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魔女の宅急便

こんにちは。
シャイニングわんらぶ 水谷です。

結構知らない人も多いのだけれど、「宅急便」って実は公用語ではなく、クロネコヤマトを指す社名であるということはご存知だろうか。

「宅急便」という言葉への勘違いは、かの宮崎駿先生もしていたことで有名で、「魔女の宅急便」という作品は誤用のまま制作が進められ、もう引き返せない段階でそれに気づいた為、クロネコヤマトの宅急便をスポンサーに加え、マスコットキャラクターを黒猫のジジにするという力技でクランクアップに漕ぎ着けたというエピソードがある。

その時はそれでよかったのだろうけれど、この「魔女宅」のせいで、宅急便の誤用はかなり深刻化している。

この誤用のまま作品としてかなり成功し、もはや日本の宅配事業のトップランナーを走り続けている宅急便は、当時のこの恩恵が大きな後押しになっていることは想像にかたくない。

が、しかしだ。

弊社某飛脚ドライバー(ひいては宅急便以外の同業他社)にとっては、この誤用が大きな障害になる。

荷受け人からの電話で、「もしもし、宅急便の方ですか?」
と電話を受けた場合、我々は当然「違います」と言わなければならない。

何故ならば、「そうです」と肯定してしまうと、「クロネコヤマトの宅急便のスタッフです」と名乗ってしまったことになるからである。

「いやいや、そんな理屈こねんでも大体のやつは分かるやろ」と思っているひともいるかもしれないが、めちゃくちゃややこしい事に「宅配便」という意味と「クロネコヤマトの略称」として「宅急便」の言葉を使うクライアントが両方存在するのだ。

そのため「宅急便」というワードを使われると「いいえ、うちは〇〇急便ですが」と答える必要がある。

後者の場合、「あ、失礼しました。この荷物は〇〇さんで取り扱いありますか」
と話はスムーズなのだが、前者の場合「は??どういう意味???宅急便の業者やろ??」
「いえ、うちは〇〇急便で宅配業者ですがクロネコヤマトの宅急便さんではないです」
「は????」
「ですから〜〜」
と前述の説明をして納得して頂いてからの会話となることが往々にしてある。

特に西成区の荷受け人は。

日本語は難しく、この令和の世の中では誤用として使われた言葉が正しい言葉と認められていることも多い。

一所懸命、一生懸命
とか
お笑いだと
爆笑(本来は大勢の人がいっせいに笑うという意味だそう)
とか。

あと面白い誤用だけれど、本来は「血税」という言葉は「兵役義務」のことだそうだ。

「血で税を収めるようなもの」という揶揄は戦争に対する皮肉がたっぷりと詰まっている。

戦争が終わり、世は平和になり昭和、平成と税金上がりゆく中、平和とはいえ社会での労働の中で必死に稼いだお金を税金で収めることを「兵役義務」を揶揄する「血税」という言葉を使ってもう一度皮肉る、という面白い使われ方であり、これはこれで二重に皮肉がかかっていて面白い誤用だと感心する。

話はそれたが、もういっその事僕としては「宅配便」という意味で「宅急便」という言葉を政府が認めてくれれば楽なのになぁ、と思っている。

日本語って難しいね。

全ての言葉を正しく使えている人がどこにもいない言語って、異常だろ。

融通が効くのか効かないのか、分からない国に生まれてしまったものだ。

と、言うお話。

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