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少し前に中国の現代アート「農民画」の展覧会を見てきました

一ヶ月ほど前なのですが、日中友好会館美術館で開催されていた「金山農民画展」を見てきました。

70点ほどの作品が展示されておりました。初めて目にしたのですが、その色調の明るさと、題材の長閑さに惹き込まれました。

本当は、もっと早くご紹介したかったのですが、「農民画」について少しは調べてからにしようと思っていましたら、今日になってしまいました。

調べて見ると、農民や農村の様子描いた絵のことではなくて、農村に暮らす人々農村の風景や周辺地域など身近な題材を描いた絵画のことでした。もともとは農業の閑散期などに描いていたそうですが、西洋画の技法を用いつつも独自に発展したこともあって、色彩の強烈なコントラストや絵の構図が本当に独創的。

国際絵画展への初出品は1980年のベルギーのブラッセルで、海外での評価の高まりと同時に、中国国内では1977年以降国内各地での展覧会開催を通じて「金山農民画」が知られるようになっていったようです。民間芸術ですから、優れた作品なら黙っていても国が応援してくれる訳ではなく、自ら売らない限り活路が見いだせないという事情もあったのでしょうね。

1988年に中国文化部によって「現代民間絵画の郷」と呼ばれるようになるなど、評価が定着して来たようです。

展示会場には、主な作家の紹介パネルもありましたが、紹介されていたのはほんの一部。画家は300人以上いて、国際展覧会に出品された作品も累計数千点を数えるそうです。以下は、中国語での8年前の記事ですが、簡単な紹介になります。

上海の都市部の発展ぶりが題材になることもあるものの、メインはやはり自然豊かな農村の情景。農村の春夏秋冬が風情たっぷりに描かれています。

撮影OKでしたので、気に入った絵をたくさん撮らせて貰いました。展示品を逐一ご紹介していると、記事の長さが凄いことになってしまうので、季節単位でmotion-GIFで紙芝居風の動画にしています。 どれも、農暦で動いている中国の農村の様子が伝わって来ますね。

一方で、都市生活は華やかですが季節感はありません。都市とは季節から切り離すことによって成り立つものなのかも知れないなと思いました。

太陽暦の西暦は効率性を追求する都市での生活には良いけれど、自然と調和した人間本来の生活には、やはり季節を意識した暦の方が、自然の移ろいがもっと身近になるのではないでしょうか。

上海に旅行で行く機会があれば、是非見てみたいですね。きっと時代には流されない美しい農民画たちを。