏されている曲!優しい旋律が耳に心地よいです。岡崎律子さんがお好きだというのがよくわかります!いつか一緒にお仕事したみたかったというほど、思い入れのある曲なんですね。
フルバの作者の高屋奈月先生とイトケンさんもお知り合いのようなので(高屋奈月先生のゲーム好き度、コミックスの柱コーナーのトークから見てもよく分かりますよね〜ゲーム好きならあのコーナーも読む楽しみの一つですね🤭)フルバそのものもイトケンさんにとっても大切な作品だと思われます!

リベルタンゴ

前回のvol.1でも演奏された曲をまた披露してくださいました!前回とメンバーも異なるのでまた違った印象の曲に感じました。妖艶さも秘めつつ、リズミカルな音楽がかっこいいです。



そしていよいよ古代祐三さんがゲストにてステージに登壇!
最初はイトケンさんと対談という形で始まりました。
古代さんは人前でピアノ演奏することがあまりないそうで、子供の頃のピアノの発表会以来かもとおっしゃっていました。
お母様がピアノの先生で大変厳しく(鉄拳が飛んでくる勢いの厳しさだったとか😂)、一音でも間違えるとピクッ!というような先生だったとか。
そんな厳しい指導から逃げるようにゲーム音楽と出会い、ゲーム音楽に導かれその道に進んだそうです。
古代さんがリリースされたCDのリーフレットにモデルのような男性(=古代さん)が写っていて、当時のスクウェアでの植松さんとイトケンさんは驚き「俺たちは違う路線でいくか…」というこぼれ話も聞けました🤣
古代さん、本当に若々しくてモデルみたいですね!日々筋トレもされてるようです。
ご本人のXのポストでもダイエットや筋トレの話が時々出てますね😃

いよいよ演奏開始。とても緊張されているとは思えないくらい自然体で演奏されていて、バイオリンの水谷さん、ギターの宮崎さん、パーカスの岡島さんとの息もぴったりでとても見応えがありました!
バイオリンの水谷さんはgentle Echo meetingで拝見したことがあり、笑顔での演奏がとても素敵で見てるこちらも幸せな気持ちになれます!
ギターの宮崎さんの赤い衣装も眩く、軽快なギターの音色がかっこいい!
パーカスの岡島さんは、DESTINY8のメンバーとしてもお馴染み。この日はバンダナはしていませんでした。
パーカスを、時には手で直接叩いたり、曲に合わせてスティックに持ち替えたり、何種類もの楽器を操る姿に何度も目を奪われました。


 

フィルモア<アクトレイザー>

私の中で古代さんといえば、アクトレイザーです。兄がアクトレイザーを親に買ってもらい、プレイしているのを横で見ていたあの頃…最初のステージで流れるので1番聴く曲だと思います!
とても馴染みのある曲なので自然と体がリズムに合わせて動いていました。古代さんご自身も2曲目の演奏ということもあり、なんとなく体が乗っているような印象を受けました!
子供の頃、まさかこの曲をご本人がピアノ演奏されるのを聴くなんて想像もしていませんでした。当時は作曲者のことすら考えてなかったのでなおさらです。
アクトレイザーは、アクションゲームが苦手なので(町づくりパートばかりやっていたこともあり)私自身はクリアしたことがないですが本当に1曲1曲重厚感があって良いですよね。
今回、アンサンブルアレンジもすごく良かったです。

すばらしき新世界 <NAMCO xCAPCOM>

この曲の始まる前に、ステージの中心にマイクが設置されました。
そしてもう1人のゲスト、野々村彩乃さんの登場!
野々村さんは黒色のロングドレスでシックな衣装でした!
野々村さんはサガスカの主題歌でお馴染みですが、オペラのような歌い方とは少し違う歌い方で驚きました!
素人なのでなんて表現して良いかわからないのですが、オペラ調の歌い方は声の伸びやビブラートの印象がまず先に耳に入ってくるのですが、この歌を歌われている時は、歌詞が頭の中にスッと入ってきて、情景が思い浮かんできました!

3曲終わった瞬間、客席からブラボー!という歓声と鳴り止まない拍手の中、第1部が終了しました。
それくらい1部からイトケンさんもステージの皆様も全力で最高の演奏・歌を届けようとしてくださっているのが体全体で感じられました!
休憩な入った直後も、私の周りの席のお客さんも「すごかった!」「良いアレンジだったね!」と絶賛の声が聞こえてきました。

1部からエンジン全開でわたしも興奮状態のまま2部がスタートしました。



Dragon's Den <パズル&ドラゴンズ>

パズドラは今年で12周年だそうです。
当時、イトケンさんがパズドラの曲を担当されたと聞いた時、パズルゲーム!?新しいジャンルに挑戦されたんだ!と驚きました。
そんなパズドラも今もサービスが続いている長寿ゲーム、すごいですね。曲が良いのも一役買っていると思います☺️やっぱりイトケンの曲はかっこいいです。

この後、改めて野々村彩乃さんが登場。
野々村彩乃さんを初めて生で拝見したのは、2018年、岩国での『サガプレミアムコンサート』でした。
(このコンサートがまた素晴らしくて、映像化してほしいといまだに思っています)
それ以来、またこの目で野々村さんの歌唱を見られて嬉しかったです!
イトケンさんとの出会い、サガスカの主題歌に抜擢されるまでのお話は以前伺ったことがあるのですが、河津神が野々村さんのコンサートを聴きに行き、涙を流したというお話が聴けました!

思秋期<岩崎宏美 11th single「思秋期」より>

イトケンさんが野々村さんに何を歌ってもらおうかと考え、選曲した1曲目がこの歌でした。
この歌のときもやはりサガスカのときとは歌い方が違い、歌詞一字一句をしっかり表現されている印象を受け、歌詞の中身がまたスッと降りてきました。
さすが大御所の先生が作詞された歌…自分の人生では感じ取れないような10代の切ない気持ちを大人の目線で追体験ができました。


胸に刻んで<サガ スカーレット グレイス 緋色の野望>

この歌では野々村さんの真骨頂、ソプラノ歌手の歌声抜群でどこまでも伸びてゆくような歌声で歌われました。
ご本人も、スルメのような歌とのことで、歳を重ねるごとに歌詞の意味が理解できているとのこと!


ライブもいよいよ終盤。聖剣伝説の演奏をするというイトケンさんからのコールでまた大きな拍手!
今年、聖剣伝説の最新作が発売されると発表があったことについて、イトケンさんは発表があった時に自分も知ったとおっしゃっていました。
最初は、そっか、イトケンは今はサガシリーズ中心の作曲家だから仕方ないのかなと思いました。

そして、GBの聖剣伝説の制作当時の話をされました。
当時は聖剣伝説を石井浩一さん、渋谷員子さんらと制作中、イトケンさん自身、初めて1人で音楽を制作することとなってプレッシャーも感じていたそうです。
同時期にFF4を別チームが制作しており、FF4はスーパーファミコンでグラフィックも音もゲームボーイよりはるかにたくさんの表現ができ、羨ましいと思いながら制作していたそうです。
そんな中、聖剣伝説生みの親の石井浩一さんが「俺たちは俺たちのできることをやろうよ」と励ましてくださったそうです。
石井浩一さんのお話は聖剣伝説シリーズのコンサートや生放送で何度も拝見したことがあるのですが、いつも本当に素晴らしくありがたいお話をされる方ですね。
石井浩一さんの著書を出版してほしいと思うくらい、いつもプレイヤーのことを考えてくださっている方です。
今回のイトケンさんのお話でも、何度も石井さんに励まされたんだろうなということが伺えました。
そして、聖剣伝説は悲恋物語であること、抗えない運命に翻弄されるキャラクター達のこと、そんな想いを熱く語られ、発売後、プレイヤーから当時のスクウェア宛に、感動したというお便りがたくさん届いたというお話をされ、そこでイトケンさんが沈黙されました。
必死に涙をこらえている姿…当時の様々な記憶が呼び起こされ、その後涙を流されていました。
客席からも拍手。イトケンさんはごめんと謝っていらっしゃいましたが、聖剣伝説に特別な思い入れがあったんだなと再認識しました。
以前ライブで、サガ2と聖剣伝説発売後、どちらのシリーズの音楽を担当したいかと植松伸夫さんから聞かれ、悩みに悩んで、聖剣伝説で、と回答したそうですが、結果的にサガシリーズの担当に選ばれた話をされていたことを思い出し、聖剣伝説に強い想いがあったのだと繋がりました。
だから聖剣伝説のトークの冒頭で、新作発表があったときに寂しそうな口調だったのかな、と思いました。
もしイトケンさんが聖剣伝説シリーズの道に進んでいたら、ここでのライブはどのような内容になっていたのか…サガと聖剣伝説は今とは全く違う作品としてシリーズが続いていたんだろうな…そんなifの世界も覗いてみたいと、終演後にふと思いました。


Rising Sun <聖剣伝説~ファイナルファンタジー外伝~>

この曲を作曲された時のお話を、イトケンさんと菊田裕樹さんが出演のイベントで少し聴いたことがあります。
聖剣伝説は悲恋物語、少し物悲しい旋律も交えつつ作曲したというそうです。
悲恋物語ですが、タイトルのとおり、昇りつつある太陽のように、朝日という希望も秘めたようだと思いました。

果てしなき戦場<聖剣伝説~ファイナルファンタジー外伝~>

戦闘2~勇気と誇りを胸に〜 <新約 聖剣伝説>

この2曲は戦場に出るプレイヤーに勇気を与えてくれる曲だと思います!
このときも自然と体がリズムに合わせて動きました♪

伝説よ永遠に<聖剣伝説~ファイナルファンタジー外伝~>

いよいよエンディング…主人公の旅路も、このライブも終わりだと、観客席の誰もが思いました。
ライブのエンディングにも相応しい曲でした。

アンコール

心のたからばこ <チョコボレーシング~幻界へのロード~>

アンコールとして、イトケンさんが、大好きな先輩とおっしゃる時田貴司さんへの感謝を込めて選曲されたそうです。
この歌のエピソードもお話ししてくださり、歌詞のなかで2点ほどイトケンさんが気になった部分があり、時田さんにここは変えた方が良いんじゃないかと提案したそうです。そのうちの一つ「おなかがすいて」というところが少し直接的すぎるんじゃないかと思ったそうですが、ここは時田さんが思い入れのあるフレーズだったようで、イトケンさんも納得されたそう。もう一つの部分は時田さんにも受け入れられたそうです。
歌唱は、ゲストの野々村さん。
子供の頃の楽しかった思い出、いつまでも続くものだと思っていたあの頃を懐かしむ歌詞で、観客一人ひとりの子供の頃を思い出させてくれるような曲でした。
私も子供の頃遊んだ記憶を思い出しながら聴いていました。
…しかし、自分の子供の頃は学校から帰ったらゲーム、ゲーム、ゲーム。友達と遊ぶとしても友達の家でゲーム…外で遊んだ記憶ってあまりないな…ゲームばかりやってるとバカになると言われていた時代…
でもそのゲームに人生の大切なことを教わり、ゲームが自分を救ってくれて、今このライブに来られているんだ!胸を張れ、自分!と思いました。
それから数少ない外遊びの記憶ももちろん思い出しました。自転車に乗って少し遠くまで一緒に遊びに行ったあの子は今どこでなにしてるかな、元気かな、また会いたいな…と思いました。

これで本当にライブは終わり、最後に出演者全員がもう一度登壇され、大きな拍手で見送られ幕を閉じました。

川口リリアは改装工事のためしばらくこのライブは見られませんが、マナの木の芽が出たように、vol.3への期待を感じられるライブだったと思います。
ぜひ、リニューアル後もずっと続いてほしいです!
まだイトケンさんのライブに行かれたことのない方も、ぜひ見に行っていただきたいと思います。
本当に本当に行って良かった!素敵な時間をありがとうございました!


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