見出し画像

『OU』感想日記

先月末に発売された『OU』、休日にクリアしました。
プレイ時間は4時間程度。
最低3周すれば、真エンドっぽいものが見れるのですが、選択した行動によってエンディング(と言うかラストの展開)は複数あるみたいです。
私は結果的に4周して、ヴォーカル曲付きのスタッフロールが流れるエンディングを見ることができました。

探索型アドベンチャーゲーム、とジャンルを言い切っても良いのか戸惑う作品です。
ノスタルジックな雰囲気のグラフィックとBGMが美しく、テキストにも独特の雰囲気があって、ハマる人はすごくハマるだろうなと思いました。
『moon』とか好きだったら、きっと好きだと思います。
とは言っても、『moon』のような難しい謎解きとかはなく、ゆったりと児童文学のような世界観を触りながら読み進めていくような、そんなゲームです。

プレイし始めた時には、物語の設定も主人公の背景も何もわからなくて、わかりたいという思いから、ゲームの世界観にどんどん惹き込まれていきました。
しかし、エンディングで自分が理解したのは、描かれていたのは物語ではなく、“物語のようなもの”を通して普遍的な概念を表現していたのだということでした。
プレイヤーによって、作品から感じることや思い出されることは、それぞれ異なると思いますが、人の数だけある、その曖昧な夢想の中にあるような世界こそが、この『OU』で描かれていることなのだなぁと。
一方的に完成された物語を押し付けるのではなく、作品と読者(プレイヤー)との相互関係を真摯に考えてくれているところが、児童文学的だなと感じたりもしました。

個人的に、ギターのBGMが本当に好きでした。
これからの季節、窓の外から流れてくる虫の環境音と共にプレイできたら、本当に最高だと思います。
しみじみと思考に浸れる内容も、秋の夜長にオススメできる作品です。

余談。
プレイ序盤から、自分の頭の中では、すみっコぐらしの映画1作目(とびだす絵本とひみつのコ)のイメージがすごくありました(笑)
最後までプレイして、当たらずとも遠からずと言うか結構近かったなぁ、なんて思ったり…
プレイヤーそれぞれ、このゲームを通して思い出される大切な作品が、きっとあると思います(笑)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?