堕落論者
堕落している。非常にまずい。
Creepy Nutsが俺にフォーリン、フォーリン、摩天楼にと歌ってきている。
坂口安吾が俺を見たらどう思うだろうか。堕落論は間違っていたと撤回するだろうか。
提出期限のある課題を忘れていたし、やんなきゃいけないプレゼンがどうしてもできなくて、先生に頼んで、二週間遅らせてもらっているし、もうだめだ。
そんでもって、なんか寝れてもいない。俺のポケモンスリープのカビゴンは一向に成長しない。ごめんな。カビゴン、俺が寝ないばっかりに。
寝もせず、課題もせず、ギターも上達せず、一体何をしているんだと。
答えは一択。こたつでうずくまっている。
星野源の「未来」という曲が好きだ。
この曲は東日本大震災の後に星野源が書いた曲で、巷では星野源の曲の中で最も歌詞が暗い曲と言われている。
何度も追い越されて うずくまる
何度も取り残され 今日が冷えていく
何ものでもないもの 起き上がり
小さな勇気を使い 空になる
一番のサビの歌詞。確かに暗い。何度も追い越されてうずくまる。なんて暗い文章なんだ。泣けてくる。
このサビの歌詞は俺に全て刺さってくる。詩が良すぎる。うずくまって立ち直れない僕も、いずれ小さな勇気を使って起き上がる時が来るのだが、もうちょっとうずくまっていよう。こたつから出るには部屋と心と今日が冷え切っている。明日暖かくなってからでいいじゃないか。
「未来」は一番暗いと言われているが、僕にはどうもそうには思えない。この曲の背後に希望がある気がしている。それは未来という言葉が明るいものだと僕が信じてやまないからであろうか。
堕落した今の僕が明るい未来を信じて今はとにかくうずくまっている。坂口安吾は堕落から這い上がることの難しさを一瞬でも考えたのだろうか。そんな簡単に堕落論なんて言わないでほしかった。
こたつの中に光るオレンジの熱を感じながら未来が生まれていく。
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