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ベトナム起業日記:#30. このまま日本に帰ってやり直しか? 銀行口座開設後編

アイスコーヒーを持って通りに面したテラス席に座り一応経過報告をS社長やVさんにしておこうとZalo(ベトナムで一番使われているLINEのようなアプリ)でメッセを送った。

しばらくしてVさんから、

「 Y銀行で作りますか?」

とメッセージが入った。
今朝Vさんが言っていた銀行である。先程撃沈したX銀行よりは小さいがこちらもメガバンクである。ただVさん曰くY銀行はもう少し融通が聞くとのことであった。

先程の撃沈の余韻でぼーっとアイスコーヒーを飲みながらZaloを見つめていた僕の曇った頭に急に光がさしたような気がした。

先にオフィスに帰っていたヘクターに連絡し、翌日朝一でY銀行に行くことが決まった。Vさんも来てくれるという。

翌日。
Y銀行の支店にヘクターと行くと、Vさんが予め電話で連絡しておいてくれたらしく2階の法人フロアの中央の大きなテーブルに案内された。

昨日は一階の一般カウンターの小さな丸椅子に僕とヘクターが身を寄せ合うように座ってのやり取りだったのだが今日は出だしから何かが違う。

記入する書類は予め用意してなかったが用紙をもらい記入していく。パスポートのコピーなどもその場所で手際よく銀行のコピー機をつかって取ってくれた。
少ししてVさんが来ると、そこにいた銀行の人たちほぼ全員がものすごく親しそうにVさんと言葉を交わし始めた。
ん?、、Vさん、、何者?

考えてみればVさんはグループ会社の他のビジネスで日本でも責任ある仕事をしているS社長に変わって実質的にホーチミンで会社全体を見ているディレクターであることを思い出した。

気さくな性格なのでついつい重役であることを忘れてしまうが、Y銀行にとっては重要な顧客の一人であるに違いない。

僕とヘクターはここに着いたときから緊張しながら一つ一つの書類を確認して書いているが、気づけば緊張しているのは僕たちだけで、Vさんと銀行の人たちはリラックスして談笑している。まさにビジネスマン同士の談笑と言った感じで、そこに2人のビジネスがよくわかっていないエンジニア2人が恐縮して座っているという構図だった。

Y銀行のフレキシビリティさなのかVさんのパワーなのか昨日の銀行で不備を指摘された書類に関しては後日提出すれば良いということになった。
口座開設は平行して進めてくれるという。

なな、なんと!???、銀行口座が作れる、、、2人のエンジニアは驚きと喜びと不安から開放された安堵からくる変な笑みを浮かべて顔を見合わせたのであった。

こうして、今起こったことがなんなのかまだ半分は飲み込めていない我らエンジニア2人組は深々と2階の法人フロア全体にお辞儀をしてY銀行を辞去した。

その日の午後、口座が開設された旨の連絡が先程の担当の方からZaloに送られてきた。
起死回生、逆転ホームラン、、Y銀行にしてよかった!

総括すると、Vさんの助言を最初から聞いとくべきだったのであった。

続く。


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