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イベント公式レポートについて考えていたこと

高知にはウェブクリエイターズ高知(通称WCK)というウェブ系の勉強会があります。2015年の CSS Nite in TOSA から2019年1月までの約3年間、WCKの実行委員として活動していました。

そこで取り組んでいたことのひとつに、イベントレポートの執筆があります。3年間で23本のレポート記事を書きました。この記事では、私が何を考えてイベントの公式レポートを書いていたのかについて記してみます。

何を書いていたか

レポートに書いていたのは主に以下の3つです。

1. どんな内容のセッションだったか

イベントに参加していない人でも、レポートを読んであらすじを把握できる程度の詳しさで書いていました。

2. 会場の反応はどうだったか

参加者との会話やアンケート、SNSから感想を拾ったり、笑いが起こっていた、真剣な様子だった、ため息が漏れた……などの会場の様子をメモしておいて、レポートに盛り込んでいました。

3. 自分はどう感じたか

一参加者としての目線で、自分の感想や印象に残ったことを加えていました(多くなりすぎないように注意しながら)。

また、勉強会では毎回、撮影担当の方がたくさんの写真を撮ってくださいました。その中から登壇者がかっこよく見える写真、イベントの雰囲気が伝わる写真を選ぶのも大事な仕事でした。

誰のために・何のために書いていたか

WCKの勉強会は基本的に参加者にお金を払ってもらう有料イベントですので、セッション内容をどこまで詳細に書くかは意見が分かれるところだと思います。
私がまあまあ詳しくレポートを書いていたのは、登壇者・参加者・運営者のために、レポートがこんな風に役立てば良いなという思いがあってのことでした。

登壇者の実績になるように

まず強く意識していたのはこれです。

登壇者の皆さんが準備してくださったセッションは、どれも当日の時間と参加者の中だけで終わらせてしまうのが申し訳ないくらいためになるものでした。その人が、どんな参加者向けに、どんなセッションをしてくれたのか。反応はどうだったのか。レポートに残しておくことで、後々外からでも参照してもらえる実績になったら良いなと思っていました。

実際に2018年4月に開催された WCK Meeting vol.59「ウェブサイトのつくり方」では、レポートが一助となり、高知県と高知大学共催のスピンオフセミナーが実現したそうです。

勉強会の企画をしていると「他の地域でやっていたあのセッションが聴きたい」「この方はどんな持ちネタがあるんだろう」という場面がしばしばあります。そんな時にも、レポートのリンクを関係者で共有してもらえたらと思います。

参加者の満足度アップに繋がるように

お金と時間を使って勉強会に参加してくれた方に最もメリットがあるように、復習になるけれど美味しいところ全部は書き尽くさないようにしていました。イベント当日のセッション + 登壇者からのフォローアップ + レポートのセットを見られるのは参加者だけです。

当日にセッション内容を完全に理解できる方は、あまり勉強会に参加されないと思います。多くの参加者にとって、何か新しい知識や考え方をインプットできる場として勉強会があるはずです。その整理や復習に役立つように、レポートを書く際は何度もスライドを見直したり、周辺情報を調べたりしました。

また、レポートには「あなたの参加した勉強会はこんなに素敵でしたよ」の気持ちを込めて、当日の良かったところを全て書くようにしていました(嘘やお世辞で盛ったりはしてませんよ!)。

未来の参加者の安心材料になるように

はじめて参加する勉強会やセミナーは、どんな雰囲気なのか、どんなことが得られるのか、自分が参加しても大丈夫そうか、いろいろ不安がつきものです。公式レポートは、参加を迷っている方の判断材料にもなると考えています。

次の項目にも通じますが、コンスタントに開催実績とレポートが公開されていれば、外から見た信用度も増すのではないでしょうか。

運営実績になるように

さいごに、イベントレポートは運営団体の実績にもなります。協賛や後援、共催、施設の利用をお願いする際にも便利に参照することができます。

開催のお知らせページはイベント管理サービスやSNSでも作成していますが、それらはフロー型のコンテンツという側面が強いです。独自ドメインにレポートを積み重ねていくことが、イベント実績、ひいてはコミュニティの醸成につながれば良いなと思っています。

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以上、私がイベントの公式レポートを書くときに考えていたことを振り返ってまとめてみました。今後は運営からはいったん離れますが、参加者としてマイペースに関わっていけたらなと思います。

※1 この記事で述べたことは、あくまで私の個人的な思いです。どこの誰に対しても、「イベント公式レポートかくあるべし」を押し付けようという意図はありません。また、個人のイベント参加レポートは好きなことを好きなように書くのが良いと思います!

※2 WCKのサイトはそのうちリニューアルされるはずです……

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