また恋を 始めてしまう 今日の日を バッドエンドの スタートとする

また恋を 始めてしまう 今日の日を バッドエンドの スタートとする

2019 9月13日
「やりました!おれやっと彼女出来たんすよー!!」

オープンの直前、いつもギリギリに出勤するハヤトからの、いきなり過ぎるご報告。

「は!?お、おー、おめでとう。彼女出来たの半年ぶりだっけ?」

「その位っす!マジで美樹と別れた時は迷惑かけたわーw 先輩が慰めてくれなかったらおれ死んでたかもw」

「ホント大変だったよね!!とりあえず店開けようよw」

「はい!おれ看板出して来ますわ!」

・・・

・・・良かった(^^)これで終われる。
最悪の6か月が。。。

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2018  1月15日
表参道のカフェ、「プレイグランド」に入ってきた新人くん。
接客も飲食経験も無く、本当に何もできない少年だったが、愛嬌だけはある彼の事を誰も憎めず、良く2人で飲みにも行った。

「ハヤト、最近彼女とはうまくいってるの??」
この頃のボクは、ハヤトの事はただの後輩としか見てなくて、彼女の話を良く聞いていた。

「それが、、おれが24歳になったら結婚するんすよ!
「マジで!あと1年半くらい?その時まで付き合ってるの?ww」
「絶対大丈夫っす!おれが浮気しなければ!」
「あぁ・・・危ないな。。」
「いやいや!w」

ハヤトはどんな時も高めのテンションで、エネルギッシュな若者だ。
まぁ幸せになればいいと思うww

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2019 2月27月
「うゔぁ・・・うゔ・・ゔぁぁぁ。。。」
「なになになになに!!!どしたどした!?!?!?」
着信画面にはハヤトの番号が出たので、きっとハヤトだろうが、、泣きすぎて本人かわからん。。
「おれ。。。もぉ゛死ぬ゛。。もぉいやだぁー゛゛。。」
「今そっち行くから!迷惑だからハヤト死なないで!明日シフトに穴開くから!」

なんなんだ?ボクは鍵と財布だけ持って原付を走らせた。
とりあえず死なないと思うけど、、ハヤトの家まで15分。何も起きるな。。

アパートの1階角部屋のドアを開けると、体育座りで泣きじゃくるハヤト。とりあえず身柄は確保だ。

「どしたの!?なんかあったの?」
「おれ゛。。ふられ゛た。。゛アイツ新しい彼氏、、いる゛って。。」

床には胃薬が2、3包。。これ飲んで死のうとしたのかな。。?ハヤト。。ちょいバカで良かったね。。

「はいはい!辛いね。。泣けるだけ泣な!」
「ぶぅわ゛ーー!!ふぇ。。ふぇ。。う゛う゛ーー・・・」
ハヤトは泣きながらボクにすがり、抱きつかれ、そのまま2人で倒れた。
ボクはハヤトの下敷きになり、ボクの上のハヤトは泣きじゃくる。
涙と鼻水でボクの胸元はグッシャグシャ。

そのまま1時間ほど泣きじゃくると、まさかそのまま寝落ちするという・・・子供か。。

眠りこくるハヤトに抱きつかれたまま、天井を見つめる。

・・・
・・・
最悪。ホント最悪。

Tシャツの胸元グシャグシャ。
ハヤト、、重い。
このまま帰れない。

・・・そんな事はどぉでもいい。

好きになってしまった。。
ボクの上で眠る、週に5日も会うストレートの男の子が尊くて尊くて。
好きになってしまった。。

絶対に実らない恋。ゲイにはよくある話かもしれないが。。
最悪の恋心がスタートしてしまった夜。。
ハヤトが新しい彼女を見つけるまで続く、最悪の時間が早く終わればいいと思いながら。

ただ天井を見つめるボクの、バッドエンドのスタートだ。




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