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地方銀行の勘定系システム|静岡編

Linuxを基盤としたオープン勘定系が苦戦している様子です。
2014年1月に、海外展開も見据えた大型案件として報道されていましたが、その後は、ファーストユーザーの稼働が二度延期されるという事態になっています。

発表から数年を経て相次ぐ稼働延期

2014年1月に大きく報道された本件は、Linuxでの基幹系導入の豊富な実績を持つ日立製作所が、満を持して銀行勘定系のオープン化に取り組むと評された一方で、スルガ銀行のWindows勘定系稼働に対抗した動きとも言われていました。
Linux勘定系は、京葉銀行、肥後銀行の採用も決定して、地方銀行の勘定系システムで重要な一角を占めると目されていました。

しかしながら、稼働前から大きな展開を望みすぎたためか、モデル行となる静岡銀行で稼働延期、その時点で実質的なファースト稼働行となった京葉銀行も、結局は稼働延期となってしまったため、熊本県の肥後銀行が表明している、2019 年 7 月 16 日(火)が初の稼働スタートとなる見込みです。
なお、現時点で、このLinux勘定系については、パッケージ名称が公表されていません。
肥後銀行 次期基幹系システムの稼働開始時期について
https://www.higobank.co.jp/newsrelease/2018/pdf/1901091525.pdf

地方銀行の勘定系システムの展望

システムの開発開始が報道された2014年から比べると、5年を経た現時点で、地方銀行の収益環境は厳しく、基幹系更改といった大きな投資は難しい状況となってきています。FinTechスタートアップが、その機動性を活かして新しい金融サービスを打ち出していく中、旧態依然の「モデル行で開発~横展開/共同化」という流れではなく、既存の資産も活かしたAPI連携によるサービス展開、Banking as a Serviceとして、金融以外の業態への、金融バックオフィスのサービスの展開が必要になってきていると考えています。

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