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ベトナム起業日記: #31. 癒やしのバーを発見する

某月某日

最難関と思われた銀行口座開設申請がようやくうまくいき、夕方オフィスを出て真向かいのホテルに荷物を置いて、通りに出た。

連日のヒリヒリするような申請業務が一段落したことで、ビールでも飲みたいなぁと今まで行ったことのない通りを歩いていた。

今までホーチミン市にいるときは会社の誰かとご飯を食べる予定のないときはホテルの近くでコムタム(日本で言うところの定食で、ご飯に一汁三菜がついてくる)などを食べて済ませていたので、一人で酒を飲みに行ったことはない。

いつも行かない通りに入ったところで、左手に小さな路地が伸びているのに気づいた。その路地の入り口にCRAFT BEERと書かれた看板があった。

おぉ、クラフトビール!?、こちらにきてからサイゴンビールというメジャーなビール(日本でいるアサヒスパードライのようなもの)しか飲んでいなかったので、どんなビールがあるのか興味が湧いてきた。

路地を入って行くとひっそりとしたバーなのかカフェなのかわからないお店に先程と同じCRAFT BEERと書かれた看板が出ていた。
入り口から覗くと、3人ほどおじさんが飲んでいるのが見えた。
中に入って出てきた若い男に1人と伝えると、すぐ手前のソファくらい低い木製の席を指さされたのでそこに腰をおろした。

若者が持ってきたメニューがずっしりと重くたくさんページがあったのでびっくりした。
開いてみるとビール以外にも食べ物のメニューもいっぱいある。食事もしっかりできるお店のようだ。
ビールのページを開いて見てみると、見たこともないビールが並んでいた。
IPAと書かれたものが1つだけあった。暑いしIPAがいいなと思って注文する。
運ばれてきたボトルに入ったIPAはたしかにベトナム製で、地ビールだった。ぐいっと飲むと味はIPAで驚くほど美味かった。

しばらくしてビールと一緒に頼んだポテトフライが運ばれてきた。
山盛りのバターの上に白い粒をまぶしたものが一緒に付いてきたので塩かと思ってバターと一緒につけて口にいれると、なんと砂糖だった。
バターと砂糖にフライドポテト。これが以外と合うから不思議、、と思って食べていると、メガネをかけた男性がビール片手に近づいてきて話しかけてきた。
客かと思ったら店のオーナーだった。
向かいの低い椅子に腰をおろし、ボトルを前に差し出してきたので乾杯をした。

こんな独創的なボトルのビールもある

オーナーは片言だが英語が話せた。
しばらく話した後、

「豚の内蔵を食べないか?」

と唐突にオーナーが言った。
最初聞き間違いかと思って「内蔵?、豚の?」と聞き返してしまった。
「そうだよ、美味しいんだ。あっちの連中も食べてる。」
と立ち上がって手招きしたので、僕も立ち上がってオーナーと一緒に先程から飲んでいる3人組のおじさんのテーブルに向かって歩いていった。
そのテーブルの上の皿をオーナーが指さして「これだよ、一口食べてみなよ」と言った。おじさんたちもニコニコして頷いている。
この人たちはお客さんだし、もらうのはちょっと、と思って、じゃあ自分で注文するから、と断った。

しばらくして豚の内蔵のいろんな箇所を茹でたものが運ばれてきた。これに唐辛子や香草がはいったソースが別皿でついてきた。

レバーや、軟骨っぽいもの、後は判別不能な部位がスライスされて綺麗にならべられている。

「俺が今朝仕入れてきたんだ。いつもはないんだけど、新鮮なものが手に入った時だけ出すんだよ。」とオーナーが満面の笑みで見つめてくる。
この満面の笑みの前で残すわけにはいかない。口に合わなかったらどうしようと緊張したが、幸い、どれも美味しかった。ピリ辛のソースとよく合う。

IPAがなくなり、違うビールを頼むと、女将さんと思われる女性が持ってきてグラスについでくれた。自分の持っていたグラスを前に出してきたので、女将さんとも乾杯をした。

その後もグラスが空になると、女将さんかオーナーが代わる代わる注ぎにきて一緒に乾杯して飲んだ。

なんか、、懐かしいスタイルだ、、

学生の頃、西新宿で夜に肉体労働のバイトをしてた時、毎回仕事上がりに社長と二人で行っていた昭和な飲み屋さんと同じスタイル。
日本にもあったあのスタイルが、ここベトナムにもあった!

ついついお酒が進み、4本目に頼んだ黒ビールを飲んでいると、
途中から大きなテーブルで誕生日会をやっていたグループから大きな男の人がのっそりとこちらに近づいてきた。
異国のバーは何が起きるかわからない、、少し身構えてその男をみると、手に小さなケーキを持っていた。

「これ、よかったら。」

???、おすそ分け??
みんな優しいなぁ。。
異国のバーは何が起きるかわからない。
誕生日ケーキ?なのかはわからないが、小さなカップに入ったケーキを片手に路地裏のバーを後にしたのであった。

また来よーっと。

オーナー自慢の豚の内蔵のアソート

続く。


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