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音符の進む方向を見つける鍵

K.385全楽章はアウフタクト開始という共通の遺伝子で繋がっている。この第2楽章、2/4andanteさえもそれと同じだ。

つまり、

1 |①2 ②3 ③4|①5…

という骨格で第2楽章は始まっている。2小節めのsfがこの拍節に気づかせるヒントとなっている。同じように5小節目に唐突なfが記させれている理由も同様だ。5小節目から新しいフレーズが始まることをはっきりと示しいる。だが、これらのヒントをもとに拍節を汲み取ろうとすると、この楽章の面白い形に気が付かされる。

つまり、

1 |①2 ②3 ③4|①5 ②6 ③7 ④8 |①9 ②10 ③11 |
①12 ②13 ③14 ④15 |
①16…

という3拍子→4拍子というリレーが16小節目を導く形をとっているのだ。

16小節目からは新しい展開が見られるが、6拍子→4拍子→5拍子とリレーして、最後は2つの小節を分母にした三拍子で反復となる。

これも「アウフタクト開始」という遺伝子がなくては気が付き難い形だ。だが、強弱記号がさらにそのガイドをしてくれることで自然に拍節が見える仕組みになっているのは面白い。

これを見ていいて思い出すのはD759の3/8 andante con moto
だ。6小節めや12小節めの>アクセントがこの3/8の骨組みの存在を表している。つまり、これらのサインによって6つの小節が分母となっていることが見えてくる。そして、冒頭には書かれていない空白0小節目が仮定されていることも。
つまり、

①0 ②1 ③2 ④3 ⑤4 ⑥5 |①6>
②7 ③8 ④9 ⑤10 ⑥11 |①12>

という骨組みだ。この>アクセントがなかったらこの拍節には気がつけないのではないだろうか?

楽譜は正しい方向に運動が動くように示している。このK.385もD759もそのことに改めて気が付かせてくれるのだ。

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