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第48期最高位決定戦

先日、我が子の学芸会を見に行きました。私の地元では運動会や学芸会等の学校行事は午前中には全プログラムを終了させるように調整されており観覧している家族とのランチタイムはいつしかなくなっていました。恐らく両親が仕事の都合等で揃わない家庭もあるのでその辺に配慮したのでしょう。あとは単純に教員の負担軽減の意味合いもあるのだと思います。

我が子のクラスはほぼ学区の幼稚園から繰り上がりのような感じなので年少の幼児時代から知っている顔ばかりなせいか、そんな子供たちの成長を感じるだけでおじさんは毎回涙が出そうになります。

今回はコロナ渦の影響から解き放たれて人数制限も撤廃されてから初めての学芸会ということで他の学年の発表も見ることにしました。私は歳を取って涙もろくなったせいか他人の子供たちですらその一生懸命に頑張る姿を見るだけでこみ上げてくるものがあります。どの学年も残念ながら劇はありませんでしたが合唱や楽器、また高学年は踊りも披露してくれました。

芸能の世界では演出家や映像監督が演者の不甲斐ない芝居に対する叱咤激励の意味合いでよくあるセリフに「学芸会レベル」と揶揄する表現があります。これ今思うととんでもなく失礼なセリフだと思います。もちろん学芸会に対して悪意がないとは思うし、お金をもらって見せるプロのレベルと身内に見せることが目的の学芸会とでは技術的には雲泥の差があることは認めます。でもね、児童たちはお父さんやお母さん、あるいはおじいちゃんやおばあちゃんに自分の晴れ舞台を見せるために目の前の演目を純粋な気持ちで一生懸命に演じてるんです。

この純粋な気持ちというのが案外聴衆の心を揺さぶるのではないかと思います。私はMISIAさんが好きで星空のライブも行ったことがあるのですがあの時の感動とはまた違ったものがあります。琴線に触れるということは必ずしも技量ではないということが我が子の学芸会を通じて気づきました。

話は変わって私がMリーグで一番感動したシーンはサクラナイツが優勝を決めて堀さんのもとにチームメイトが集まって来た瞬間です。あの時は沢崎さんが療養のため戦線離脱し堀さんも足を骨折するというビハインドを背負いながらも魂の連闘により見事優勝を勝ち取ったという背景も後押しして泣きながら堀さんの背中を叩くオカピーを見て私も思わず涙が出そうになりました。

麻雀てなかなか涙を流すほど感動することってないんじゃないかと思うんですがタイトル戦は選手それぞれの背景や想いをどれだけ感情移入出来るかで見え方が変わるんですよね。実際矢島さんの雀王初戴冠や醍醐さんの最高位初戴冠の時の男泣きは私も思わずもらい泣きでした。そういう意味ではMリーガーという肩書を失って初めて訪れたタイトル戦という村上さんが背負うストーリーが一番わかりやすいのかなと思います。

そこで第48期最高位決定戦の見どころを私なりにお伝えしたいと思います。
あくまで私個人の妄想ぎみの見立てなので見当違いかもしれませんが悪しからず。

まず、序盤のキープレイヤーは坂本さんと見ています。あの重量感のある見た目とは裏腹にフットワークの軽い坂本さんが序盤の主導権を握る展開になるのではないかと予想しています。そして村上さんと太田さんはこの四人の中では門前主体のため他家の出方を伺うような立ち上がりになるのではないかと見ています。よって坂本さんと竹内現最高位のマッチアップのような展開となり村上さんは本手が入った時のめくり合いに勝てるかどうかが序盤の見どころになりそうと見ています。この時ばかりは山に待ちが1枚でもあればずんたんコールをお願いします。坂本さんと竹内現最高位のいずれかのワンサイドの展開にならなければ四者膠着状態で中盤を迎えそうです。

終盤の見どころとして、これは妄想というよりも既に願望といっても差し支えないですが村上さんと三者のいずれかとの一騎打ちとなった場合、これはほぼ村上さんが待望の最高位返り咲きとなるでしょう。村上ファンの皆さんおめでとうございます。ありがとうございます。

冗談抜きで村上さんは過去の最高位決定戦において一騎打ちの終盤戦にはめっぽう強いのでこれはかなり期待できます。35期最高位決定戦で村上さんが初最高位となった決まり手は確かドラ8mの56778899mの47mだったと記憶しています。こんなのリャンメンとは名ばかりの実質ペン4m待ちなのに村上さんは勝負手はリーチとばかりに堂々とリーチして見事ツモったのでした。今回の決定戦も終盤での勝負手がきっと訪れるはずです。純チャン三色なんて大物手が入ろうものなら皆さん「ずんたん三色」のコールをお願いします。現在98kgの村上さんから放たれる重いパンチ・・・ではなくて村上ファンの想いを背負ってリーチしてツモってくれるでしょう。

逆に三者あるいは四者の混戦となった場合は手数に劣るのでかなり厳しい最終戦を戦うことになるかもしれません。こうならないように私は歯ぎしりしながらブラウザにかじりつきます。もし四者着順勝負の最終戦になった場合はもう最悪です。翌日には歯医者に予約しなければならないのでそれは避けたいところです。

ところで少し前にXのTLで選手にとって二つ名は不利なんじゃないかというポストを目にしてなるほどなと思いました。確かにそれは一理あるなと思いました。

醍醐さんの先切り十段や村上さんのリーチ超人、大昔に遡ると小島武夫さんの魅せる麻雀なんかが二つ名の代表格ですね。蛇足ですが寿人さんの魔王は悪者でもないのに魔王は私としてはちょっと納得いかないんですが・・・。それはさておき、とはいえ二つ名に縛られるとその局面に最適な手筋を打てなくなるという懸念は確かにある。先日のMリーグの試合で醍醐さんの56m444556p88s西からの4p切りはTL上でかなり話題になりました。その影になりあまり話題にならなかった印象ですが同じ半荘でこんなシーンがありました。※何局の何巡目かは覚えてません

ドラ6m 34赤56678m3467s234p

ピンズはもしかしたら違うかもしれませんが赤ドラドラのチャンス手、メンツ構成はマンピンソーでこんな感じでした。もはや何月何日の試合かも覚えてなくてそれぞれの捨て牌も覚えてないのが本当に申し訳ない。打牌候補は索子3sor7sか単純な牌効率なら萬子3mあたりが候補になりますが醍醐さんは78m外しを選択しました。索子の場況が良く特に2sの場況が良かった(3sが場に2切れだったはず)のも索子2メンツを後押ししたと思います。もしかしたら醍醐さんには8sも良く見えてたのかもしれません。(醍醐さんYoutubeチャンネルの検討配信で挙がってたかもしれませんがあいにく私は見ていないので実際どうだったかはわかりません)あの時の醍醐さんの小考は369mと2sと8sの比較だったのかもしれないですね。醍醐さんの先切りは迷彩(といっていいのか疑問ですが)や危険牌を先に逃がすことについ目を奪われがちですが醍醐さんの長所は優秀な順子を見抜く能力にあるのではないかと私は感じています。このシーンは先に8sを引いて狙い通りの25s待ちになったものの惜しくも他家に2sが暗刻で和了とはなりませんでしたが先の4p先切りや78m切りは醍醐さんの持ち味を遺憾なく発揮した一手だったように思います。いわば先切り十段の二つ名をひっさげた醍醐さんのこれ以上ない自己紹介とも言えるのではないでしょうか。

二つ名はデメリットもありますが私は打ち手の個性を強烈にアピール出来るという点で麻雀プロとして非常に有利だと思っています。
リーチ超人がテンパイしたのにリーチしない?なぜ?とかリーチ超人がシャンテン数を戻した?なぜ?とか先切り十段が先切りしたということは山に結構いるんじゃない?あるいは他家が使いにくい牌だから面白い待ちになりそう!と私は観戦しながら本人の思考を探ってみたりしています。こういうのも観戦の楽しみのひとつだと思います。つまり二つ名は局面を掘り下げるのに大きく寄与するんですよね。これは麻雀談義の醍醐味でもあり記憶に残る打ち手でもあると思うんです。

だから局収支では損に見える一打であっても自分の信じる道を進んでほしいです。その結果負けたとしてもいいんです。いや、良くはないけども私が思うに麻雀プロは自分らしく打って負けることもプロとしての価値が十分あるんじゃないかと思っています。小島武夫さんが多くのファンに愛されたのは底抜けに明るいキャラクターも大きな要因だとは思いますが常に大きな手を作りどんなにスピードで劣っていても最後は大物手で逆転勝利を収めてくれるんじゃないかと期待させてくれたからだと思います。この人ならこうしてくれる、あるいはここから凡人には打てない一打を放ってくれる。ファンをワクワクさせることが出来る稀有な打ち手、リーチ超人の二つ名の村上さんにはそんな脂質資質があるんじゃないかと私は思っているからです。

今やMリーグの人気は凄まじく各団体のタイトル戦があまり話題の中心になりにくいように感じますが私は第48期最高位決定戦をとても楽しみにしています。オカルトバスターのメンバーである村上さんにこんなことを言うのはとてもおこがましいですが最後に片山まさゆき漫画よりこのフレーズを送ります。オカルトシステムNo.99補欠繰り上げ追い風ポールポジション。まぁ補欠とかではなかったけどもリーグ戦の終盤で厳しい位置にいながらもラスト2節の激戦を制して決定戦に進出した村上さんに追い風はビュービュー吹いているに違いありません。臆することなく自信を持っていつも通り純粋な気持ちで牌と向き合えば必ず勝てると信じています。村上ファンは歯ぎしりしながら激闘を見守りましょう。

第48期最高位決定戦は10月22日(日)より開幕します。


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