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2023年3月のアート巡り

1週間に1度はアートに触れることを目標にしているが、5月に家族でコロナに罹り、生活のペースがすっかり変わってしまった。最近、ようやく落ち着いて来たので、まずは既に下書きしてあった今年3月の1ヶ月分だけ振り返ってみる。4月以降もあちこち行っているのだが、図録や関連情報なども見ながら、少しずつキャッチアップしようと思う。なお、前回(2022年12月~2月)の振り返り記事は以下。

2023年3月:3か所、3回、1企画展

3月12日(日):よみがえる村上水軍の記憶 因島水軍城
しまなみ海道を、尾道から自転車で因島経由生口島まで走り、途中、因島水軍城に立ち寄った。天守閣のような形をした「隅櫓」では、因島水軍まつりの様子が撮った映像や写真の展示が迫力あって良かった。また、櫓であるだけに景色が良く、窓から実際に見える風景と、昔の入り江をオーバーラップさせた地図が、方角別に展示されており、比較できて面白い。ただ、何故か地図に付された番号が飛び飛びになっていて、どれから見たらいいのか少し混錬してしまった。見る人にとって、地図の番号には特に意味はなかったようだ。その点では、展示の仕方に工夫の余地があったかもしれない。

3月12日(日):平山郁夫美術館 「平山郁夫の文化財保護活動と平和の祈り」
生口島では瀬戸田で宿泊したが、閉館時間まであまり余裕がなかったので、着くなり、そのまま平山美術館へ。新聞の美術欄でよく見た覚えのある有名な絵が沢山展示されており、広島で原爆関連施設を見た直後だっただけに、被爆者でもある平山郁夫さんの生い立ちや、生涯続いた平和を希求する活動の根幹にどのような体験があったのか、その一端を理解することができた。

3月13日(火):耕三寺博物館 / 潮聲山 耕三寺/ 未来心の丘
広いはずの場所が、これでもかと詰め込んだせいか、何かと忙しい現世の雰囲気が漂っている。商売で大成した金持ちの行く着く先は、これなのかと思うと何ともやるせない気になった。人生に大事なのは、純白の大理石を山を覆うほど積み上げることではなく、「余白」の方なのかもしれない。
https://www.kousanji.or.jp/

3月31日(金):国立新美術館「ルーヴル美術館展 愛を描く」

(カウント外)
3月11日(土):広島平和記念資料館、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館、原爆ドーム、元燃料会館「原爆被災説明板」

広島の原爆関連施設を含めれば、週1ペースでの1つはアート施設を巡れた計算にはなるのだが、自分の創造性を喚起した「アート巡り」の場所としては数えたくない。もちろん、人間性の根幹を見つめるという意味では、根っこのところは繋がっているとは思うし、戦争をテーマにした絵画や展示は、国立近代美術館を始め他の美術館でも多いので、この辺りの境界線は曖昧とは思う。しかし、原爆と平和を前面に押し出した施設については、慰霊の場所なのであって、自分としては「アート」な場所の範囲外にしたい。やはり、展示の厳粛度とベクトルが、私の思う創造性喚起の為の「アート」とは異なるのだ。
また、厳島も訪れたが、ここは島全体がご神体であって、厳島神社や大鳥居、大聖院等は由緒ある古刹名刹だ。仏像や仏具も、重文などに指定され、保存すべき芸術品の範疇に入るわけが、現役の寺院というのは、本来、そういった評価の定まった芸術品を見に来る場所ではなく、救いや御利益を求めにくるところだと思う。それにしても、外見だけを見に来る観光客で溢れてはいたが。