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旧岩崎邸庭園を訪れてみました

昨年11月の下旬にぐるっとパスを買ってから、時間の許す限り美術館や博物館を巡るようにしているのですが、今日は仕事帰りに湯島にある旧岩崎邸に行ってみました。

重要文化財になっており、ガイドさんに案内して貰えました。

こちらが正面玄関。明治29年に建てられたということで、往時はここから馬車で丸の内の職場まで通ったのでしょうね。

玄関は英国製タイル(ミントン社製)が自慢で

なんと玄関のサイズに合わせてタイルをわざわざ特注し、職人さんが正確に作ったものを嵌めんだのだそう。

見どころは天井と壁

人が映らないのをいいことに、バシバシと写真を撮りまくりました。

あちこちに歴史の重みを感じさせる意匠がたくさんあり、明治から大正にかけての時代にタイムスリップ出来ます。

館内が少しでも明るくなるよう、外からの光を取り込む仕掛けがあり、微妙な光の変化がいろいろと楽しめるようにデザインも工夫されています

こちらの鏡は、窓からの光を館内に反射させるよう、フランスから一枚ものを輸入して設置したそう。当時、日本ではこのような鏡を作る技術がなかったそうです。

ベランダの凝ったタイルは

コロニアル様式の柱ともマッチしています

客室の金唐革紙の壁紙は豪華そのものもの

2階の夫人客室は、ピンクが基調

壁紙にも気品があります

外の眺めは美しい庭園で、しばし見惚れていました。

しかし、やはり目を引くのは書院造りを基調とした和館の方でして

美しい舟底天井や

16メートル一枚モノの杉材の天井

僅かに残った襖絵のミミズク

計算された障子の陰影等々、日本が江戸時代に置き忘れて来てしまったものの方に、自然と関心が向かいました。

和館を潰して建てたという鉄筋コンクリートの研修施設は、かつて望めた富士山の眺めを塞ぎ

庭園の向こうに房総半島が一望出来たというベランダからの眺望も、老齢化したマンションに阻まれています。

かつて賓客とビリヤードに興じた、瀟洒な撞球室は

アメリカンな山小屋風ですが、屋根のスレート瓦は硯に使う石を薄くしたものだそう。

場所は洋館から少し離れた場所にありますが、雨の日でも濡れずに移動出来るように、客を驚かせるよう洋館と地下道で継げられています。

撞球室の周りは、今も残された当時の木々が大きくなって、時代の変遷を見守っていました。

湯島駅徒歩5分の丘の上、

旧岩崎邸は、誰も人が住むこともなく、いまだひっそりと建っています。

ご興味を持たれましたら、是非一度、足を運んでみて下さい。