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AV業界内の競争

AV女優は競争を常に強いられてて、その競争はメンタルに来る。みたいなことを友達に言われた。数字にすぐ表れるから、みたいな。
確かに一理あると思った。ファンザのお気に入り登録数、ファンザのランキング、レビュー、SNSのフォロワー数、専属/キカタン/企画というカテゴリー分け、専属ならダブルなのかシングルなのか、1本あたりのギャラ、専属以外なら月あたりの現場数などなど。沢山比べる基準があって、最後のふたつ以外は誰でも確認出来るし、最後のふたつだって業界内の人だったら知ってたりもする。
なので、確かに友達の意見は一理あるな、と思った。
ただ、それを気にしているかどうかは女優さんによって全く異なると思う。
少なくとも私はなんの前世もなくデビューしたのでどの数字も全て0スタート。要はどの数字に関しても増えてしかない。したがって、落ち込む要素がないのだ。全て何も無いところから始めたので、今は全てプラスでしかないのだ。
また、これは業界に入ってから気付いたことだが、全ての女優さんは個性的で、みんな違ってみんな良い。みんな違う性癖を満たしているし、そもそも「良さ」みたいなのを比べられる人達ではない。というかそもそも何万人も見てきた事務所の面接、メーカーの面接を突破して作品の撮影をしている時点で売れる見込みのある魅力的なAV女優なのである。まずそこを信用してもいいと思う。
あと、みんな違う努力の道を歩んできている。そして、その努力はあまり見えない。だからこそ、見える数字だけで自分と他者を比べてしまうのかもしれないが、それでは自分の努力も他者の努力も無視していることになる。他者には出来ない努力、自分には出来ない努力があり、その両者の過程に対する尊敬と評価を吹っ飛ばして、自分と他者を比較し、落ち込むのは勿体ないことだと思う。だって、それは色んな意味で不正確だし、そもそも無意味だから。そんな風に私は思っているので、他者との比較をあまりしないし、数字で比べて落ち込むことも喜ぶこともない。多分唯一喜ぶようになったのは、ファンザのお気に入り登録数がなんとなく売上に比例してると業界内では看做されていて、かつその数字が1万人を超えるのは凄いことらしいというのを知った上で、自分のデビュー作が1万人超えをしてるのに気付いた時。ただ、それも他の人と比べて凄いから喜んでるというよりは、数字が良いとお仕事をくれるメーカーさんが増えるらしいと聞いたからだ。とにかく私は撮影現場に行けるのが好きなので、それに繋がる数字は全て嬉しい。
また、そもそも私はAV女優になった大きな理由の1つが「わたしはどう評価されるのか知りたい」だった。なので、全ての評価の指標やレビューは私にとって新鮮かつありがたい情報なのだ。星1レビューも星5
レビューも新鮮かつありがたい情報だし、ランキングやその他指標も自分がどう視聴者から見られているのか知れる機会だ。そしてそれらを知った時、私は新しい情報(あまり業界外ではなんの意味もない)を得ただけであり、自分に対する自分による評価は変わっていない。むしろ変わらない。私は私で、人は人で、世界は回り続ける。
逆にそういう性格の自分は競争社会に向いているのかもしれない。少なくともメンタルはやられないし、自分が参考になる、自分がこうなりたいと思う方向の情報だけ頼りにして変化していくから。向いていないと思う人もいるかもしれない。マイペースすぎて向上心や自己評価が、外部からの評価とリンクしていないから。
どうしてこのような性格になれたかというと、中学受験、大学受験、陸上、その他課外活動などにおいて、常に他者と比較され、自分を他者と比較するという過程を経て自己理解を深めてきたからだと思う。比較されることや自分で自分を他者と比較すること自体になんの嫌悪感も喜びも感じない。比較して得られた情報の分析や評価は自分が目指している場所にたどり着くための道具でしかない。わたしの価値を決めるものではなく、誰かにとってのわたしの価値を決めるものでしかない。その誰かに認められることが自分にとって得であったり、自分が目指している所であるときに初めて、他者からの評価や、競合他者との比較が自分にとって有益な情報となる。
言わば競争慣れしているのだと思う。競走慣れしているので、競走させられてもなんとも思わないし、結果によって自分の存在価値が揺るがないくらい飄々と生きている。
そして、自分が楽しいと思う競走にだけエネルギーを注いできた。陸上の大会でベストタイムを縮めること。模試で満点を取ること。昨日分からなかった単語の意味とスペルを覚えること。
あと、そもそも「競走」している相手が他者ではなく、過去の自分なのだと思う。他者との競走やその結果は、自分との競走を理解するために利用させてもらっている。なぜなら私は他者と比較しても自分の幸せに繋がらないと経験的に感じているからなのと、自分の幸せを最優先することが自分にとっても周りの人にとっても一番良いと信じているから。
なので、たまに他の人をみてこんなことも思う。なんで自分で自分を不幸にする考え方を指針に生きているんだろう、と。これも多分違うnoteで深掘りできるテーマだと思うので、今回はこれくらいで。

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